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08『容器メーカーとの出会いと共創の日々』D2Cメンズコスメ開発ストーリー。(2022ローンチ予定)

#08ではD2Cブランド877COSMETICS(バナナコスメティクス)の容器開発における、パートナーとの共創をした日々について少しお話します。

容器メーカーとの出会い。


私たちが探求の先にたどり着いた先が、
化粧品容器の老舗である、株式会社宮本さんです。
1952年創業の歴史ある会社です。
はじめてお会いしたのが2021年10月13日。
Google先生で調べ、電話で相談し、その日のうちに本社まで向かいました。
快く私たちの話に耳を傾けていただき、様々な提案をいただきました。
1年経った今も共創開発中で、営業担当の方と二人三脚でディスカッションしながらアップデートを繰り返しています。

ビンからプラスチックへピボット(転換)。


#07で記事にした通り、ビンでの開発は断念しました。
▶記事はこちらhttps://note.com/877cosmetics/n/ne90ba758a639

最後の最後までビンでの開発の可能性を探れたのは宮本さんのお陰でした。
量産されている小さめの「ウィスキーボトル」を使用すれば、ロッドを抑え、実現可能性がまだ残っていたのです。

容器の口径の問題。


ウィスキー含めた、食用ボトルビンの問題は口の径が大きいことです。
デフォルトである程度、口径サイズは定義され、そのサイズに収まらないものはオリジナル開発が必要になり、大量ロッド生産になってしまいます。

化粧用ボトルと大きく異なるのは、この口径の大きさ。
つまり、飲料としては問題ないですが、あまりにも液体が出過ぎてしまう。
そこで、口部分に中栓を入れることで、この問題をクリアしようとしました。

検討していたボトルデザイン

容器とキャップの噛み合わせの問題。


今度は食用ビンの口に中栓を入れることで、元々はビンの口径に合っていたキャップに少し誤差が出始めました。
キャップは閉まりますが、中栓の㎜単位のデッパリによって、ほんの少し、かみ合わせの悪さが発生。
何度も閉めるとキャップのダメージが起こり、削り粉が少し出てくるという問題でした。
当然、化粧品は肌に触れるものですから、キャップの粉がビンの口につくことは避けなければいけません。
中栓、キャップをオリジナルで製造したら、これも金型からの開発になり、ロッドが数万単位に跳ね上がります。
こうして最終ジャッジのもと、プラスチックボトルにピボットすることになりました。

男らしい角ある容器を求めて。


化粧品容器は一般的に丸みを帯びたものがほとんどです。
「メンズコスメ」と言われる言葉が一般的に使われるようになったのはここ数年。基本的に女性をターゲットにした製品のベース容器がほとんどです。

私は角ある容器のベースを探していました。
飲み物の缶やペットボトルもほぼ同型で、丸みが必ずありますよね。
あの丸みを取りたかった。
それはエッジのある男を容器のイメージによっても表現したかったからです。
全て四角形の容器は小容量のものが多く、サイズが大きいものがほぼない状況。
あったと思えば、口径に合うポンプが対応していなかったり、何かしら問題の連続でした。
これを徹底的に探し、ベースとなるサンプル容器を見たときは思わずガッツポーズが出ました。宮本さんの協力なくして、成しえることはなかったと思います。

手作りでイメージサンプルを作成
全て角あるスクエアの容器デザイン。自作塗装のβ容器。

容器開発は続く。


1年の歳月を経て、ほぼ容器のベースデザイン固まってきました。
現在、これまでにない斬新な塗装デザインも試しています。
制作事例がないと言われている特殊な色加工もテストしています。
将来的には更に環境に優しい素材へのピボットも必要でしょう。
今はバイオマス系の植物素材容器に関しては非常に高騰しており、
通常に対し、何倍もの金額で取引されています。
原料不足の中、過剰在庫を作り過ぎては逆に環境に優しくない。
表面的なことではなく、その裏をきちんと考えることが必要。
きちんと整備されてくれば、将来的には取り入れていきたい。
アップデートし続けることは大切です。

ステークホルダーにリスペクトを。


容器メーカー、キャップメーカー、塗装メーカー、印刷会社…。
容器にも、本当に多くの会社が関わっていることをはじめて知りました。
それぞれのパートで、みんなが協力してくれている。
877に付き合ってくれる全てのステークホルダーにリスペクトと感謝を。

みんなに迷惑をかけながらも、決めています。
「私が欲しい最高のプロダクトを創る。」
こんな想いで進めています。

※毎週月曜日に記事更新中。
次回は「香料のオリジナル・ブレンド開発」です。

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