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少年達を照らす光 後編
次の日の朝ごはんを食べ終わるとツヨシはナオキを誘い、海岸へ遊びに行こうとしていた。土間の上がり口で2人が靴を履こうとしていると、テツヤが片足を引きずりながら2人の側へやって来た。
「ねえ、なおちゃんもつうちゃんも僕を置いて行かないでよー」
「だって、てっちゃん足を怪我してるから野球なんて出来ないだろ」
ツヨシは片方の靴を履きながら、テツヤにそう返答した。
「だからー、行かないでってばー」
少年達を照らす光 中編
テツヤが寝てしまったあと、ツヨシとナオキは暇をもて余していた。本当は2人とも、外で野球などをして遊びたかったのだが、祖母に止められた。アクシデントがあったおかげでもう夕方近くなっていた。あと1時間ちょっとすれば陽が暮れ始める時間だ。仕方なく祖母の家にあったトランプをして遊ぶことにした。
2人で神経衰弱を始めると、カードが一枚足りない事に気がついた。クローバーのJがない。そしてナオキはぼやき始めた
少年達を照らす光 前編
12月30日、3人の少年達は祖母の住む家を目指していた。
鰻の養殖としらすの水揚げで有名な港町。少年達は高速バスで45分移動し、その町に降り立った。
すると早速いつもの、生臭さの入り混じった浜風が彼らを迎えた。
年末だというのに、とても暖かい日だった。午後のまだ早い時間、青く澄んだ空を薄く透き通った白い雲がまだらに浮かんでいた。
少年達は各々が首にぶら下げた水筒から温かいお茶を水筒の蓋に移
どうしようもなくて・
「分からないな。どうしてこういう事しかいえないんだ?」
「私も言いたくないわ。こちらが言いたくないことを言わせてるのよ。分からないの?」
茂之は車の鍵を取ると私の顔も見ずに外へと飛び出した。
「しばらく戻らない……」
私が見てしまったことから疑心暗鬼な毎日が始まってしまった。
洗面の鏡の向こうでスマホを見ながら、見たこともないような笑みを浮かべているので、また犬か猫のかわいい画像だ