【読書メモ】砂と人類 ――いかにして砂が文明を変容させたか ヴィンス・バイザー 著 藤崎百合 訳 草思社

引用と走り書き。

読みながら evernote に音声メモで記録した内容を貼り付けて微修正したもの。よく考えたらサービスの名前が note なんだからこれでいいじゃんという気になった。

エピグラフはボルヘスの引用。

石の上に建つものはなく、
なべては砂上に建てり、
されどとわれらが務めは
砂もて石のごとくにして
建つるにあり。
ボルヘス「闇を讃えて」

p.51
セメントとコンクリートは別物

p.55
ローマ人がつくるのをやめてから1000年以上、コンクリート構造の建物は建てられなかった。

p.56
ポルタランドセメント
アメリカで製造されているおよそ8300万トンのセメントの95%をポルトランドセメントが占めている

p.68
これが、サンフランシスコの大火災という試練を乗り越えたコンクリートに寄せられた称賛だった。コンクリートはゴージャスですらあったのだ。

コンクリート産業はここで転換点を迎える。あのエジソンもこの新素材に過剰な期待を寄せ、日用品・工芸品に至るまでコンクリートで制作する構想があったとか。

p.75
コンクリートの登場によりこれまでにない形状の建築物が建てられるようになった。
バウハウス、モダニズム、コルビュジエのインターナショナル・スタイル
第二次大戦後に人気を博したのが荒々しく鋭角的で誇らしげにコンクリートを多用するブルータリズム
実用一点張りでそっくりに見える工場や倉庫、四角い形の画一的なビル、安アパートの並び、冷たく機能的にカーブする立体交差路

p.80
暇だった 28 歳のアイゼンハワー(後の大統領)は、東海岸から西海岸まで横断するトラック部隊に志願する箇所。
車になんの未来も感じられなくなるほど絶望的な道のり。

p.82
ラ・ブレア・タールピットという天然アスファルトの池が存在するらしい。何それ絶対見てみたいじゃん...。

池のアスファルトの表面に浮かんだ水を求めて動物たちが集まり、タールに閉じ込められていったらしい...。

p.107
高速道路の整備によってアメリカでもファスト風土が多く見られるようになったのか、という内容。

p.140
コーニング社のゴリラガラス。iPhone 表面のあれだ!

p.197
ニンビー:ある好ましくないものの必要性を認めながらも自分の近所にはつくるなという人々を指す

p.306
石庫門(シークーメン)
読み方が面白くてメモ。こういう名前の中華飯店があった気がする。

p.310
コンクリートは、世界で最も広く使用される建材だ。私たちが毎年使っているコンクリートの量は、鉄鋼、アルミニウム、プラスチック、木材を合わせた倍量に上る。世界の人口の推定70%が、少なくとも1分にコンクリートが使用されている構造物で暮らしている。世界最大級のダムや橋はすべて鉄筋コンクリート製だ。鉄骨構造の高層ビルでさえも、基礎や床に大量のコンクリートを必要とする。地球上の舗装面積は全部で578,000平方キロメートル以上と見積もられている。これはテキサス州の面積にわずかに足りないくらいの広さだ。

コンクリートが本格的に使用されるようになったのがサンフランシスコ大火の後とということなので、まだせいぜい 150 年。それでテキサス州の面積程度が覆われるというのは、多いのか少ないのかよくわからぬ...。


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