見出し画像

4年半ぶりの香港と33年ぶりの台灣 6日目

今日は台灣への移動日。
楽しかったよ香港。いつかまた来るからね。


香港出発

ホテルのチェックアウト

朝、ホテルをチェックアウトするべく荷物をまとめてフロントへ。
ところが早朝のせいか誰もいません。昨日言っておいたのに…。カードキーを返さないとデポジットが返って来ないんですが…。
フロントには「不在時にはこちらへ」の説明書きが置いてあります。彌敦道を渡ったところの同系列ホテルです。
少々面倒ですが、大した距離ではないのでスーツケースを引きずって移動します。
指定のホテルに行き、フロントの男性にカードキーを返そうとすると「デポジットを受け取ったか?」と聞かれました。いやいや、誰もいないからここまで来たんですけど。
受け取っていないと答えたら、なんと自分の財布を出してHK$100返してくれました。おいおい。

空港

さて空港まで移動です。
当初は機場快綫で移動しようと思っていましたが、前夜にオンラインチェックインを済ませたので時間が読めなくてもいいやと思いバスにしました。早朝なのでそれほど渋滞は心配しなくてもいいですし、仮に混んでいても東京の都心あたりと違って到着時刻は30分も違わないだろう、という予測からです。A21バスの停留所までは、デポジットを返してもらったホテルのビルから徒歩1〜2分、横断歩道を渡るだけです。

尖沙咀付近から機場快綫の九龍駅への移動って、地味に面倒なんです。地下鉄に乗ると結構歩かされますし、たしか前回と前々回の旅行ではタクシーにしました。トータルの時間を考えると、バスと20分くらいしか違わないんじゃないでしょうか。

A21バス乗車後、予想通り渋滞もほとんどなく空港に到着。出発ロビーでキャセイのカウンターを探します。
例によって自動チェックイン機が並んでいるので、パスポートをスキャンして荷物を預けました。
借りていたWiFiを返し、出国審査ゲートへと進みます。

今は顔認証もあっていろいろスムーズなのですが、逆にボディチェックは以前より厳しくなりました。ベルトを外せと言われたのは初めてです。

出国審査もパスしたので、キャビアハウスに向かいます。私にとってここでキャビアを食べるのは、香港旅行最後かつ最大の贅沢なのです。
しかし、店の外からメニューをチラッとのぞいたところ、お値段はHK$1000とかHK$2000とか…無理。もし今が円高でも無理。以前はHK$300くらいでちょっとだけキャビアを食べられるメニューがあったはずなのですが、なくなっちゃったのでしょうか?あ~あ。

一路台灣へ

キャセイに乗って台北へと向かいます。2時間くらいのフライトでも、ちゃんと機内食が出るところは偉いです。

さて今回の台灣旅行にあたり、予め学生時代からの友人に声をかけていました。私と彼は1年間同じ学生寮に住み、専攻の学科も同じです。結婚した奥さんが台灣人で、今は高雄に住んでいます。

ちょうど彼も台北で用事があった(作った?)ようで、同じホテルに泊まることになりました。私は1泊900元という激安ホテルを予約していたので、「よくこんな安いホテル見つけたな…」と驚かれました。

実は私、卒業後に台北でぶらぶらしていた時期があるのです。その辺の経緯はこちらの記事に書きましたので、お暇な方はお読み下さい。

今から考えると、ネットもないのによく一人で台北まで来たものだと思いましたが、当時はそれが当たり前でした。地図はパスポートと現金の次に大事なアイテムでした。現代人はどれだけネットの恩恵にあずかっていることか。

台灣到着

ほぼ順調なフライトで、昼過ぎに桃園國際機場に着きました。トランジットは別として、33年ぶりの台灣です。

入国審査は意外に時間がかかりませんでしたが、肉類の持込にはかなりの神経を使っていることが伺えました。空港職員も旅客に積極的に声をかけています。
どうやら日本からのフライトと到着が重なったようで、日本から来た旅客は大体フリーパスなのですが香港から来た旅客はチェックされています。「日本人はこちらに並んで下さ〜い」みたいなことを大声でアナウンスされたので、日本人かつ香港からの旅客である私は一瞬戸惑いました。

次の関門である手荷物検査に進みます。手荷物受け取り場には機械式の両替機がいくつか並んでいたので、どうせ手荷物が出てくるのに時間がかかるだろうから先に両替しておこう、と両替機を操作しました。ところが何回試してもエラーになり、モニタには「銀行に連絡して下さい」とのメッセージが出て結局使えませんでした。意味ないじゃん。

手荷物検査はあまり厳しくありません。ただ私は香港で買ったレコードを持ち込んだので「これは何ですか?」と聞かれました。「黑膠」と答えて現物を見せると、ほほぅという感じで通されました。レコードを持ち込む旅客は珍しいようです。

検査エリアを通過し晴れて入国したので、まずは予約していた某社のWiFiを借ります。日本円の両替を済ませてから悠遊カードも買って、12:58発の機場捷運台北駅行き直達車(特急)に乗ります。
直達車内の雰囲気は香港の機場快綫みたいで、特に列車位置の案内表示なんてデザインがそっくりです(絶対パクっただろ!)。
ちょっと混んでいましたので、途中駅で乗った人の中には座れない人もいました。時間帯のせいなのか、いつも混むのかは不明です。

台北はさすがに香港より寒いです。厚めのジャケットを着て行ったのですが、もう1枚セーターかなにかを着たほうがよかったかもしれません。

無事WiFiがつながったので、友人にFacebookのメッセンジャーで連絡すると程なくして返事が返って来ました。
もうすぐ台北に到着するようです。ただちょっと買い物をするので、ホテルに着いたら休憩するなり近くをぶらつくなりしてくれとのこと。

ホテルは西門にあります。機場線台北駅からMRT台北駅まではちょっと遠いので(新宿駅から京王新線新宿駅に移動するようなものか)、どうせ長距離を歩くなら北門駅まで歩き、MRTはそこから乗って西門駅で降りようと考えていたのです。

が!
今回行こうと思っていた「國立臺灣博物館鐵道部」が、北門駅の真上にあるのです。せっかく近くにあるのですから、ホテルのチェックインを後回しにして直接博物館を訪れることにしました。スーツケースが重いけど、コインロッカーはあるかな…?

國立臺灣博物館鐵道部

スーツケースを引きずって地上を目指します。エレベータに乗り、ドアが開いて降りた瞬間の感想は「ここは昔の中国だ!」です。ひととおり辺りを見まわしましたが、建物の雰囲気が80年代の北京を思い起こさせました。天安門とまではいきませんが、目の前の道路がとても広いところも似ています。しかも車が香港と違って右側通行ですし。

スマホ片手に歩道を行くと、博物館の入口にたどり着きました。ちなみにここはメインの入口ではなく、バリアフリーの入口です。
チケット売り場でどこか荷物を預かる場所があるか聞いたところ「ここで預かる」との答えでしたので、スーツケースの預かりをお願いしました。メモ用紙に名前と、なぜか電話番号を書いてと言われたので「日本の携帯の番号だけどいいの?」と聞くと「可以」との返事でした。頭の中は「?」でしたが素直に書きました。
いやー北京語(台灣だから國語というべきか)が通じるの楽だわ。
入場料の100元は悠遊カードで支払えます。

案内標識
フロアマップ
特急のヘッドマーク
客車のシート
執務机とかタブレットとか
タブレットとかいろいろ
電話とか切符パンチとか
莒光號の説明モニタ
引退した莒光號の室内
時刻表とか
コントロールパネル
短いけど軌道
駅務室
腕木信号とか標識とか踏切施設とかいろいろ
メインの入口はこちら

なお私は鉄オタではないので、キャプションの正確性は保証できません。ご了承下さい。

見学中に友人からメッセンジャー。「今どこ〜?」「博物鉄道館の2階」ということで館内で落ち合うことに。
8年くらい会っていませんでしたが、顔を見た瞬間「おお!」という感じで光より速く学生時代に戻りました。
残りの展示を見てから預けていたスーツケースを受け取り、MRT西門駅で降ります。
なるほど、ここが台北の渋谷か。北門駅を出たエリアとはまるで雰囲気が違います。
旅行すると陥りがちですが、極めて狭いエリアを見ただけで「〇〇ってこうですよ(〇〇は主語大きめ)」みたいな感想はダメですね。自戒を込めて。

台北市内

ホテル「力歐時尚旅館西門館」にチェックイン。「時尚」ですから、時間貸しにも積極的です。
フロントに座っていた中年女性は日本語が堪能かつ親切で、中国語がまったくできない旅客でも問題なさそうです。私もついついラクして日本語で会話してしまいました。部屋が狭くてもOKな人なら、ここはおすすめできます。

なにしろ前回の訪問が33年前です。昔の記憶が頼りなので歩き出しても浦島太郎状態ですが、友人もいるので大丈夫でしょう。

まずは、今はなき中華商場の跡地訪問です。中華商場とは1961年に竣工した3階建ての巨大ショッピングセンターで、西門近辺はちょうど中華商場の基点だったのです。当時の私は半日かけてすべての店舗を回りました。
2021年にはここを舞台にした小説「天橋上的魔術師」がテレビドラマ化され、セットの精巧さが大変評判を呼んだということです。

私が訪れた2年後に中華商場はすべて壊されて新しいビルが建ちましたから、今となっては痕跡を残すものは何もありません。それでも、今はどうなっているのかを確かめたかったんです。

予め調べておいたのですが、中華商場時代からあるというCD屋に寄ってみました。つまりビルを建て替えたあとも、そのままテナントとして入居したと言うことでしょう。
ここは新品しか置いていなかったので収穫は特になし。でも置いてあるCDの傾向がわかりました。友人はDVDを買っていました。

そろそろ食べよう、ということで友達おすすめのお店で晩御飯。
ただあまり長居のできる店ではなかったのですぐに引き上げ、「龍山寺って行ったことある?」と誘われたので龍山寺へ向かいました。
私は信心がまるでないのですが、こういった庶民の暮らしに密着している場所には興味があるのです。香港の天后廟などとどう違うか、みたいなところをついつい比較したくなります。香港同様、線香の煙がモクモクです。他人様のあげた煙を頭からかぶります。

そして萬華の夜市へ。CD屋があるはずと教えられたのでついていきます。
たどり着いて、レコードが置いてあるかな?と商品をチェックすると、
ありました!
台灣語の中古LP、葉敬田の「故郷」を見つけました。
33年前にはかなり流行っていた歌なのです。
他にも昔のLPが数十枚。こういう出会いが楽しいんですよ。

ただちょっと高かったのと、このLPは自分が買うより台灣の人が持つべきだと思ったので買いませんでした。台灣でちゃんと流通している、ということがわかったので満足です。

でもせっかくなのでCDは買いました。

2020年発行のベスト盤を購入

晩御飯は簡単に済ませてしまったので、どこかへ飲みに行こうということに。友人に連れられて沖縄風居酒屋へ行きます。積もる話もできましたし、LINEも交換して一安心です。
深酒したいところだったのですが、明日に備えてほどほどにしました。

明日は台北を離れ、友人の車で「蘇澳」「宜蘭」へ向かいます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?