零鵺

別に たいして 意味はない

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  • Hello disappears

    どこかに存在する実話

  • 今年の夏の不思議な噺 3

    『いや、何で切るねん』と思った方、大正解。私にかけて来てて、その私が帰って来るのに何故切る。友人も思ったがその声の主はそのまま話も聞かずに切ってしまったらしい。 帰って来た私がそれを聞いたのは彼女達が帰る時で。「後でかけ直しなね」とだけ残して帰って行く彼女達を見送りながら私は、『変な人もいるもんだなぁ』と一人手を振りながら晴天の空に浮かぶ入道雲を見上げて思った。 え?何で変な人だって? だって、そもそも私には 年上の従姉はいないのだから。 あの後で見た不在通知には非通知の連絡先からの通知が一件だけ、入っていた。 この事は友人には言っていない。 ノンフィクション

  • 今年の夏の不思議な噺 2

    間違い電話なら教えてあげた方が良いし、こんなに不在通知が入っていたら私も怖いだろうと、私には申し訳なかったが出ることにしたらしい。 電話を取ったのは一番近くにいたA子。 「……あの、もしもし……?」 他の二人にも聞こえるようにスピーカーにセットして話始めた。 『あ、やっと出た!』聞こえてきたのは女の人の声。(大学生くらいだと思うと言ってた)「いえ、すみません、持ち主の子は今出掛けてまして、折り返すように言っておきますので、ご用件をお聞きしても……?」だいたいこんな事を言ったらしい。 電話の相手は私の従姉 『あー、そっかそっか!いーの、たいした用事じゃないからさ!』普通に明るい感じで話続けるその人は、天気の話や最近あったことなんかを数分ペラペラと喋っていたらしい。「あの、もう少しで帰って来るとおもうんですけど、このままお待ちになりますか?」『ん?あぁ、それじゃそろそろ切らないとね!』

  • 仮にそうだったとして

    例えば、こうしよう もし、貴方が私を本当に好きだったとして、そしたら貴方は他の女の子に告白なんてしない。 もし、貴方がきちんとした方法で私の電話番号を知っていたとして、それなら貴方は私に怖いとおもわれなかった。 もし、貴方が自分をもっと律していられたとして、そしたら貴方はそんな奴だと周りに知られなくて済んだ。 もし、貴方がマトモな頭を持っていたとして、それなら貴方はあんな事はしない。 もし、貴方が誠実でいたとして、そしたらこんなおおごとにはならなかった。 もし、貴方が今此処にいたとして、それなら、貴方は怒鳴るでしょう。 もし、貴方が言葉を選んだとして、そしたら、貴方はきっとこう言うでしょう。 「めちゃくちゃにしやがって」 ……だって、しょうがないじゃない 私がもっと強かったとしたら?ううん 仮にそうだったとして も、私は貴方を好きにはならない。

  • 証尽 -あかつきー

    例えば、もし履歴書が要らない世界だったら? 事の発端はこんなバカな思い付きからだった。薄暗い部屋で一人、ただ無駄に大きい窓から外を眺めてぼーっとしていた私は不意にこんなことを考えた。 どうなるんだろうか…履歴書が要らないなら今までの人生も書かなくていい訳だ。自分がどこの誰で、どこの学校に通っていて、なんの資格を持っていて、何が得意だ……なんて情報は全て、自分が話そうと思わない限りは誰にも知られることはない。 親しいものか自分しか知らないのだから、個人情報は今まで以上に強固に守られる。でも、それならば、私は『私の証明』が出来ない訳で…… だってそうだろう?学歴も資格も持っていなくたっていい。言わなければ知られないのだから。そうしていけばいずれは、自分を認めてもらう要素はなくなる。 それこそ私は、これが『私の証が尽きる時』だと思うのだ。 ……にしても…今日は月が綺麗だ。

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女 10代

基本やる気なし

面倒くさがり

家から出たくない系女子

そんな無気力な人間だったり

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第5章 faith

大抵、この年の子はみんな自分を疑わない。
でも自分を信じているかと言われると黙ってしまう。それは何故か?簡単だ、彼女たちが信じているのは“そうしていれば自分は標的にならない”という確信のない何かであって、自分じゃないから。

私に向けられる目もきっとそういうことだった。自分だけ取り残されないように、みんなと話す話題くらいに思ってるんだろう。
小学生の子供にとって、他人の不幸は

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自殺未遂者の独白

自殺未遂者の独白

〝死にたい〟ってどんな気持ち?

知らない。
一概に私の死にたいが他人と一緒かというと
それは有り得ない。
だって、苦痛は当人のモノサシで当人が測っているもので、物(者)が変われば測量の結果も変わる。

ただ、私の〝死にたい〟は
なかなか面白いものだと思う

本当に死にたいかと聞かれたら
わからない し、
生きていたいかと聞かれたら
それは 否 だ。

だから、本気で自殺しようと思っている方々

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Hello disappears

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第4章 broken

次の日、学校に行った時に感じたのは何かがおかしいという違和感と、私を見つめる好奇の視線だった
何が何だかわからないまま、ホームルームを終えた私を担任が呼び止めた。「鷹嶋、ちょっといいか」
あぁ、知ってる。この顔は、、、

私を削り取る時の顔だ

「言ってません、貸してくれるとしつこく言われて断りきれなかったので借りました」
「……本当にそうだよな、嘘はないな?」
「はい

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hello disappears

自転車を返しに行って最初に見たのは、
物置の前で立っているアノ子の母親。
自転車を押してきた私を見て、笑顔を“作る”
「あぁ、使ってたのね、盗まれたかと思ってビックリしちゃった!」
一瞬その笑顔に何故か、恐怖を感じた。隣のアノ子は少し焦ったような横顔、まさか親がこんなに早く帰るなんて思ってもみなかったようだった。
「……勝手にお借りして、すみませんでした」
「ううん、良いの!ただ、今度は一声かけて

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一章 What is crying?

ガラララと開けると何人かがこちらを振り向く。
これはだいたい皆そうだ、仲良しが来たらすぐに声を掛けられるように、仲良しこよしの鉄則。それも、グループの中心じゃない子がよくやる、女王蜂に嫌われないように。

私に声を掛ける子はいない。当然だ一週間も学校に来ていない子になんと言えば良いか正しい答えを知る子なんていないだろう。答えなんてあったらだけど。まぁ、

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序章 hate

「学校、行きたくない。」ルーティーンのように毎朝繰り返されるこの言葉に、最初は真面目に心配してくれていた母も「はいはい、行くよー」なんて私に軽く返すようになって、私は少し不満を感じていた。

別に、虐められてる訳じゃない。勉強が嫌なわけでも、友達とケンカしたわけでもない。ただ、行きたくない。メンドクサイのだ。

「あ゛~~」なんて変な声をあげれば、「フフフ、なにその声」と母に笑わ

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