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「発酵王国」で、かもす旅🥣 愛知の醸造所を巡る(前編)

夫ケータが育てた野菜でせっせとお料理を作り、ランチ会でいろんな方に料理を振る舞うことができて、かなり料理の腕前が上がった、と自画自賛している佐和子です😆

この半年、愛知県にあるいろんな醸造所(酒や調味料などを醸造する場所)巡りをしてきました
その訳は、発酵に魅せられたこともありますが、元気ですくすくと育った美味しい野菜たちの引き立て役となる調味料や発酵食品たちも、料理の腕前には欠かせない存在だからです。
調味料を変えただけで、お料理の味がグレードアップ⤴️しちゃうぐらい大事なんです。

そしてラッキーなことに、私が住んでいる愛知県にはめちゃくちゃ醸造所が多い😍 特に知多半島には、密集してます✨✨✨
愛知県民として長年暮らしてきましたが、醸造所についてはまったく知らなかったです。愛知は車🚗だけじゃないんですね😗

なぜ愛知には醸造所が多いのか?

温暖な気候で🌾米や麦、大豆作りが盛んだったこと、西尾市吉良町にはかつて塩田があったこと、海に面していて穀物や塩などの水運に恵まれていたこと、焼き物の産地の常滑《とこなめ》で入れ物を作り、醸造された調味料を詰めて江戸へ輸送できたことなど、、、
いろんな好条件が重なって、江戸時代頃から酒だけでなく、味噌、溜まり醤油、白醤油、味醂、酢などの醸造が盛んになっていったようです😆
すごーい👏👏👏

愛知県民が大好きな徳川家の皆様が、八丁味噌をはじめ、お酒や醤油など超発酵好きだったので、彼らが醸造文化を応援したこともその要因のひとつと言われているそうです。

最近、愛知県は醸す文化がすごいと知り、いろんな醸造所に行くイベントがあれば飛んで行って、麹ちゃんたちの活躍の現場を見せてもらってます。行くたびに、発酵菌たちの愛を知っております😆😍(愛知だけに、、、^_^)

タイトルの愛知県の醸造所の分布写真は、岡崎のカクキューさんに展示してあったものです。
全部の醸造所に行ってみたいと思ってますが、今回はたまたまご縁があって行くことができた、【八丁味噌(カクキュー)】【たまり醤油(徳吉醸造)】【白醤油(七福醸造)】【白たまり(日東醸造)】【三河みりん(杉浦味醂)】、そして、その関連で行かせてもらったお茶農家の【宮崎園】なたね油の【ほうろく屋】をご紹介しますね😊

岡崎市 八丁味噌(カクキュー)

創業者の早川久右衛門さんの【久】
味噌を仕込んだら、石でしっかり重しをする

【八丁味噌】は、豆のみで作った豆味噌(赤味噌)です。一般的な米味噌は米麹と大豆、塩を混ぜて約1年ほど発酵させますが、豆味噌は豆麹と大豆、塩をまぜて、1年から3年熟成させます。
木桶に石が石垣のように積まれているのが印象的でした。石積み職人さんが積んでいるそうで、この方の技なしにはこんなにきっちり積めないとか。

八丁味噌は黒っぽくて、味は酸味や苦味も感じられて、ハマる人にはハマる味です。
私が両親が関西出身なので、正直なところそこまで赤味噌好きではないのですが、愛知県ネイティブの夫は赤味噌のパンチが利いた味が大好きで、味噌煮込みや味噌カツには欠かせないらしいです。

この味噌蔵のすぐ横には、徳川家康が誕生したと言われている岡崎城があって、その家康が豆味噌が大好きで、味噌で健康維持していたということは、この地域では有名な話です。豊臣秀吉が幼い日吉丸の頃に、味噌パワーに助けられたという逸話もあります。

味噌蔵の横にはフードコートがあって、味噌煮込みうどんとか食べられまーす❤️
カクキューでは味噌ソフトも食べれちゃう
八丁味噌を練り込んだ、佐和子特製味噌ガトーショコラ

味噌汁はもちろんのこと、この豆味噌には実はチョコがめちゃくちゃ合います。甘じょっぱい味がサイコー😍😍😍

南知多町 たまり醤油(徳吉醸造)

【たまり醤油】ってご存知❓
豆味噌を作る過程で、上ににじみ出て溜まった液体だけを取り出したのが名前の由来といわれる、たまり醤油。
どろっとしてて、塩分は少な目で濃厚なのが味の特徴で、お刺身などを食べるときに使うことが多いですが、愛知県の人の中には、お醤油がわりに豆腐とかにかけて食べる人も多いらしいです。

今回は、徳吉醸造の味噌作りの講座に参加しました。
徳吉さんでは、味噌と醤油の両方を昔ながらの木製箱や木樽を使った製法で製造しているとのこと。熟成期間は1年から3年と長いです。また豆麹、米麹、麦麹も作っていて、どの味噌でも選んで作れるようでした。

社長さんの味噌講座
美浜町「やまもとはたけ」の山本夫妻のお誘いで、賑やかに味噌作り
徳吉さんの入り口の扉
つばめだけじゃなくて、福もやって来そう❤️
さすが醸造所🎶
大豆を潰す優れもののミンサーあり
秘蔵のレシピ

社長さんのお話が興味深かったです。「手前味噌」とはよく言ったもので、家庭で作る味噌には、その家庭に必要な常在菌が入って働いて味噌になるとか。家族の体調にあった味噌が出来上がるようなので、ぜひそれぞれ家族で、ビニール手袋などせずに作って欲しいって言ってました。
佐和子菌満載だな、こりゃ😋と娘に話したら、不味そうっと言われちゃいました😜

ちなみに今回の味噌作りには、手前味噌を作るために夫が畑で育てた、自家製の大豆を持ち込んで使用しました。

豆味噌と米味噌の両方を夫と仕込んだので、仕上がりが楽しみです。
豆味噌は3年熟成させる予定なので、ちょっと気が遠くなりますね。3年後はいったい何をしているんでしょう😌😙 未来に想いを馳せつつ、心をこめて仕込みました。

碧南市 白醤油・白だし(七福醸造)

色が薄くて、塩味が強く、淡白な味と高い香りが特徴の【白醤油】
色が濃くで塩味が少なくどろっとした溜まり醤油とは対極にあるのが、白醤油です。どちらも知多半島に醸造所あるので、愛知県の人たちは、このどちらもお料理に使って楽しんでます。

私にとっては、白醤油より鰹節や干し椎茸などの出汁を加えた【白だし】が馴染みがある感じです。その白だし発祥の会社が、この七福醸造さん。
白だしは、卵料理、あえ物、スープ、ドレッシングの隠し味、、、本当になんでも使ってます。醤油みたいには色がつかないので、めちゃくちゃ重宝してます😍😍😍
白だしと言っても、だし汁とは違って、かなり塩味が強いので使い過ぎには要注意。

白醤油は小麦で作るお醤油です
【ありがとう】の文字がすべての製品に書かれている
社員全員が実際に【ありがとう】と【ばかやろう】で白醤油を醸造してみたら、、の話
【ありがとう】と書かれた仕込みタンク
熟成期間は数ヶ月と短め
長いと色が濃くなってしまうらしい
七福醸造で白醤油を作ってみました🎶
只今、醸し中
ふろふき大根、青菜の和物、白菜団子、
大麦菜飯、、、すべて白だし入り

我が家の料理では、白だしが大活躍❣️

豊田市 しろたまり(日東醸造 足助仕込み蔵)

白醤油が誕生したのは今から約180年前。三河国新川(現在の碧南市)において、金山寺味噌の製造過程で出来た上汁が美しい黄金色で、そこから考案されました。
ちょっとでも大豆が入っていれば【白醤油】、まったく大豆が入っていなければ【白たまり】と名乗っているらしくて、元々はどちらも白醤油と呼ばれていたものです。

元々は碧南市で白醤油を作っていた日東醸造さんでしたが、「豊かな自然環境の中、昔ながらの技法で、化学調味料などを一切使わずに」という思いから、1983年に足助町(現・豊田市足助町)の山里の閉校となった校舎に仕込み蔵を作ったとかで、今回はこの山奥へひとり車を走らせて行きました。

インターから降りること1時間ちょっと、、、山道をとにかく走って、すごいとこだったわ。下界とは気温が5度ぐらい違っていて、3月始めにもかかわらずかなり寒かったです💦
冬場は雪に覆われるところです。

この寒さと新鮮な空気、ミネラル豊富な足助の沢水が、しろたまりの自然な発酵にはいいらしいです。

廃校となった校舎を利用した仕込み蔵
社長さんの蜷川さん
こだわりの木樽たち
社長さんのお話。しろたまりへの熱い思いが伝わってきて、思わず涙🥲🥲
しろたまりを作ってみました
こちらも只今、醸し中

蜷川社長のお話は、醸造のことのみならず、足助の農村の過疎化にも及びました。
なんとか地域活性化につながるようにと仲間と無農薬有機国産小麦の栽培を始めたものの、愛知県産の小麦では寒くて気候に合わなくて、うまく育たず、土地に合う品種を探して、やっと長野県産の小麦で成功したものの、県をまたがって育てるので、農協の協力が充分に得られそうもなくて、一旦は手を引かざるを得ない状況に今あるとか。
適正な価格の無農薬有機栽培の国産小麦で、しろたまりを作ることができ、それが地域活性化にもつながることを切に願っています。

醸造や発酵、穀物のことをいろいろ知るにつけて、なぜかつて100%だった穀物の国内自給率が現在ではこんなに低くなってしまったのか、日本の伝統的な発酵文化が廃れつつあるのか、そんな疑問が湧いて来ます。

手前味噌文化がここ最近少し復活しているように、かつて当たり前だった健康的な伝統の食生活が復活するといいなと思っています。

醸造所の旅はまだまだ後編に続きます🎶
近日公開予定ですので、また読んでね🥰

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