hello disappears
自転車を返しに行って最初に見たのは、
物置の前で立っているアノ子の母親。
自転車を押してきた私を見て、笑顔を“作る”
「あぁ、使ってたのね、盗まれたかと思ってビックリしちゃった!」
一瞬その笑顔に何故か、恐怖を感じた。隣のアノ子は少し焦ったような横顔、まさか親がこんなに早く帰るなんて思ってもみなかったようだった。
「……勝手にお借りして、すみませんでした」
「ううん、良いの!ただ、今度は一声かけてってね!」
「はい、ありがとうございました。……じゃあね」
それだけ言って走り出す。振り返る気にはなれなくて、ただ走る。『 』なにもかんがえられない。
家について、私が最初に考えたことは、[どうやって帰って来たのか] だった。自分が今、どの道をどうやって渡って来たのか、何を見たか、誰に会ったか、何を考えてそんなに……。
ベッドに倒れこみながら私は、考えるのをやめて目を閉じた。これが、明日から、私を変えることになるなんて、考えてもみなかった。
ゴメんネ……
ナんテ言ワなイ (笑)
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