見出し画像

雨、映画、正しい乙女になるために

雨の日だけ書く、雨降り日記☔

3月5日、体感で今年18回目の雨です。

名古屋市、ゆっくり起きて、窓を開けると電線に雨粒が見えました。
世界がとってもきれい。
細かな雨が降っています。

すべての予定をキャンセルし、
猫と過ごしています。
『綿の国星』という映画を観ました。
これまでこれを観なかったことを悔やむくらい、良かったです。

いつものごとく、見終えて、いろいろな人のレビューを見たら、昭和の作品ゆえの「これはアウト、」「あり得ない、」という意見が多くて、世の中には本当に真面目な人が多いのだな、と思いました。
アウトやセーフのジャッジを、
映画を観ながら考えたことがありません。
そんなふうに思いながらジャッジしながら観るのって、楽しいのでしょうか。

あと、時生くんという青年が出てくるのですが、一人っ子で、両親に愛され、予備校に行くと言ってはサボり、そんな中、気になる女の子もできて…という彼のスタイルがけしからん、という意見も多かったのですが、
両親に愛されず、女に見向きもせず予備校に真面目に通う青年の映画って観たいでしょうか。

でも、こんなふうに、人のレビューに関してあぁでもないこうでもないとジャッジしていること自体、私もナンセンスなのでしょう、
でも良いのです、今日は雨で、
雨の日はどんなことを思っても。

どんなことをしても良かったはずです。

嶽本野ばらさんの乙女に向けたエッセイでは、雨の日はズル休みをしましょうと書いてありました。
サボって、
何をするよう書かれていたと思いますか?

それが素晴らしいんです、
フランス映画のアンニュイな主人公になった気分で、ベッドの上で小難しい本を読み、中世の叙唱曲を小さく流すんです。

それから、どうするのかというと。

雨にも負けず仕事に出かけた人に電話をかけて、「バカ」と一言だけ囁いて、電話を切ってしまいましょうか、と。
それも全部雨の日だから、と。
野ばらさんは雨の日を‘‘健全な乙女の不健全な安息日’’と説いています。
私は手帳にメモしました。
これは、『それいぬ 正しい乙女になるために』という本に書かれています。
乙女は勿論、どんな人にも、真面目な方々にも是非読んでみてほしいのです。
 
映画の話が、本の話になっていました。
雨はまだ降っていて、
横で猫のプチが、寝息を立てています。
プチが生きていて、プチが可愛くて、
プチと雨の日を同じ部屋で過ごせていて、
今私は、これまでのどんな私よりも
幸せだと思います。
もうこれから、人のレビューはあまり見ないようにしよう、と思いながら。


この記事が参加している募集

雨の日をたのしく

猫のいるしあわせ