アイドルを消費して緑の眼鏡をはめる
幾層にも重なった人間たちと、階層ごとのルールやお作法。階で少しでも変わった動きをすれば一気に周りから白い目で見られ、階層を誤って飛び出せばたちどころに弾劾される。
それは、自分が気に食わないものを詭弁で吊し上げ、意見を持つ主体としての責任を放棄して自分と世界の境界を曖昧化することに他ならない。チェンバーの中をこだまするものが、いつしか世界の果てから本当として飛んでくる。
弱さゆえの誤謬は、その者の景色を恣意的に染め上げる。自ら緑色の眼鏡をはめて見るエメラルドの都には、結