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子どもの頃の塾を思い出す(経験大事!)

私が初めて「塾」というものに足を踏み入れたのは、小学5年生の時でした。
進研ゼミをやっていたものの、付録目当てでテキストを溜めがちになっていて、実質やっていないも同然の状況でした。
そんな時、算数の円の単元のテストの点数が大幅に悪かったことを見かねた母親に、塾の体験に連れて行かれたのでした。

正直、点数が悪かったのは単なる凡ミスだと思っています。
「直径」を「長径」と書いてしまったり、3.14をかける時に計算間違いをしてしまったり。
そのため、勉強がわからないつもりがないのに無理矢理連れて行かれた塾には良い印象がありませんでした。
(もちろん、勉強が好きじゃないというのが前提にあります。)

当時、体験に行った塾の先生との面談で「どこの高校に行きたい?」と聞かれました。
入塾を促すための誘い文句だったのだと、今思えばわかるのですが、勉強が嫌いな私は突飛もない回答をしました。

「高校には行かない」

先生もさぞかしびっくりしたでしょうね。笑
みんなが高校に行くのが当たり前っていうことに違和感を持っていて、その考えの枠にハメられるのが嫌だったんですよね。
もちろん、もう勉強から解放されたいという気持ちもありました。
もしかしたら、中学校すらイメージできていないのに、高校なんてイメージできるわけないだろっていうのが、1番の本心だったかもしれません。

そんなこんなで、あまり良い印象のないこの塾には、再び足を踏み入れることはありませんでした。

それでも、母親はどうしても私に塾に行かせたがります。
結局、家から徒歩3分のところにある個人で経営している、月謝の安い塾に通うことになりました。

この塾には、先生が1人しかいません。
他に職員がいるわけでもなく、完全に1人で切り盛りしています。
そして、「先生と呼ぶな」と口酸っぱく言うため、みんながあだ名で呼ぶという不思議なところでした。
1人で小学生の算数、中学生の数学・英語・国語・理科・社会を教えてくれます。
今思うと本当にすごい塾ですね。

小学生の頃はお小遣いをくれて、休憩時間にみんなでコンビニに買い物に行ったこともありました。
バレンタインデーにチョコを渡すと、ホワイトデーに倍返しだと、たくさんのお菓子をくれました。

英語の教科書の暗記をしてこないと怒ることもあったけど、宿題をやっていなくて怒ることはほとんどありませんでした。

「やるかどうかは自分次第」

そのポリシーがあったからこそ、テスト前に出された大量の宿題も、サボっている友達はどんどん成績が下がっていましたが、ちゃんとやるとそれ相応の結果が付いてきました。

中学卒業までの5年間、この塾にお世話になっておいて、結局公立高校を受験せず、私立高校へ進学してしまったのは申し訳ないことをしたかもしれないと思っています。
ただ、高校に進学して勉強の難易度が上がる中、進研ゼミにも塾にも頼らず自力で勉強する不安に打ち勝ち、学年トップの成績を維持できたのは、この塾での経験があったからに違いありません。
15年近く経ってしまいましたが、今でも感謝しています。


今の子どもたちにとっての塾の位置付けがどんなものなのかはわかりません。
当時は中学生になると塾に行ってる人が割といたものの、習い事と同じような感覚で、誰が塾に行ってるのかとか、あまり気に留めていなかった気がします。
私は昔から勉強が好きではなかったけれど、塾に行くことは嫌いではなく、結果的に通って良かったと思っています。

今は、難関校合格を目指す進学塾もあれば、生きる力を身につける探究塾もあるようですね。
学力があれば良い高校・大学に行くことができて、そうすれば良い企業に就職できて、そうすれば良い人生を送れる、そんなものは今の時代、幻想です。
もちろん、良い学校・良い企業に行きたいのであれば、行きましょう。
ただ、その「良い」って何なのでしょうか?

「何が良いかは自分次第」

何事も自分自身で判断できるようになると良いですね。
すべて正しい判断である必要もなく、周りの力を借りることも問題ないのですが、「自分自身で判断した」という事実が大切なように感じます。
そのために、子どもの頃にたくさんの経験を積むことが大事になってくるのではないでしょうか。

大人になっても、いろいろな経験を積みたいと思っている次第ですけどね。

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