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夕焼けと写真

夕焼けの写真が送られてきた
滅多にLINEが来ない人からだった

確かにさっきまで夕焼けがすごく綺麗で、写真を撮る人がちらほらいた
撮っているのは女の人ばかりで写真を撮ることが大好きな私だけれど、なぜかその時は野暮だと思ってしまった
「女はいつでも写真を撮りたがる」
そう思われる気がして、なんとなくカメラをしまい、ただ空を見上げていた

普段LINEも来なければ、写真もあまり撮らない人だからその景色を私にも見せたかったのだろう
ふと気がついたら大粒の涙が止まらなくなった

虹が出た時、髪を切った時、新しい服を買った時、面白いことがあった時、1番最初に分け合いたいと思うのが私であることが嬉しくて、普段なら好きな写真も綺麗な景色も野暮だと思ってしまった自分の心の汚さが悲しくて、ただひたすらに泣いた

もうあと少しで沈んでしまう夕焼けを諦めて、家に帰ろうと思ったけれど体が真っ先に走り出した
ひたすらに夕陽が見えるところを探し、写真を撮った
納得のいく写真は撮れなかったけど、それで良かった

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