見出し画像

梅雨に入る前の家の庭には、思ったよりも花が咲いていた。

 古くなった木製で、今ではあまり製造されていないようなガラスが取り付けられた玄関の引き戸を開けて、歩いて8歩くらいで小さい門について、その外には道路がある。横の広さもそれくらいなので、それほど広い庭ではない、というよりも、かなりコンパクトなのだと思う。


庭の歴史

 もう建てられて何十年もたっていて、その庭のサイズから考えると、柿の木は大きすぎるのかもしれないけれど、庭にそびえていて、それも渋柿だから、秋になると高枝切りバサミや脚立などを使って、収穫する。それから、むいたり干したりと妻がしてくれるので、干し柿を食べることもできる。ありがたい。

 そして、103歳まで生きてくれた妻のお母さんも草花が好きで、よく庭にかがんでいたけれど、晩年は歩いたり立ったりできなくなった。それで義母を妻と一緒に介護をしていたけれど、その頃から、妻が庭の草花を管理するようになった。

 それも、花屋さんで売られているいわゆる園芸種よりも、野に咲いたり、いつの間にか庭に生えてくるような草花が好きで、(雑草という植物はない、という牧野富太郎先生と、妻は同じ考えを持っているので、私も少しずつ影響され、雑草という名前をあまり使わなくなった)だから、庭の印象はとても自然で、押し付けがましくなく、どちらかといえば素朴なきれいさがあるようになっている。

 ただ、最初は、空き地にあれこれの草花が咲いている姿とそれほど変わりなく思っていたのだけど、あ、〇〇が咲いた、かわいい、などと日々言っている妻の行動によって、ただそこに生えているのではなく、かなり選択されて庭に育っていて、花が咲いているのは、少しわかってきた。

梅雨の前の花々

 今までそれほど草花に関心がないときは、春になり桜は咲くけれど、そのあとは、新緑で緑一色のように見えていた。

 それは、新しい緑だけに、太陽を浴びると特にきれいに見えたりするが、そのあとは、6月に入ったあたりから、急にあちことちにアジサイが目立ち始める。それが、初夏だという印象がある。そのあと梅雨に入る。

 ただ、植物が好きな妻の影響で、視線を下に落としていくことも増えてきた。そうすると、小さかったり、それほど目立たないとしても、梅雨入り前にもさまざまな花が咲くことにも気がつく。

 特に家の庭は、出かけるときは玄関から10歩足らずで外の道路に出てしまうので、それほど見なかったけれど、そういうときに、妻が、「ここに咲き始めた」などとうれしそうに言うので、あ、ほんとだ、いつの間に、と思ったり、洗濯をするときに、庭を見る時間そのものが増えたせいか、草花の様子が気になったりする。

 それは、たぶん、自分の変化というか、ささやかだけど、成長と言っていいものかもしれないと思う。

梅雨に入る前の家の庭には、思ったよりも花が咲いていた

 そんな視線で庭を見ると、コンパクトだけど、いろいろな花が咲いている。

 春先にも花があちこちに顔を出していたけれど、梅雨に入る前の6月に、これだけ花があることに気がつかなかった。

 見出しの写真は、そんな時期の自宅の庭の写真だけど、かなり小さくしか写っていないので、分かりにくいかもしれないけれど、この写真を妻に見せて、どんな花が咲いているのかを聞いた。

 画面左側。黄色い花がビヨウヤナギ。その隣にあるピンクの花が、ムラサキカタバミ。

 このところは毎日見ているはずなのに、名前は初めて聞いたりもした。

 画面のやや右側。こちらもピンクで、私にはイモカタバミと区別がつかなかったけれど、シノグラッサム。そして、右側の一番手前に大きめに写っている背の高い薄紫の花がアガパンサス。

 妻は一気によどみなく教えてくれた。

 この見出し写真に写っているかは、微妙だけど、ルリマツリ、シロカタバミ、そしてヒメヒオウギも、庭のあちこちに咲いているようだ。

 さらに、妻が強めに推している花は、言われるままに撮影をした。


ポーチェラカ・絞り咲きポーチェラカ

 ピンクというか、赤い花はポーチェラカ。白とピンクの2色も、同じポーチェラカだけど、絞り咲きポーチェラカという名前で、特に、絞り咲きの方は、毎日、少しずつ咲いていることを、妻はうれしそうに言っていた。

 1輪や2輪ではなく、1日に4輪ほど咲いていたのは、妻の誕生日だった。


カレンジュラ

 これは正確に言うと、庭ではないかもしれないけれど、門のすぐ外にビワが植っている大きめの鉢があり、そこにやっと咲いたのが、カレンジュラの黄色い花だったという。


タイワンホトトギス

 さらには、背の高めの草花にやや埋もれるように咲いている花があって、これは教えてもらわないと見逃してしまっていたかもしれない。タイワンホトトギス。花の形も、花びらの模様も独特であることがわかる。

 この画面の下の方に少しピントがボケているけれど、白い花が咲いていて、これがシロカタバミのはずだった。


 だんだん気温が上がってきて、日によっては夏日や、極端な時は真夏日などもあるから、初夏というよりは夏そのものでは、と思う日もあるけれど、これから梅雨がやってくるので、どうしても勝手に季節としての印象を薄めてしまい、6月の花といえば、アジサイというような粗い記憶だけがあるのだけど、改めて家の庭を見ると、これだけコンパクトな空間なのに、思ったよりも花が咲いていた。

 だから、おそらくは街の中の小さい空き地や、並木の下の空間や、さらには河川敷などにも、いろいろな花が咲いているのだろう。

 今だったら、以前よりも、そうした花を見つける確率は高くなっているはず、と思いたい。




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