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6畳

白い壁にはお気に入りのオードリー・ヘプバーンのポスターが数枚、飾られている 旅行に行った時の写真、そこで買ったポストカード 白、白、白、ベビーピンク、白、ベビーピンク、白 そんな部屋 私の部屋だなー 自分のお家にいるのだから当たり前だけど、ふとそんなことを感じた 自分で作り上げた自分が落ち着く空間 スマホの中ばかり見ていてもそこに私はいないよ

    • 知らない夏

      新しい街の中にふらふらと転がり込んだ だいすきな都会のビル群はその街のどんなに高い建物の上からも見えそうにない この街は、どこを歩いても生活の景色しか見つからない 大学生の頃から成長していない自分を直視しないといけない気がして、あのビル群が見える場所へと戻りたくなる 自分の意思であの場所を選んだ 自分の意思でこの街に転がり込んだ ビル群なんて見えていても見えていなくても、私は全く変わっていない もう少し、大人になりなよー もう少し、揺るがない自分を持てよー なりたい大人

      • 忘れなくてもいいや

        暑いからなのか、苦しかったからなのか 何もできずにただ天井と風に揺られるカーテンを見ていたあの夏を私はいつ忘れられるだろうか 季節外れのリクルートスーツを着て、朝の電車に乗りたいと思いながら昼間の電車に乗っていたあの夏を私はいつ忘れられるだろうか 多分ずっと忘れられないだろうな あの日があったから今の自分があるなんて言いたくない、溺れて息ができない日なんてない方がいい それでも、あの時、誰かが伸ばしてくれた手を掴み、誰かが引っ張ってくる足に絡みついたその手を振り切った私

        • ユートピア

          瞼越しに差し込む光を日傘で無かったことにしようか、心地の良さからそのままにしようか迷った そのうち、その心地の良さから眠りについてしまう お昼の公園は、私のユートピアの一部を担っている キラキラと輝く日差しとほどよく季節を乗せた風は、私がこの後季節のない部屋の季節のない機械の前に戻ることを忘れさせてくれる 何があるわけでもないけれど、いるだけで私の世界の枝が少しずつ切られ、墨を一滴ずつ垂らされているような気がしてしまう部屋を出て、私はこの公園でユートピアの枝を伸ばし、爽

          流れるままに生きて

          好きなことをする 好きな服を着る 好きな人といる 好きな自分になる 誰かのしんどいに寄り添うことも大事だけれど、妬みや嫉みが入ったしんどいは買いません 好きな自分でいることが1番大切だから 自分のことを愛してくれる人たちをたくさん愛して、たくさん笑って、たまに泣いて流れるままに生きる 流れていくときの中でふと思い出す幸せを自分で増やす

          流れるままに生きて

          夕焼けと写真

          夕焼けの写真が送られてきた 滅多にLINEが来ない人からだった 確かにさっきまで夕焼けがすごく綺麗で、写真を撮る人がちらほらいた 撮っているのは女の人ばかりで写真を撮ることが大好きな私だけれど、なぜかその時は野暮だと思ってしまった 「女はいつでも写真を撮りたがる」 そう思われる気がして、なんとなくカメラをしまい、ただ空を見上げていた 普段LINEも来なければ、写真もあまり撮らない人だからその景色を私にも見せたかったのだろう ふと気がついたら大粒の涙が止まらなくなった 虹

          夕焼けと写真

          初夏の夜

          川沿いを散歩する 夜風の中に響き渡るせせらぎとゆったりとしたこの時の流れをうまく言葉にしたいけど、心地よさから何も考えたくなくなる 雲でぼやけている月も見惚れてしまう また、忙しない朝が来るなんて今は忘れさせてほしい

          初夏の夜

          おばあちゃんになっても

          大好きな友達がいる 感性が似てる 趣味も服の好みも全部違うけど、根本の価値観が似てて、お互いに考えを尊重できる大切な友達 一緒にいると楽しすぎて、大好きな写真を撮ることも友達の楽しんでいる表情を収めたいから、手元とか風景よりも人物ばかり撮っちゃうし、お昼から夜まで遊んでいてもバイバイをした数秒後には話したかったことが見つかってしまう いくら一緒にいてももっとその子の感性で好きなものを知りたいし、苦手だなと思うものも知りたい 歳をとることが楽しみなのは、こういう友達がいるか

          おばあちゃんになっても

          甘い匂い

          ねむい 休日という名前にかまけて何もしていない 何もしていない、する予定もない午後4時 とても眠い 枕の匂いが良すぎる いい匂いすぎて眠い もう洗えない、洗いたくない

          甘い匂い

          映画みたいな人生

          私の人生は、B級恋愛映画みたいだ 浅いようで深くて、深いようで浅い 見た人の3、いや、2割はそこに価値を見出し、大半の人は「くだらなかった」と言って星1のネタバレありレビューを書く そんなB級恋愛映画みたいな人生を歩んでいる気がする 自分の人生を振り返った時に全国大会に出たとか、何かで優秀賞を取ったとか、これと言って大衆から褒められるようなことをしていない かと言って誰が見ても不幸で感情のない可哀想をたくさん吐かれるようなことも起きていない 私が感じる幸せも悲みも全部、8

          映画みたいな人生

          歳をとっても

          まだまだ人生これから!!! 24歳になる時も私はそう思っていた いくつになっても人生の先があることに希望を抱き、歳をとるにつれて増えていく思い出が愛おしくなっていく そんな人生にしたい そして、この世からいなくなる直前にワンピースのドクターヒルルクのように「いい人生だった」と言って息を引き取りたい そんなことを高校を卒業したあたりからずっと思っている とはいえそんな私でも、荒波の中で溺れかけている時期があった あの頃は、すっと、さっと、風に吹かれた拍子に消えてしまいたいと

          歳をとっても

          矛盾してばかり

          型にハマりたくないのに、性格診断は楽しんじゃう 何かになりたいと強く願いながら、何もせずにただお昼まで寝てる生活をしたいなと思う 矛盾しかしてない もっと芯があって、かっこいい大人になる予定だったんだけどな 小さい頃夢見た大人と現実のギャップに悲しむより、「こんなもんだよね」と思ってしまっている自分が1番悲しい それでも私は諦めが悪いから、ミリ単位でもナノ単位でもいいからと少しずつ前に進んで、成長をしたがるんだろうな 明日は少しだけ、早起きができるといいな

          矛盾してばかり

          朝の音が近づく

          バイクの音が聞こえたら、朝が近づいている そう思っていた どこに住んでもバイクの音は大抵朝5時とかその辺で、聞くと寝れなかったことを後悔する 駅近のこの家は、ずっと電車の音がする 朝でも夜でも昼間でも、風の音と同じ勢いでガタンゴトン、ガタンゴトン 都会に来た感じがして割と好き でも、バイクは通らない どこからか聞こえる工事の音 朝が近づいているのかと思い、時計を見ると夜中の2時 まだ、朝は近づいていない 電車の音が聞こえたら、多分朝が近づいてるんだろうな けど、私はバイ

          朝の音が近づく

          プリンセスだからお城に住む

          朝、ベッドから見える山積みの段ボールを眺めながら後3日で約6年間の一人暮らしが幕を閉じることを思い出す ベッドやテレビ、冷蔵庫などの大型家財は業者さんが梱包を行うため、当日まで生活の風景を残す 段ボールは日に日に増えていくのに、まだまだふかふかのベッドで寝ているからなのか、一向に実感が湧かない 一人暮らしは割と好きだった 誰にも干渉されない自由に時が流れる空間は、門限が厳しかった私にとって初めて与えられたお城だった 無性に泣きたい時は思いっきり泣いて、真顔になれないぐらい嬉

          プリンセスだからお城に住む

          全部お酒のせい

          久しぶりにお酒を飲んだ 大衆居酒屋のレモンサワーを3分の1飲んだだけで顔が真っ赤になってしまうぐらい酒雑魚の私だが、昨日はバーテンに薄く作ってもらったから調子に乗って2杯も飲んだ カルーアミルクとカシスオレンジ 美味しかった 多分、摂取アルコール量は変わらないかレモンサワー1杯より少ない 終電より1本前の電車に乗り帰宅した、と言っても家に着くと夜中の1時前だった 半ば勢いでお風呂をやっつけ、髪を乾かし、明日は寝坊しまいと布団に入ってからが長い ドラマを見たり、ゲームをし

          全部お酒のせい

          フィルムカメラが大好き

          私はフィルムカメラが好きだ 写真を撮ることが下手でも独特の雰囲気がカバーしてくれて、上手く撮れた感じがするから 理由を聞かれるとそんな当たり障りがなくて納得してくれそうな回答をする 本当は違う 全然違う、私はフィルムカメラで写真を撮ることを愛してやまない 現像するまでのわくわく感、使うフィルムによって変わる雰囲気、シャッターを押した後にフィルムが巻き上げられる音、挙げ出したらキリがない その中でもやっぱり1番の理由は「特別感」だ フィルムは正直高い、高い上に撮れる枚数に

          フィルムカメラが大好き