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【運動シリーズ1】「ややツライ」運動が病気のリスクを下げるという”真実”。

今や長寿の時代。長く「生かされる」時代となりました。だからこそ、こう思いませんか?「家族には迷惑をかけたくない。ガンにはかかりたくない、長生きは嬉しいけれど、寝たきりにはなりたくない。」

医療の力に頼らず、自分でできること…エビデンス(医学的根拠)をもって
証明された実現方法があるとしたら、やってみたいと思いますよね!

今回は、日本抗加齢医学会で運動を取り入れたアンチエイジング療法の普及に努める東海大学医学部内科教授(血液内科学)川田浩志教授の講演をもとに、最新のアンチエイジング情報をお届けします。この記事に興味を持たれた方は、ぜひ川田先生の著書をチェックしてみてください!とてもわかりやすい内容で書かれています。

1.幸福度と死亡リスクは繋がっている。

ロンドン大学の実験で、人生の幸福度(Enjoyment of Life=EOL)と
「8年後の身体機能」を追っていくと、幸福度が高い人は「寝たきり」になりにくく、死亡リスクが低いという結果がでました。
健康で長生きするために、「人生が楽しい・幸福だ」と思う“メンタル”が
大切というのは、確かなエビデンスのある話なんです。

また、予防医学の世界では「幸福度=運動(身体活動)」という発表も出ています。つまり、健康&長寿を叶えるには、運動(身体活動)の量と質を上げていくことが、とても大切なんです。

2.心臓・血管の病気リスクを下げる運動。肝心なのは「ややツライ」?

では、実際にどの程度の運動をすればいいのでしょう?
「リラックスしながら公園をウォーキングする」「20分程度気楽に走る」
これを続ければ十分と思っていませんか?

これは現代の予防医学界の中では、…過去の常識!リラックスにはなると思いますが、残念ながら、それ以上の大した効果はないのです。
実際に健康長寿の効果が出ているのは「中等度」の運動。
これが心筋梗塞や脳卒中など、心臓や血管まわりの病気の確率を低くし、
最も死亡リスクを減らせるという研究結果が出ているのです
。(下図参照)

NOTE2用グラフ 運動と死亡率 PDF2.pdf のコピー

「中等度」の運動の判断基準は、「自分がややツライと感じられるかどうか」です。
汗をかき、呼吸は速くなる。当然お喋りしながら楽しむということも難しいです。
心拍数は、最大心拍数の70~80%くらいまで上げるのが理想的。
最大心拍数は「220-年齢」で推定できます。例えば、45歳であれば
最大心拍数は「220-45=175拍」で、その70~80%とすると、中等度運動の
適正な心拍数は123~140となります。
例えば走った後に「ゼーハー」言うくらい、と言うとイメージしやすいでしょうか?

この運動こそが、身体に適度なストレスをかけ、
老化に対する防御反応を上げてくれるので、病気のリスクが下がる。
1日15分中等度の運動をすれば、14%死亡率が下がることも研究で明らかになっています。どうですか、こんな明確なデータがあるなら、やってみたくなりませんか??

一方で、運動しないとどうなるのか・・・
1日10時間以上動かないと死亡リスクが上がります。
お仕事上動けない方もいらっしゃるかもしれませんが、
Sitting Time(座っている時間)は危険因子のひとつで、リスクを上げてしまうのです。
特に足腰が弱りかけている方は注意が必要。
私は勤務先の病院で、カルテを自分で取りにいくようにしていますが、
診察時間はほぼ座りっぱなしになるので、少しでもSitting Timeを
短くするために続けていることなんです。
皆さんも、日常生活の中で、こまめに身体を動かすことを、ぜひ意識してください。

3.まとめ

●長生きしたいあなた、ぜひ、「毎日」を楽しんで!メンタルの幸福度と将来の死亡率は繋がっている…これは「科学的根拠」がある話なのです。
●毎日15分、ちょっとツライなと思うくらいの運動(最大心拍数の70-80%目標)を続けてみましょう!これが死亡率を下げてくれます。

さあ、私たちが自分で健康寿命を伸ばせる世界がやって来ています。
ここでは、日々進化しているエビデンスがある情報のみを、
みなさんにシェア
していきたいと思っていますので、宜しければ「スキ♡」&「フォロー」で応援していただけると嬉しいです。

次回、運動シリーズ#2では「健康寿命」を実現するための運動について、さらに具体的に触れていきます。

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ございません。またご紹介した商品も販売目的で掲載するものではないことを予めお含みおきください。


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