発酵食の工業化について
日本の伝統食である発酵食品は 現在 発酵食品と言えなくなってきています 昔ながらの『静置発酵』を守り 伝統を継承している蔵もまだ残っていますが 圧倒的に工業化された発酵食品が出回っています
写真は稲についた稲麹です 『稲霊様』とも呼ばれ 昔は『稲霊』が稲につくと豊作だといわれてきました 黒い粒の中には麹菌が生きています 麹には何種類か種類があるそうですが 昔お酒の杜氏さんに聞いた話ですと 自然の森のなかに炊いたお米を置いておくと しばらくすると麹菌が生えてくるとのことです 私たち日本人はそうやって自然と共存するなかで 色んな知恵が生まれ 豊かな発酵食の文化を築いてきたのかもしれません
食の工業化が加速している現在の発酵食品には 沢山の問題がありますが今回は木桶と 麹菌を中心にお話をしてみたいと思います🌱
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木桶の存続の危機
日本の木桶職人さんもどんどん高齢化が進み 存続ギリギリの時代のそんな中 木桶仕込みを続ける生産者さん(お酢 お醤油 みりん お酒)も今では全体生産量の1%以下となってしまいました
発酵食の代表でもあるお醤油やお酢 お味噌などは 木桶にもともと住み着いている様々な微生物がうみだしてくれていました そのため人工的な保存剤なども必要なく自然の力がつくった最高の健康食だったのです
しかし戦後の工業化と共に木桶の需要も減少し 大量生産になり 長期熟成だった『静置発酵』→『速醸法』へと作り方がかわって作る容器も木桶→ステンレスなどに変わることで 発酵の世界に大きな変化をもたらしました そして遺伝子操作の技術の発展とともに発酵の世界も変わることになっていくのです
そんな中 生産量さんご自身が木桶をつくる木桶プロジェクトを立ち上げています そういう木桶の調味料を選ぶことで古くからの日本の本来の食文化が継承されてほしいと思います
最近木桶で仕込んでいるのに添加物が沢山入ってる調味料も出ています 木桶のイメージ先行を利用しているのかもしれませんが 原材料にもこだわった木桶の調味料を選んでほしいものです🌱
小豆島のヤマロク醤油さんが中心となり木桶プロジェクトがstartしています
ある職人さんに聞いたところ 木桶で仕込むのとホーローなどで仕込むのとでは 微生物の数が雲泥の差になるそうです
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発酵食品の工業化
麹菌などの菌は 現在遺伝子操作され 人工的な純粋培養をしているところがほとんどです そしてそういう麹を使ってお醤油やお酢などを『速醸法』という人工的な作り方をしているところが大変多いです 大豆を使わず『脱脂大豆』という大豆のかすからお醤油を作ったりしているところも沢山ありますが添加物が沢山添加されています
木桶の『静置発酵』長期熟成させた調味料を選ぶ人が増えていくと伝統が継承していけるのかなと思います
今はそんな人工的に純粋培養されパウダー状になっている麹菌をお米に振り掛けるだけで米麹ができる便利な時代になりましたが 健康とはかけ離れる麹菌になってしまいました 【麹菌が入ってる袋には 製造元が○○工業株式会社とかいてあるので 本当に工業化してるんだなぁとわかります】
✳化学物質過敏症の重度の人は遺伝子操作された麹菌で仕込まれたお味噌が食べれなかったとよく耳にしたこともしました
日本人の強い精神を培ってきた大自然の麹菌が また日本中に復活していくのことは これからの日本がよくなることにも繋がってくれるんじゃないかなと思います
●参考著書
『麹カビと麹の話を』農学博士小泉武夫著書
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最後に
お醤油やお味噌は まだ木桶で仕込んでいるところがありますが それよりも歴史が古いお酢に関しては もう皆無に近い状況です あと何ヵ所かしかありません
日本では昔からお酢も木桶で作っていました けれど ステンレスや甕やホーロー・FRP【繊維強化プラスティック】へと使用するタンクがかわっていきました
容器の種類によって いろんなデメリットも変わってきますが どんな容器であれ木桶のようには微生物は住み着かないそうです
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いずれおすすめの蔵をまとめてご紹介していこうと思いますが 是非1度調べてみませんか
本間真二郎先生はご自身で自然の麹菌を米麹にしてお味噌を作っていてすごいお医者様だなぁと思いました
本間先生も本を何冊か出されているようですのでご興味あれば是非読んでみてください🌱
今回も最後までお付き合い下さりありがとうございます🌱