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ドラマ、映画、本のレビュー

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過去に見た、読んだなかで印象的だったものを書き残しています。レビューと書いていますが、そんなにしっかりとしたものではないです。
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#毎日note

【ネタバレあり】鬼滅の刃 無限列車編に感じた力強さと悔しさ

【ネタバレあり】鬼滅の刃 無限列車編に感じた力強さと悔しさ

当たっている光が強ければ強いほど陰は濃く闇を落とす。完璧そうに見える人や輝かしい経歴には、その背中にほの暗い過去を背負ってるのかもしれない。
命にはハイライトだけではなく悪い時期も当然あって、最終的には時の流れが残酷なほど何もかもを飲み込んで、ただの骨にしてしまう。
それでも、不老不死の完成された美よりも、やがて朽ちる不完全な命が愛おしくなった。

「鬼滅の刃 無限列車編」をようやく見た。
まず目

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TENET、LSDをキメながらマイブラを聴いている感じ【ネタバレなし】

TENET、LSDをキメながらマイブラを聴いている感じ【ネタバレなし】

"分からない"を楽しむ。
分かりやすいものばかり食べてきた弊害が如実に炙り出される映画だなと痛感した。

分かりやすいものは即効性がある。
でもその一方で、分かりにくいものを遠ざけてしまうし、最終的にそればかり選んでしまう。
天つゆで食べる天ぷらは分かりやすく美味しいが、塩で食べる天ぷらの味も知っておいた方が良い。

僕はジャンクフードが好きで、好き嫌いが激しく、勉強が苦手だ。

もし、これが逆だ

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1917(ほんのりネタバレあり)

1917(ほんのりネタバレあり)

久しぶりの映画。友達の発案で「1917」を観たのだけど、恥ずかしながら、今の今まで全く情報を知らなくて予備知識0で観た。
それでも食べ応えのある重厚な物語で書き残しておきたい。

全編がワンカットには見える映像の没入感、尋常じゃない。非日常的な映画館の暗さも相まって、スコとブレイクの感じていたであろう緊迫感をありありと感じる。イスに座っているだけなのに。
戦場の喧騒、それとは対照的な息を潜めなけれ

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非行少年だった世界線

非行少年だった世界線

宮口幸治「ケーキの切れない非行少年」を読んだ。

 本書で著者は「反省できるだけでも上等」と記述している。
それは著者が出会った非行少年のなかには反省すらできない少年たちが大勢いたからだという。
深く印象に残ったのは「自分はどんな人間だと思うか?」の質問に対して、約8割の少年が「自分はやさしい人間だ」と答えた、という一文だ。
連続強姦、一生治らない後遺症を負わせた暴行、放火、殺人など罪の重さに問わ

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