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労働生産性の向上に向けてって?

 日本はある意味で言いますと飢えを克服したのではないか?と言われています。今の若い人の中で毎日の食べ物に困る人が何人いるのか?というようなことらしいのですが、ぼくのようなおじさんになりますとそういった感覚はあまりなくってどちらかというと毎日お仕事をしないとどうやって食っていくんだよ!っていう感覚に近いモノがあります。

 とはいえ、日々の暮らしや生活のためだけに自分の人生の時間を埋没させてしまってもいいものなのか?という風潮もあります。たしかに、不安定とはいえ安定的な世の中ではわりと特徴のあるとがった人物の方が生きやすいのかもしれません。

 安定した世の中で安定した自分自身だと特徴が見えにくいですよね。だから個性がどうとか、ほんとうの自分がどうとか言うのでしょう。

 今日お話したいのはそういったことではなくて、肩こりのお話です。正確に言うと働き方と理念についてのお話です。

 こういった記事を見つけました ↓

労働生産性の向上に向けて、社員の肩こり対策の実証研究を開始

 これはオムロン ヘルスケア(オムロン)とバックテックという会社がオムロンの低周波治療器とバックテックの肩こり・腰痛対策サービス「ポケットセラピスト」を使った実証研究を開始するという記事です。

第1弾として、肩こり対策の実証研究に取り組む。3カ月以上の慢性肩こりに悩む社員がこれらを使用し、その導入効果の検証を希望する協力企業を同日より募集する。

 ぼくがこの記事に引っかかったのは、ずばりタイトルです。労働生産性の向上に向けて、といったタイトルです。そりゃ会社や企業としてはそうでしょうね。社員に少しでも労働生産性を上げてもらって、利益を上げてもらって、社員に還元したいと思っているでしょうし、それがさらにうまくいくことで社会に貢献したい、というのは多くの企業が目指しているところでもありますし、大いに結構なことだと思います。社員の生活や社会に必要だからこそいろいろな企業は存在するのだと思いますし、無くなっては困るのです。

 でもこのタイトルからの印象として、社員や社会のことを考えているというよりは労働生産性を向上させて利益を上げるために電気治療器を使ってもっと働け!というように見えてしまうのはぼくだけなのでしょうか?

肩こりと腰痛は、生産性を低下させる3大要因のうちの2つを占めるという調査結果がある。近年、健康経営に取り組む企業は増加しているが、その投資効果は見えづらく、評価や効果検証が課題になっていた。また、ストレッチセミナーなどによる肩こり・腰痛への対策は、時間的・地理的に制約があり、単発で終わるなどの課題もあった。今回の実証研究は、肩こり対策の実施効果を最新の科学知見に基づいて検証でき、社員も手軽に取り組めるとしている。

 整体をする人間が企業とコラボしてその企業で働く人の健康や生活の管理をしていくということがあってもいいのではないか?とも思うのですが。そこでも引っかかるのがやはりタイトルです。労働生産性の向上のために整体は決してあるわけではありません。労働生産性を上げたい人に向けての整体もあるかもしれませんが(本人がそのことを強く望むならば)人生を楽しみたい人に対しての整体もあります。どちらかというとその方が整体の概念には近いと思います。企業の都合や業務の部分だけを切り取ってその人を観ていくことができると思っている方が間違いです。

 実際に、企業が社会に必要な理由や存在理念と照らし合わせると整体とそれほど相性がよくないとも思えないのですが、どこかで何かを忘れたり掛け違えたりするもんでしょうね。

本日もお読みいただき、ありがとうございます。

読んでくださってありがとうございます。とてもうれしいです。