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ユートピア
瞼越しに差し込む光を日傘で無かったことにしようか、心地の良さからそのままにしようか迷った
そのうち、その心地の良さから眠りについてしまう
お昼の公園は、私のユートピアの一部を担っている
キラキラと輝く日差しとほどよく季節を乗せた風は、私がこの後季節のない部屋の季節のない機械の前に戻ることを忘れさせてくれる
何があるわけでもないけれど、いるだけで私の世界の枝が少しずつ切られ、墨を一滴ずつ垂らされているような気がしてしまう部屋を出て、私はこの公園でユートピアの枝を伸ばし、爽やかで柔らかい空気に入れ替える
この時間がどこまでも愛おしい
戻りたくないなー、いつものように言う
逃げ出したくなる
逃げたくなる明確な理由はわからない
けれど、あの無機質に縛りつける乾いた空間は、何度同じ空気になろうとしても逃げたくなる
今日も緩やかに伸びたこの枝を切られてはまた、伸ばしに行く
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