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#2 製造も販売も全部自分でやる|ごまどうふ屋・大島史也 〜がむしゃら編〜

「ごまうふふ」というごま豆腐を
新潟亀田で、たった一人で
作っている大島さんは、26歳。

"じいちゃんの味"を継いだ若き2代目です。


⬇︎前回の~継ぐ編~につづき、
今回は「がむしゃら編」です。

食べてもらえば良さがわかる。だから自分で売る!

大島さんのごま豆腐は、ひとつ300円。
シンプルな材料と製法で、
体にもやさしく、健康にも良い。

さらには、
ごま豆腐とは思えない新感覚な味と食感で、
スイーツのような新しさ
があります。

ただ、そもそも日常的に
「ごま豆腐を食べるシーン」は少なく、
手に取ってもらいにくい商品でした。

継いだ当初は、
1日に3個ほどしか売れない日も。

しかし、
味には絶対的な自信を持っていた大島さん。

「食べたらおいしさがわかってもらえる」
という思いから、
「自分で直接売る」ことを決めました。

「ごま豆腐ってたぶん『法事で出てくる味気ないやつ』くらいのイメージしかなくて、置いといても売れる商品じゃないんです。でも、みんな知らないだけで、知ってもらえれば喜んでもらえる自信がありました。だからとにかく、まず『試食』をしてもらいたくて。」

継いでから2年目。
大島さんは、新潟市内の
農産物直売所などで「出店販売」を開始。

試食をきっかけに、
ほとんどのお客さんが
ごま豆腐を購入してくれました。

また、自分で接客することで、
ごま豆腐の作り方や、
おすすめの食べ方、
じいちゃんから継いだという
ブランドストーリーも伝えることができ、
「ごまうふふ」のファンは急増。

継いだばかりの1年目は
1日に3個ほどしか売れなかったごま豆腐が、
今では、月に3000個売れるようになりました。


「あげやすさ」重視!新しい「ごまうふふ」誕生!

対面販売をしただけでなく、
商品のパッケージも一新しました。

2年前までは、
「ごまうふふ」という名前ではなく、
「石本商店のごまどうふ」として販売していて
メインのお客さんは、60代以上がほとんど。

年配の方だけでなく、
"おやつ感覚"で子どもや若いママにも
食べてほしい
という思いから、
かわいらしい商品にリニューアル。

プロのデザイナーやコピーライターに
協力を頼み「ごまうふふ」が誕生しました。

それだけでなく、大島さんは、
ごまどうふ屋になるまでのストーリーが
描かれた「絵本」を作ったり、

ごま豆腐を“おやつ“として提案するため、
「コーヒー」も一緒に販売したり、

商品を届けに行きやすいようにと、
自分の車を売って、
「キッチンカー」も作りました。

さらには、ごまうふふの
「テーマソング」まであるとのことです。

「ごまうふふを『手土産』として買ってほしくて、“あげやすさ”をデザインしたかったんです。『このごま豆腐、キッチンカーで若い兄ちゃんが売っててさ、絵本までついてるんだよ!テーマソングもあるみたい!』こんな風に、ごまうふふが、“あげる側の会話のネタ”になれたらいいなと思ったんです。」


多くの人を巻き込んで、一人じゃできないことを

製造から販売まで、
すべてを一人でこなしている大島さん。

最近の新たな挑戦は、
「誰かとチームでやること」です。

現在は、新潟市内の大学生たちと
コラボレーションして、
ごまうふふで1000人を笑顔にするプロジェクト
略して、「1000人うふふ」に挑戦中。

1000人にごまうふふを無料で配り、
その「笑顔」を集めたショートムービーや
フォトブックを製作します。

また、
大島さんが積極的に活用しているのが、
「クラウドファンディング」。

キッチンカーを作る際も、
クラウドファンディングで
100万円以上の資金を集めました。

「クラウドファンディングはただ支援してもらうツールではなくて、『人を巻き込む』ための武器だと思ってます。いままでずっと一人だったからこそ、誰かと何かを出来る凄さを感じているんです。それに、自分以外の人がごまうふふに関わってくれるって、すごく嬉しいことです。」


今までのお客さんを大切にしたい。夢は「お店」を作ること

そんな大島さんの今後の目標は、
「お店」を作ること。

いままでは、「じいちゃんの味」を
より多くの人に届けるため、
直売所やイベントなどでの
出店販売に力を入れてきました。

これからは、
これまでの出店などを通して
ファンになってくれたお客さんたちを、
「もっと大切にしたい」

という思いがあります。

今では、大島さんに会いに
県外から来てくれるお客さんも。

現在、ごまうふふは、
祖母のゆりこさんが営む金物屋さんで
ひっそりと売っていますが、

せっかくなら、
来てくれた人たちをもっともてなせる
空間を作りたいと考えています。

「自分の商品をわざわざ買いに来てくれるって、本当に感謝が半端ないんです。せっかく来てくれた方に、コーヒー一杯でも出して、一緒に時間を共有できるような空間を作りたい。これまでのお客さんを大切にするためにも、新しい人に届けるためにも、次の挑戦は『お店』だと思ってます。」



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「こんな仕事があったのか。in新潟」
vol.1 ごまどうふ屋・大島史也

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大島史也(おおしまふみや)
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1993年生まれ/新潟県 新発田市出身
石本商店の2代目/ごまどうふ屋5年目
一言「カレー屋さんになりたい!」

2019/12/02


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