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「雑草の種」を採取して、「理想の雑草の庭」を作りたい話

 「雑草の種」は、採取できるのかもしれないけれど、それを実際に採取して、集めている人は初めて見た。それも、4つの袋に分けられていた。


 妻に聞いた。

「好きな雑草の種ばかり。
 コバノタツナミソウで、これは白と紫の花の2種類を集めた。本当は、ピンクの花のが欲しいのだけど、ピンクはなかなかなかった。
 それから、マツバウンランと、ヒメヒオウギ。それで4種類だと思う」。

 それで、4つの袋だったらしい。
 だけど、最初は、もう少し多かった、という。

「他にも、園芸種だけど、イソトマとか、雑草だと、アメリカンフウロとか、何種類かタネを集めたんだけど、実ごと袋に入れちゃったら、カビちゃって。水分もとらないといけなかったんだな、って。だから、乾燥剤とかも一緒に入れたら、よかったのかもしれない」。

 これまで好きな雑草を抜かないで生かしたり、近所のいちょう並木の下のスペースに名札を立てて「雑草の庭」を作ったりはしていたけれど、「雑草の種」は採取してなかったはずだった。


「雑草は、すぐ生えてくるけど、花を咲かせて、すぐ枯れちゃう。
 強いけど、弱い。
 いつの間にか、なくなっているような感じがする。

 今年生えても、来年は分からない。別のが生えてきたりする。
 負けちゃう場合もあるから。

 今の季節は、わりと好きな雑草が生えていて、いいな、と思っていたんだけど、種をとって、またまいたら、それで、生えてくるんじゃないかと思った。

 花が咲き終わって、しばらくたつと実ができて、そこからとった」。


 これまでに、試行錯誤もあったらしい。

「今まで、好きな雑草とかがあったら、土手から持ってきて、植えてみたりしたんだけど。ハハコグサかわいいな、と思って、持ってきたけど、根付いたり、根付かなかったりしたんだよね。

 難しいな、と思って。それだったら、好きな雑草は種からとって、庭にまけばいいのかな、と思って。

 その時は、その場所を整えて、他のに負けないようにしないと、ダメなんだろうけど、これから、試してみて、どうなるか、という感じ。

 家の庭もそうしたいけど、いちょう並木の下も、そうしたいと思ってる」。

 これからの予定も聞いた。

「これから先、秋くらいに、この種をまこうと思っているけど、でも、まだ何も知らないから、どうなるのか、わからない。それで春先に咲けばいいな、と思っているんだけど……。

 全滅かもしれないし…、でも、それでも仕方がないかも。
 もし、そうなっても、思わぬところから生えてもらっても、なんだかうれしいし。

 好きな雑草ばかりの庭になったらいいなと、思ってて。
 理想の庭みたいな感じなのかな……」。


 妻が、目指しているのは「理想の雑草の庭」らしいのですが、来年、またその試みの続きを、できたら、お伝えしたいと思っています。
 完成したとしても、もしかしたら、妻しか分からない可能性があって、見る人によっては、あくまでも「雑草が生えた庭」に感じるのかもしれません。さらには、(妻にとっての)「理想の雑草の庭」は、すでに、どこかにあるのかもしれません。
 そんなことを考えると、少し不思議な気持ちになります。



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「雑草の庭」をつくった話。

カラスノエンドウ 不思議な黒

玄関の掃き出し口に、コバノタツナミソウが生えました。


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