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言わんでもええがなエッセイ 好きだの嫌いだの

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身の回りのものについて、好きだの嫌いだの書いたものを掲載していきます。各noteごとのテーマは、連想的につないで決めていきます。「好き」の中に「嫌い」を、「嫌い」の中に「好き」を…
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2022年12月の記事一覧

喫煙者はプールに通うといい

喫煙者はプールに通うといい

 スポーツをやるのは嫌いな方だ。「健康のために」って感じが良くない。そこには後ろめたさがない。「健康のために」というのは、光に満ちた公道で胸を張っているようで、馬鹿正直な感じがする。良いことで、正しいことではあるが、眩しすぎて影がない。どこか嘘くさい気がする。「健康のためにスポーツを始めた」というのは、当たり前すぎてなんだか恥ずかしい。

 しかしこの夏、私は市民プールに通っていた。水の中でバチャ

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排泄系スポーツ「排便」

排泄系スポーツ「排便」

 排便はどちらかと言うと好きだ。嫌いと言ってもやめられないが、ちょっとしたスポーツみたいな所がいい。「今、来てるな」という便意を合図に試合が始まるわけだ。緊張感がある。緊張感の大小によって、「やばい」「まだまだいける」などの程度がわかる。私は「まだまだいける」の状態なら、便意を遊ばしておくことが多い。

 トイレに行くまでの間、便の動きを読み切り、遊ばせる。これはもう、頭脳戦だ。便意は遊ばせる程に

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青春けむり健康法

青春けむり健康法

 タバコは好きだ。習慣的に吸い始めたのは二十三の頃からだから、喫煙者としては遅咲きだ。その頃私は「なんで死ぬのに生きなあかんねん」という青春の暗い悩みに真剣だった。生きる意味の無さに絶望し、学業を捨て、留年した。哲学書に手を出した。読み漁っては分かったような分からないような気分を得、コクヨの「LEVEL BOOK」に日夜、自分とは?、生きるとは?、死ぬとは?、などの良からぬ問答を書き殴っていた。出

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洟垂れの三十二歳

洟垂れの三十二歳

 鼻水はどちらかと言うと嫌いだ。冬は鼻風邪、春は花粉症。今年の夏は市民プールに通ってみたので、プール後にも洟が垂れていた。その上、秋に花粉症も加わった。十代の頃は鼻水と言えば春だったが、もう鼻水で季節を感じる体ではなくなったらしい。一年を通して相当の鼻水を出す。洟垂れの三十二歳。嫌な言葉だ。鼻水は落ちる兆しもなく落ちるから気に食わない。外出先で止まらないのも憂鬱だ。しかし幸い、「パブロン鼻炎カプセ

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