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【読書メモ】繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) マット・リドレー (著)

楽観的な合理主義に基づいて、人間が他の動物と異なりなぜここまで繁栄を手にしたのか、今後繁栄は持続するのかについて述べた本。

人類の繁栄を決定づけたのは交換と専門性であり、それらにより自発的に秩序がうまれる状態──カタラクシーが今後も達成されていくと予想している。「サピエンス全史」シリーズも序盤では類似のテーマを扱っていたがこちらはより具体的、終盤の未来予想のトーンもだいぶ異なる(あちらはやや悲観的な面が強調されていたか?)。現実直視に基づいた楽観主義という意味で「ファクトフルネス」「暴力の人類史」に近いか。

2013 年発行とやや古い感があるが、データ直視に基づいたオルタナティブな洞察など、今読んでも驚かされることが多い一冊。

p.366
さらに、化石燃料のおかげで地表の多くが産業化をまぬがれたことは、意外かもしれないが否定できない事実であり、しばしば見過ごされている。
p.412
OECD による大規模な調査によると政府が研究開発に支出しても経済成長に目立った影響は見られないという。

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