見出し画像

最近、消防や救急の人たちは、親切だと思いました。

   夜中の12時過ぎ、サイレンが鳴って、近づいてきて、音が大きくなり、近所で止まった。

 救急車の音なのは分かるし、ちょっとざわざわする。

  つい最近、ご近所の人がケガをして、同じような時刻に、同じようなパターンで、救急車が来たから、よけいに心配と怖さの両方が高まる。

救急車

 サンダルを履いて、この気温だと少し薄着だけど、ちょっとあわてて夜中の道路に出た。

 何台も救急車が停まっている。
 歩いてすぐそばだけど、ちょっと遠いところにある。

 ご近所の家の前だから、やっぱり不安になって、歩いていく。

 ちょっと立ち止まり、何もできないのに、ながめていた。

 たぶん、数分だけだけど、数軒の人が、普段着というか、寝巻きに近い格好で外へ出ているのが、暗い中で見えた。

 救急車の向こうから、おそらくは救急のスタッフが近づいてくる。

 ちょっと緊張したら、柔らかい表情で、話しかけられた。

あの、大きいマンションからの救急の通報です」

 近くとはいっても、少し先の川のそばに建つ大きな建物を指して、そう言った。

 「マン(万)ション」なのに、1億を超える販売価格がまだ珍しい頃に「億ション」と呼ばれるようになった住居で、そこはご近所と言えるほどの近さもなく、実際には知り合いもいないに等しく、何かあったとしても、こちらが助けることはできないし、助けも必要ないのは明らかだった。

 だから、もうできることもないので、家に戻った。

消防車

 それから数日して、また夜中の12時頃にサイレンが鳴って、音が近づいてきて、何台も来るのがわかり、今度は、どうやら救急車と、消防車も来ているようだ。

 薄着と、サンダルで外へ出ると、大きく赤い消防車両が道路に複数停まっていて、そのことで非日常感が増している。

 人が少し集まってくる。

 狭いけれど、道路のこちら側と、向こう側に人が出てきて、ちょっとした人混みのような感じになっている。

 今度は、家から近いマンションに消防や救急の人たちが入っていくから、そこには知り合いもいるし、ちょっと緊張が高まる。

 煙も炎もない。

 バタバタして、何が起こっているか分からないから微妙な緊張感が漂い、だけど、どこかあいまいな空気が、夜中に漂っている。

 消防車から、炎に対応するような銀色の服装に身を包んだ男性が降りてきて、こちらを見て、穏やかな表情と顔で、説明をしてくれた。

「こちらのマンションから通報がありました。だけど、どうやら機械の誤作動のようです。だから、大丈夫です」。

 火事でも、急病でもなく、そこで安心はできた。

 そして、その伝えられたことを、知っている人にも、知らない人にも、数人に伝えると、どうやら、こういう誤作動による消防車の出動は、よくあることだというのを知った。

 それから、しばらくは消防車も道路に停まっていたが、原因が分かってからは、人は少なくなって、そして、そのうちに救急車も、消防車もいなくなった。


 以前は、こうした緊急の仕事に関わる人は、もっとピリピリしていた記憶がある。もちろん本当に家事や急病だと当たり前だと思うのだけど、今回の二つの出来事のように、救急でありながら、近くの野次馬には静かに声をかけたり、誤作動でも、あれだけ柔らかく説明してくれるようなことは、個人的な狭い経験の中では、なかったように思う。

 最近の、救急や消防のスタッフの人たちは、親切だと、改めて思いました。



(他にも、いろいろと書いています↓。よろしかったら、読んでもらえたら、うれしいです)。



#最近の学び    #救急車   #消防車   #隊員
#火事   #急病   #近所   #日常   #出来事
#暮らし #夜中   #サンダル   #毎日投稿  


この記事が参加している募集

記事を読んでいただき、ありがとうございました。もし、面白かったり、役に立ったのであれば、サポートをお願いできたら、有り難く思います。より良い文章を書こうとする試みを、続けるための力になります。