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鉄道オタクだけ、どうして細分化された名称があるのだろうか?

 テレビを見ていて、鉄道オタクと言われる人たちの言動が、なんだか面白かったりもする。

『笑神様は突然に 2023年冬2時間SP』

 少し昔の番組で、それは、あんなに夢中になっちゃって、みたいな、どこかからかうような気持ちもあるのかもしれないけれど、だけど、その夢中の度合いがあるラインを超えると、それは、どこか敬意のようなものが混じった思いにもなる。

実は「すごく好きなことがある」という事自体が、珍しいのではないか。好きなことがあったとしても、心身を捧げるように、そこに向かっていけるようなことは、実は思った以上に「レアケース」で、だから、そういう人たちが発する確固とした姿と、発する熱のようなものは、とても貴重に感じるのかもしれない。

 そんなことを思うようになった。


鉄道オタク

 同時に、『笑神様は突然に』で「鉄道BIG4」の姿を見ていて、このメンバーの南田裕介氏は、芸能プロダクションのマネージャーでありながら、鉄道好きが高まりすぎて、自分でも出演することが多くなり、もしかしたら、自分が担当するタレントよりも売れてしまった、不思議な存在でありながら、と思っていたけれど、今もこうして出演し続けているのが当たり前になっている。

 そんな横にそれたようなことを思いながらも、この「鉄道BIG4」の中で、「反射鉄」という言葉が出てきていた。それは、電車の走る姿が、その脇のビルの窓などに映って、それを撮影すること。それは、そんなふうに名づけていた人がいたから生まれた言葉だった。

 それは、どうやら新しい造語なのだろうけど、そういえば「鉄道マニア」「鉄道オタク」には、かなりの種類に細分化されていることに改めて気がつくし、これからも、その種類は増え続けるのではないかと思えた。

撮り鉄  列車の写真撮影に情熱を燃やす人たち(筆者は外見的にはEF66電気機関車と485系国鉄色と100系グランドひかりと500系新幹線が好き)
乗り鉄  列車に乗ることが好きな人たち(筆者は新快速で米原~姫路を特急並みの速さでぶっ飛ばすのが好き)
葬式鉄  鉄道路線の廃止や車両のラストランを見送りたがる人たち
探検鉄  廃線跡や秘境駅などを探検する人たち(筆者は碓氷峠を電車で通った経験と歩いた経験がある)
音鉄  走行音や駅メロを録音する人たち(筆者は113系の走行音と津田英治さんの駅アナウンスと京急のドレミファインバータと山陽新幹線のゴダイゴ発車メロディと昔の『清流』発車メロディと車内メロディの『いい日旅立ち』が好き)
もじ鉄  鉄道に関する文字が好きな人たち
ミニ鉄  外で大きな鉄道模型を動かす人たち(人が乗れるものもある)

(「通勤コンパス」より)

 こうして、まとめてくれている人もいて、ありがたいのだけど、これは「アウトドア系」で、「インドア系」にも種類があると教えてくれている。

収集鉄  鉄道関連品を集めて眺める人たち
技術鉄  電気やブレーキなど鉄道の工学系分野が好きな人たち
車両鉄  列車の分類や違いを研究する人たち
時刻表鉄  時刻表を研究して自分なりの分析や改善案に浸る人たち(筆者は小田急線のあみだくじ走法に感心した)
妄想鉄  自分なりの架空路線やウソの電車について仮想する人たち
模型鉄 屋内で好みの模型を集めて動かす人たち(筆者はドイツ国鉄103型機関車やTEEカラーが好き)
ゲーム鉄  鉄道ゲームをプレイする人たち(筆者はスーファミ時代から桃太郎電鉄が好き)
見る鉄 他人が撮った鉄道映像や鉄道旅行を眺める人たち(筆者はスーツさんと西園寺さんが好き)
ミステリー鉄  鉄道ミステリーが好きな人たち(筆者は松本清張の『点と線』が好き)(ミステリーとは違うがTBSドラマ『青い鳥』も好き、トヨエツさんと夏川さんが美男美女すぎる)

(「通勤コンパス」より)

 なんだかすごいし、これからもその種類は増えていくのだろうと思う。ただ、その一方で、不思議に思ったことがある。

 どのジャンルのオタクも、細分化されているのだと思うのだけど、どうして、「鉄道オタク」だけ、「〇〇鉄」という名称で統一されているのだろう?

アイドルオタク

 例えば、これも印象にすぎないけれど、かなり数も多く、細分化されていそうなのが、「アイドルオタク」ではないだろうか。

 このブログによれば、「アイドルヲタク」は7種類あるという。

1、 最前厨
2、 ミキサー
3、 女ヲタヲタ
4、 ピンチケ
5、 ガチ恋
6、 DD
7、 後方彼氏ヅラ

 おそらくは、もっといろいろな種類の「ヲタク」がいると思われるけれど、これが全てではないはずで、そして、もしも「アイドルヲタク」とすぐわかるように、例えば「最前厨ドル」とか「ピンチケドル」といった名前にすれば(このネーミングセンスは、すみません)、多くの人に「アイドルヲタク」の一種と伝わると思うのだけど、そうした名称は聞いたことがない。

オタクの種類

 現在だと、どれくらい「オタク」と言われる人たちはいるのだろうか。

男性オタクで一般的なのは以下の12種類
1. 漫画オタク
2. アニメオタク
3. アイドルオタク
4. 車オタク
5. 特撮オタク
6. スポーツオタク
7. パソコンオタク
8. プラモデルオタク
9. ゲームオタク
10. 鉄道オタク
11. コスプレオタク
12. 料理オタク

女性オタクで一般的なのは以下の12種類
1. 漫画オタク
2. アニメオタク
3. 歴史オタク
4. 声優オタク
5. 健康オタク
6. ジャニーズオタク
7. 韓流オタク
8. 文房具オタク
9. カメラオタク
10. コスプレオタク
11. ゲームオタク
12. 登山オタク

(「noel」より)

 自分が知っている範囲に過ぎないのだけど、この「オタク」の中で、「鉄道オタク」のように、その「オタク」の中の種類で、例えば「〇〇ゲーム」とか、「△△プラ」といった呼ばれ方をしたのは聞いたことがないし、見たり読んだりしたこともない。

 やはり、「鉄道オタク」の「〇〇鉄」というシステムは特殊なのかもしれない。

鉄道ファンの歴史

 最初は、人数の多さが、「〇〇鉄」という呼び名を成立させていると思っていた。

 15~69歳までの全国の男女を対象に、26分野の「オタク」の人数を推計した。最も人数が多いのは「アニメ」オタクで、約685万人。次いで、「漫画」オタクが約648万人、「デジタルゲーム」オタクが約454万人、「アイドル」オタクが約361万人だった。

(「ITmedia ビジネス ONLINE」より)

 この統計では、「鉄道オタク」全般というより「鉄道模型」に限定されているのは、あくまでも「市場」として金銭に換算しやすいということだろうだから、「鉄道ファン」「鉄道オタク」全体ではないはずだ。

 それでも、ここに挙げられている「オタク」も、これだけの人数がいながら、「〇〇鉄」といったように、最後にその「オタク」のジャンル名が来て、細分化されているオタク名になっていないはずだ。

 だから、それは、「鉄道オタク」だけの特殊事情なのかもしれない。

 鉄道を趣味の対象とする行為の歴史は古く、鉄道の歴史とともに始まったといわれる。歌人若山牧水のように、鉄道旅行を好みその体験を書き記した作家は少なくなかった。ただし明確な「鉄道趣味人」の登場までには少しばかり時間がかかったようだ。詩人童話作家の宮沢賢治は鉄道に関心を持ち、自作の中に多くの鉄道を用いた描写があるが、現代的な意味での「マニア」とはいささか異なる。
明確に「鉄道を職業とは異なるレベルで探求する」という人物は1902年から1907年にかけて全国の鉄道写真を撮影して回った岩崎輝彌 (1887 - 1956) と渡邊四郎 (1880 - 1921) をもって嚆矢とするといわれる。この2人が写真家の小川一真に依頼して撮影した膨大な写真は、「岩崎・渡邊コレクション」として鉄道博物館に所蔵されている。

 やはり、こうした歴史の長さや、高校や大学で全国的な「鉄道サークル」が存在することなどが、社会的な認知を獲得することにとっては、大きいのかもしれない。

「鉄」
2000年代以降中立的名称として広く使用が認められる語。「てつ」「テツ」と仮名表記することもある。アクセントは「て」に置く場合がほとんどで、物質としての「」と区別される(関西での物質としての「鉄」と同じ発音)。
シンプルなため造語性が高く、列車に乗ることを趣味とする人(駅の周りを探索するいわゆるぶらり途中下車の旅を含む場合もある)を「乗り鉄」、列車の撮影を趣味とする人を「撮り鉄」と呼ぶように、鉄道趣味の種類を補ってファンのジャンルを区別する呼び名もある。
さらに派生語として、鉄道ファンでない人を「非鉄」と鉄道ファンが呼ぶこともある。また、漫画『鉄子の旅』の影響で、女性の鉄道ファンを「鉄子」と呼ぶこともある

(「Wikipedia」より)

 ただ、この「鉄」という呼び名が発見されたのか、作られたのか、おそらくは自然発生した偶然だと思うのだけど、「鉄道オタク」「鉄道ファン」を表す言葉として、この短い単語で可能になったことが、「〇〇鉄」を大量発生させたのだろう。

選ばれたオタク

 だから、今後も、このようにハマる言葉を持つ「オタク」が現れない限り、「〇〇鉄」というようなシステムは、「鉄道オタク」だけの独占物であるように思う。

 そうした「〇〇鉄」という言葉があることで、細分化を促進しそうだし、そのことによって新たなファンも獲得しやすくなる麺もあるだろうから、そういう偶然性を味方につけたという意味では、鉄道オタクは、選ばれたオタクと言ってもいいのかもしれない。


(見出し写真のように、ブレたり、ボケたりする鉄道関連の写真ばかりを撮影するのが好きだとすれば、「ブレ鉄」という名前も付けられるのかもしれない。そんなことを想像してしまうくらい、「鉄道オタク」の名称は自由で豊富だと思う)。




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