マガジンのカバー画像

読書記録

15
運営しているクリエイター

記事一覧

【読書メモ】The Queen's Gambit | Walter Tevis

読み終わってしまった…孤児院育ちの天才チェス少女、エリザベス(ベス)・ハーマンの苦悩と孤…

S. Miyata
2年前

【読書メモ】「じゃない写真:現代アート化する写真表現」渡部さとる著

やー面白かった。現代写真の分かりづらさ・鑑賞の難しさをきっかけに、どのような問題意識で作…

S. Miyata
2年前

【読書メモ】「忌中」車谷長吉

西村賢太以前に私小説といえばこの人だったのではという印象がある作家。 しっとりとして遣る…

S. Miyata
2年前

【読書メモ】繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史 (ハヤカワ・ノンフィクション…

楽観的な合理主義に基づいて、人間が他の動物と異なりなぜここまで繁栄を手にしたのか、今後繁…

S. Miyata
3年前

【読書メモ】裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル (ハヤカワ文庫JA) 宮澤 伊織…

引っ込み思案で厭世的な女子大生・紙越空魚(そらお)と、現実離れした美人の仁科鳥子(とりこ…

S. Miyata
3年前
2

【読書メモ】アメリカン・ブッダ (ハヤカワ文庫JA)柴田 勝家 (著)

気鋭の民俗学 x SF作家の短編集。一昨年、同作者の「ヒト夜の永い夢」が個人的にヒット作だっ…

S. Miyata
3年前
2

【読書メモ】競売ナンバー49の叫び (ちくま文庫) トマス・ピンチョン著

ピンチョンといえばアメリカ最大の覆面作家。寡作でも知られるが、その中でもカリフォルニアを舞台とした作品が少なくない。今作もその一つだ。 昨年末に映画の「インヒアレント・ヴァイス」を観て、ヒッピーカルチャー全開のあやしい世界観に浸りきっていたので、勢いで積ん読だった今作も読む。主人公エディパが過去の愛人・大富豪インヴェラリティの遺産を管理を任され、遺したものを探っていくうちにアメリカ社会にうごめく謎めいた組織<トライステロ>による偽造切手を用いた奇妙なコミュニケーションを目の

【読書メモ】ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン ピーター・トライアス著

第二次大戦で枢軸国側が勝利した歴史改変SFもの。メカニック設定豊富な「高い城の男」かと思っ…

S. Miyata
3年前
2

【読書メモ】クレイジーで行こう! グーグルとスタンフォードが認めた男、「水道管」に…

米国シリコンバレーで機械学習による水道配管メンテナンスのテックベンチャー Fracta, Inc. を…

S. Miyata
4年前
1

【読書メモ】砂と人類 ――いかにして砂が文明を変容させたか ヴィンス・バイザー 著 …

引用と走り書き。 読みながら evernote に音声メモで記録した内容を貼り付けて微修正したもの…

S. Miyata
4年前
2

都下の田舎で感じる「東京人」の意識(大石始「奥東京人に会いに行く」)

2020 年の東京オリンピックを控えたこの時期に、東京の周縁を取材した著者が触れた人・モノと…

S. Miyata
4年前
4

【2019年私的ベスト3小説】文学的ネトゲ中毒者の挫折と復活(藤田祥平「手を伸ばせ、…

2019 年に読んだ本の中で 3 本の指に入るほど面白かった小説の紹介と、内容の勝手な解釈を綴り…

S. Miyata
4年前
7

【読書記録】村田沙耶香「消滅世界」

婚姻関係と恋愛関係が完全に分離した世界。そんな世界に暮らす女性・雨音が主人公の物語である…

S. Miyata
4年前
3

【読書記録】武田百合子「犬が星見た」

「ひかりごけ」で知られる武田泰淳の妻、武田百合子が書いたロシア紀行文。 タイトルの「犬」とは、地球を見たライカ犬のことかと思いきや、泰淳から見た百合子のことだそうだ。天衣無縫の文章家として知られる武田百合子の目を通じて、共産ロシアの風物が贅肉のない文章で切り取られている。 作中で描かれるのは「とうちゃん」こと夫・泰淳と友人・竹内好、同行の資産家・銭高老人のコミカルな言動や、現地で見たもの食べたもの、子どもたちとのふれあいの様子などだ。そこには余計な装飾や、外国人への媚びへ