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「日常が戻ったような錯覚」。2020.10.3.

 朝のテレビ番組で、アメリカの大統領が、コロナに感染したと繰り返していた。
 彼がマスクをしないことを、主張しているような過去の姿が映っている。支持者も、マスクを付けない人が多いと言われているようだった。

同じ曜日の、同じような時刻の、同じ電車路線

 午前9時前、駅に向かう。
 この6ヶ月くらい、同じ土曜日の、同じような時刻に、自宅が東京都内なので、都内の同じ路線の電車に乗ることを繰り返してきた。

 駅前の1000円カットの店の前に4人並んでいる。
 このところで、最も少なかった1ヶ月くらい前から比べると(リンクあり)、明らかに、お客が増えて、周囲の活気も上がってきているように感じる。
 空気は、ややひんやりしていて、秋っぽくはなってきているが、気温が高めだから、中途半端な季節の変わり目みたいに感じる。

 駅のホームには、20人くらいの人がいる。
 乗り込んだ電車の車両の窓は、半分くらい開いている。若いカップルは、マスクをして、日常的であろう会話を続けている。

 電車を乗り換える。
 ホームで待っていると、人がけっこういて、並ぶ姿を見ていると、微妙に「距離」をとっているのが分かる。

 最近、東京都内の新しい感染者は、増加傾向だった。

 9月30日。194人
 10月1日。235人。
 10月2日。196人。

ケイタイ・ノーマスク

    駅のホームの階段を二人の若い勤め人風が降りてくる。
 一人はマスク。
 もう一人は、マスクを手に持ったまま、ノーマスクで歩いてくる。

    電車が来た。他の方々と一緒に乗り込んでいく。電車が走り出す。
 同じ車両の一つ先のドアのところで、30代くらいの女性がノーマスクで、携帯で、外のほうを向いて、話し続けている。

 駅をいくつかすぎる。一人だと思っていた女性が、座席に向かって、手を伸ばす。5歳くらいのマスクを下げたり、あげたりしていた女の子に手で合図をしている。どうやら親子のようだった。
 
 立とうとした女の子に、ケイタイで話しながら、近寄って、また座らせて、再びドアのところに戻って、さらに、話を続けている。

 女の子は、微妙に迷いのある表情になっている。

 どうするのだろうと思っていたら、私が降りるのと同じ駅で、女性は、女の子を手招きをして、ケイタイで話を続けながら、一緒に降りて行った。

減ってきたマスクの印象

 降りた駅で、改札に向かう。
 
 ちょっとぼんやりして歩いていたら、すごく近くでスレ違った、短パンをはいている背の高い若い男性はマスクをしていなくて、思わず体がひいてしまい、微妙に恐かった。

 階段を降りていたら、すみっこに、氷結の銀色の空き缶が立ててある。
 
 階段を降りたら、少し遠くの歩道に、リクルートスーツらしき黒いスーツを着ている若い女性が、マスクをあごにずらして、何か食べながら、やや速いスピードで歩いている。

 コロナ禍の時も、変わらず、ずっと工事を続けている場所のそばを歩いていると、母親と息子という、同じ組み合わせの2組の親子とすれ違った。

 母親がノーマスクで、息子がマスク。
 母親がマスクで、息子がノーマスク。

 息子がノーマスクの方は、おそらくは5歳以下だったが、マスクをしている息子は8歳くらいだった。

 もう少し歩く。

 まったくノーマスクの中年男性が、自転車に乗ってきて、止めていた。
 短パンをはいた、やや肥満の若い男性はあごマスクですれ違った。

 さらに、若いノーマスクの男性と、あごマスクの男性がそばを通り過ぎて、小走りで遠ざかっていった。

 なんだか、マスクをしている人が、減ってきているような気がする。

日常が戻ったような錯覚

 夕方になり、公園のそばを通った時は、以前と同じように、親子連れがたくさん遊んでいる。若い親たちが多い。そんな平和な空気を見ていると、公園で遊んでいただけで、通報されたことがあったなんて、それも別の世界のことにように思えてきて、そんな過去を、なかったことにしたい気持ちがわいてくる。

 朝方のマスクが減った風景も、夕方の公園の光景も、ちょっと気を抜くと、以前の日常が戻ったような錯覚に、結びつきそうだった。それは、自分自身も、非日常に疲れているのかもしれないが、公園で遊んでいる親子は、マスクをしているから、絶対に以前ではないと、自分に言い聞かせないと、その錯覚が、気持ち良くなりそうだった。

 それから、駅に向い、電車に乗って、雰囲気もふくめて、変わらない日常に見えてくる。
 たぶん、緊張感みたいなものが急速に減っているのだと思う。
 自分も含めて。

 電車のドアの上に小さい画面が二つ並んでいる。
 自分が立っているドアの向かいのドアの上にも、二つの画面がある。
 
 向こう側のドアの上の画面の一つが、真っ暗だった。
 故障しているようだった。

 電車がくぐっていった跨線道路橋を振り返ったら、「新しい生活様式のための新しいルール」と大きく車体に書かれた、トレーラーみたいなものが通り過ぎたのが、見えた。

 電車を乗り換えたら、次の路線では、ドアのそばにあごマスク中年男性が立っていた。

 
 今日、10月3日の東京都の新たな感染者数は、207人だとニュースで知った。



(他にもいろいろと書いています↓。クリックして読んでいただければ、うれしいです)。

「黄色い小さいカサと、新しい小学校」。2020.9.26.

「コロナ禍の中で、どうやって生きていけばいいのか?を改めて考える」。①「コロナは、ただの風邪」という主張。 (途中から有料noteです)。

「コロナ禍日記 ー 身のまわりの気持ち」① 2020年3月 (無料マガジンです)。

「コロナ禍日記 ー 身のまわりの気持ち」② 2020年4月  (有料マガジンです)。

「コロナ禍日記 ー 身のまわりの気持ち」③ 2020年5月 (有料マガジンです)。

いろいろなことを、考えてみました。



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