【読書メモ】競売ナンバー49の叫び (ちくま文庫)
トマス・ピンチョン著
ピンチョンといえばアメリカ最大の覆面作家。寡作でも知られるが、その中でもカリフォルニアを舞台とした作品が少なくない。今作もその一つだ。
昨年末に映画の「インヒアレント・ヴァイス」を観て、ヒッピーカルチャー全開のあやしい世界観に浸りきっていたので、勢いで積ん読だった今作も読む。主人公エディパが過去の愛人・大富豪インヴェラリティの遺産を管理を任され、遺したものを探っていくうちにアメリカ社会にうごめく謎めいた組織<トライステロ>による偽造切手を用いた奇妙なコミュニケーションを目の