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長い間離ればなれだった祖母と再会したときのこと

『グラデーション』

(Gradation)


いつからか、

目にものを映すだけでなく
世界を感じたい

と思うようになった


いつからか、目にものを映すだけでなく 世界を感じたい と思うようになった


長い間離ればなれだった祖母と再会したときのことです。

すでに寝たきりだった祖母の姿がどのようであるかを事前に何も聞いていなかったので、その身の細く、軽く、乾いていて でも どこか澄んでいる様子を目の当たりにした瞬間、私は一瞬にして全表現をなくし、ただその場所に止まりました。

* * *


時間が止まっていた。祖母との思い出があることは確かに感じながら。

ショックはなかったけれど、ショックがあると言うことも可能だった。

どんな心の動きもなかったけれど、あらゆる感動をわかってもいた。

肌ざわりのある静けさ、だった。


祖母も私が来るとは聞かされていなかったようで、突然見慣れないものが現れ視界に入り込んでも、何と無くの表情を向けたまま。


少しの間の空白。

祖母の目にかすかに光が宿った。

息を吹き返すように、目を大きく見開く。


これは、本当?

気持ちが伝わってきた。

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