教育実習日記③〜高校生の君たちと私〜

中学生の社会以外にもうひとつ、高校3年生の政治経済も受け持つことになった。
政治経済なんて現役学生時代に受けたこともなく、勉強したこともなかった。
しかも高校3年生を相手にするなんて緊張どころではない。
教え方も授業の進め方も自信ゼロのスタートを切った。




打ち合わせの当日、教科担当の先生こと鬼軍曹には素直に政治経済を勉強したことがないことや、自信がないことを伝えた。
言わなければ後が苦しくなると直感で察したからだ。
鬼軍曹曰く、「社会学部でしょ。大丈夫でしょ。じゃあ、大学で学んできたところから政経の教科書に該当するところをピックアップして授業していいよ。」とのことだった。
なんとかお許しをいただけたので、私は少子高齢化と社会保障制度について取り上げて授業を行った。
生徒にとって身近な暮らしのトピックスであり、将来に関わってくる事柄であったため比較的授業はやりやすかった。



政治経済の授業は選択で来ている彼らとは、ほとんど授業中や休み時間も接点を持つことができず、なかなか距離感が掴めないまま最後の授業をすることになった。
最後に私が参加していたサークルのおにぎりアクションについてを紹介したところ、興味を持ってくれた生徒たちが“広めてみたい!・やってみたい!“と話してくれたことが嬉しかった。
また、あんまり積極的に授業中は発言したりすることがなかった控えめな生徒が、「上から目線になってしまうかもしれないんですが、先生は素敵な人間性を持っているんだなぁと感じました。私も先生のような人になりたいです。」と声をかけてくれたことが何よりも嬉しかった。
数回しか授業はできなかったのに、そんなふうに思っていてくれたことに胸がじんわりと温かくなった。




アドバイスをくれた子や、“聞きやすいし分かりやすい授業だったよ“と伝えにきてくれた子がぼちぼち居てくれた。
授業についての詳しい良し悪しは鬼軍曹からは貰えなかったので生徒たちの声にどれだけ救われたことか…本当に感謝の気持ちでいっぱいだ。

彼ら・彼女らが大人になっていく時に“そういえば高校3年生の頃に教育実習生でこんな人がいたなぁ“なんてふと思い出してくれたらいいなと思う。
どんな道を選んでもいい。みんなが選んだ道のその先に幸せがありますように。



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