マガジンのカバー画像

書評/読書メモ

29
運営しているクリエイター

#読書メモ

【読書メモ】「嫌われる勇気」

【読書メモ】「嫌われる勇気」

少し前(今も?)に日本でブームだったというアドラー心理学。そのきっかけとなったと言われている「嫌われる勇気」を読んでみた。

2年ほど前に一度読んだことはあったものの、すっかり忘れていたので、再読。特に気になったことを、備忘録としてメモしておこう。

有名な本なので、レビューを書かれたりYouTubeで上げられている方も多い。そこで見聞きした言葉を拝借するけれども、「アドラー心理学は、心理学ではな

もっとみる
【読書メモ】「ドイツとEU: 理想と現実のギャップ」(池上彰さん)

【読書メモ】「ドイツとEU: 理想と現実のギャップ」(池上彰さん)

池上彰さんの「ドイツとEU: 理想と現実のギャップ」を読んでみた。

断片的に見聞きしたことはあっても、おお!なるほど!と、点が線になるような形で学ぶことの多い一冊でした。歴史は学生時代からとっても苦手だけど、もっと知りたい!と最近思うことが増えてきた。池上さんの本は、私のように基礎知識があやふやな人が読んでもわかるように構成されていて、ほんとにありがたい。これからも読み続けよう。

特に覚えてお

もっとみる
【読書メモ】「アッコちゃんの時代」(林真理子さん)

【読書メモ】「アッコちゃんの時代」(林真理子さん)

林真理子さんの小説「アッコちゃんの時代」を読んでみた。

バブル期に20代前半であった美しい女性、厚子。ニックネームはアッコちゃん。当時、日本で3番目にお金持ちであった地上げ屋である不動産屋社長の愛人となり、その次にはイタリアンレストラン「キャンティ」の御曹司と、妻子を捨てさせて結婚。

不動産屋社長の愛人である時には、500万円ほどする腕時計を買ってもらったり、用意してもらったマンションに住み、

もっとみる
【読書メモ】コロナウイルスの終息とは、撲滅ではなく共存(池上彰さん)

【読書メモ】コロナウイルスの終息とは、撲滅ではなく共存(池上彰さん)

「コロナウイルスの終息とは、撲滅ではなく共存」を読んでみた。

少し前から、‘毎月2冊以上、政治、経済、時事に関する本を読む!‘と決めていて。今月、そういえばまだ読んでいない!と思い、Kindleで気になった本を購入。

7月に出版されている本なので、今日時点のデータを調べながら読み比べ。

まだ2ヶ月ほどしか経っていないのに、感染者数のデータなどが大きく変わっていて改めて感染症の脅威を感じた。

もっとみる
【読書メモ】私の男(桜庭一樹さん)

【読書メモ】私の男(桜庭一樹さん)

「私の男」を読んでみた。

ここ数年読んだ本の中で、最もねっとりとしていた。個人的に「ねっとり大賞」を差し上げたいくらいだ。

ドロドロとか、愛憎劇、とかよりも、ただただ「ねっとり」。

震災で孤児となった少女が親戚の男に引き取られて、養子縁組の上、親子として生活をする。

彼女が社会人になっている場面から物語はスタートし、高校生の頃、中学生の頃、小学生の頃と、どんどん遡って物語が描かれていくため

もっとみる
【読書メモ】絶望の国の幸福な若者たち(古市 憲寿さん)

【読書メモ】絶望の国の幸福な若者たち(古市 憲寿さん)

「絶望の国の幸福な若者たち」を読んだ。

帯にも書かれている通り、「26歳の社会学者による大型論考の誕生!」という部分にとても惹かれて、書籍を購入したのを覚えている。

ただ当時はバタバタしていて読むタイミングがないままで。ようやくつい最近読むことが出来た。「社会学」というものとちゃんと向き合って学んだことはないけれども、著者の視点でバシバシと事象を切り刻んでいくような印象の書籍。「そういう考え方

もっとみる
【読書メモ】ここがヘンだよアメリカ人(芽衣田珠子さん)

【読書メモ】ここがヘンだよアメリカ人(芽衣田珠子さん)

「ここがヘンだよアメリカ人」というエッセイ漫画を読んだ。

著者が高校生の時に、ご家族が駐在の関係でアメリカに来られて、現地の高校生として何が日本と違うか、どういった経験をしたか、というエピソードが漫画で描かれている書籍。

英語を第二言語とする生徒は、まず英語力を測る試験を受けて、その結果に応じてネイティブスピーカーと同じ授業を受けるか、英語を第二言語とする生徒を集めたクラスの授業を受けるか、決

もっとみる
【読書メモ】不機嫌な果実(林真理子さん)

【読書メモ】不機嫌な果実(林真理子さん)

「不機嫌な果実」を読んでみた。

主人公の性格が「ああ、このタイプの方、ほんと苦手だわ、、」と思ってしまうタイプの方で、終始ねっとりと何かが心に重くのしかかる印象で読み進めた。

まず、何かあった時に、基本的に「誰かのせい」「状況のせい」にする考え方の持ち主で、「私ばっかり損をしている」と、被害者意識の塊、といった思考タイプの方。

どうみても、好き放題したいことをして、自分の意思で、選びたいもの

もっとみる
【読書メモ】子供がずっと欲しかった 事実婚妻が体験した妊娠・出産のこと、全部。(はあちゅうさん)

【読書メモ】子供がずっと欲しかった 事実婚妻が体験した妊娠・出産のこと、全部。(はあちゅうさん)

「子供がずっと欲しかった 事実婚妻が体験した妊娠・出産のこと、全部。」を読んだ。

学生で世界一周をされた頃からずっと気になっていた作家さんで、ブログや書籍をいつも読んでいた。ご結婚をされた頃から出産、育児に関して、現在進行形で発信をされていて、おそらくそのほぼ全てを既に読んだことがあるため、この本は「そうそう。こういったことをおっしゃっていたなぁ」と、自分が見聞きしたものがまとめられている感覚で

もっとみる
【読書メモ】恋が生まれるご飯のために(はあちゅうさん)

【読書メモ】恋が生まれるご飯のために(はあちゅうさん)

「恋が生まれるご飯のために」を読んだ。

かれこれ自粛期間のため、ここ半年ほど外食に行っていなかったので、この本を読んでどこかお出かけした気持ちになり、とてもワクワクしながら一気に読んだ一冊。

改めて、あらゆるジャンル、その中でも細分化されたメニューが選択肢としてここまで整っているのって、東京ならではだなぁ、なんて思ってしまった。各国の都市部に行けば、いろんなお料理は食べることができると思うけど

もっとみる
【読書メモ】もっと幸せに働こう 持たざる者に贈る新しい仕事術(MBさん)

【読書メモ】もっと幸せに働こう 持たざる者に贈る新しい仕事術(MBさん)

「もっと幸せに働こう 持たざる者に贈る新しい仕事術」を読んでみた。

以前ふと、「服を着るならこんな風に」という漫画を読んだことがある。ファッションに興味のないサラリーマンが、妹のコーディネートの力を借りて、ユニクロなどを活用して、どんどん垢抜けた洋服を着るようになる、というお話。

この漫画の企画協力をされているバイヤーの方で、最近はYouTubeでも良く見るようになった方が著者のMBさん。

もっとみる
【読書メモ】「新しい靴を買わなくちゃ」(北川悦吏子さん)

【読書メモ】「新しい靴を買わなくちゃ」(北川悦吏子さん)

「新しい靴を買わなくちゃ」

概要カメラマンをしている青年センが、妹に同行し数日の間パリ旅行へ。強引に別行動となり、途方に暮れていたところ、現地に住んでいるアオイに出会い、物語が展開する。

感想アオイが履いている靴のヒールが取れてしまったところを、カメラ機材の一つとして持っていた接着剤でサッとセンが修理をするところは、とっても微笑ましい描写ではあるのだけど、ヒールが取れる原因となったのはセンのパ

もっとみる
【読書メモ】「下流の宴」(林真理子さん)

【読書メモ】「下流の宴」(林真理子さん)

「下流の宴」

ざっくり概要医者の家系であり、有名大学を出て企業勤めをしている旦那がいる主婦が主人公。自分たちは「やや上流ランク」に所属しており、それより「下」の生活を送る人々とは接点はない、あっても一時的なもので、永続する関係ではない、という考え方の持ち主。ところが、有名中高一貫校に進学した息子が高校を中退し、フリーターとなり、主人公の目線でいうところの「接点がない世界」に息子が入ってしまった。

もっとみる
【読書メモ】「文化系女子という生き方」(湯山玲子さん)

【読書メモ】「文化系女子という生き方」(湯山玲子さん)

文化系女子という生き方

日本において少女漫画が発展したことについて、

「本来ならば他の表現ジャンルにいくべき才能が、非常に狭い枠でしか、女性の表現活動が認められず、プロとして食べていける少女漫画の世界に集結した」

という分析をされていたのが印象的。

また、

「各種ビジネス本に精通している方は、会社の非採算部門にいるため時間にゆとりがあり、有り余ったエネルギーを元に勉強をする。経営者並の知

もっとみる