パイナップル。えっ?本物?【昭和のあの頃】
こんにちはヒコーキ雲です。
いつも見て頂いてありがとうございます。
今日はパイナップルの話をしたいと思います。
私がまだ幼かった昭和のあの頃、生のパイナップルを初めて見た私たち兄弟は「本物だ、本物だ、」と、生のパイナップルを前に大騒ぎでした。
あれから何十年、、、
今では、ドラゴンフルーツにドリアン、マンゴー、と昭和のあの頃は存在さえ知らなかったフルーツを沢山見かけるようになりました。
もちろん、食べたことのないフルーツもあります。
ですが、見かけなくなったフルーツもあって、秋になると祖父が山仕事の帰りに持って帰って来てくれていたアケビです。
祖父が山仕事に行った時、見かけたら採ってきてくれました。
甘くて美味しいのですが、種が沢山あってスイカのように種を出しながら食べていました。
優しい甘さでとてもなつかしいです。
今日の思い出話は「パイナップル。えっ?本物?」です。
へんてこりんなお土産
ある日、父が変てこりんな物を持って帰って来ました。
細長いツンツンとした葉っぱの下は大きな松ぼっくりのようになっていて、
私たち兄弟は初めて見る物でした。
父は時々、珍しい物を買って帰って来て私たちを驚かせていました。
リンゴの皮むき機とか、中でも一番驚いたのはラジカセでした。
その日も、晩御飯を食べ終わった私たちは、いつものようにテレビを見ていました。
すると、突然子供のしゃべったり、笑ったりするこえが聞こえるのです。
えっ?
なに?
声のする方に向いて黙って聞いていると、
さっきの自分たちだ。
と分かったのですが、自分の声が自分の声に聞こえなくて、戸惑ったりびっくりしたりでした。
こんな感じで父にはよく驚かされました。
それが楽しみでもありました。
この時も、
今度はなに?なに?
そう言いながら私たちは父の傍に走って行きました。
見たことのないこの変てこりんな物はいったい何?
恐る恐る、そして、まじまじと
これ何?
触っても大丈夫?
などと父に聞くと、
父はにっこりわらって、「パイナップル。」そう言いながら私たちにパイナップルを差し出してくれました。
パイナップル?
えーっ本物?
これ本物のパイナップル?
どうやって食べるの?
缶詰のパイナップルと本物のパイナップル
缶詰のパイナップルしか食べたことのない私たち三兄弟は、本物だ!!
と
始めて見る、本物のパイナップルを前に大騒ぎです。
缶詰のパイナップルも本物なんですけどね。
いよいよです。
母が木のまな板の上にパイナップルを乗ました。
ザクッ。
と切ると瞬く間に、辺り一面パイナップルの甘酸っぱい香りでいっぱいになりました。
私たちは待ちきれず、3人がそれぞれにお皿を持って、並んで待っていました。
なんと言っても本物です。
「本物」
この言葉に、期待は大きくなります。
母がパイナップルを一つづつお皿に乗せてくれました。
ワクワク、本物のパイナップルです。
お皿の上に乗せられたパイナップルは、缶詰で見る丸いドーナツ型とは違って、小さな四角っぽい形だったと思います。
本物のパイナップルに期待いっぱいで、
ぱくり。
でも、次の瞬間三人とも食べるのを止めました。
そのパイナップルは、あまりにも酸っぱくて、缶詰のパイナップルしか食べたことのない私たちには、
美味しい。
とは、ほど遠いものでした。
「本物」
この言葉が私たち兄弟に必要以上の期待を持たせたのかもしれません。
三人ともすごい顔をしていたのでしょうね。
周りの大人たちがみんな笑っていました。
私たちはパイナップルを食べるのを止めて、三人で庭に出て遊んでいました。
母が、もう食べないの?と念を押して聞いてきましたが、3人ともパイナップルへの未練は少しもありませんでした。
遊んでいると父が、パイナップルを切って残ったツンツンした葉っぱを持って来て、
これを土に植えてたら、またパイナップルができる。
と言うので、3人で植えることにしました。
少し残ったパイナップルの部分を土の中にうめて、ツンツンした部分は土の上に出して水をやりました。
最初はこまめに水やりをしていたと思うのですが、、、
パイナップルは育ちませんでした。
「大きく育ったら、またパイナップルがたべれるー。」
そんな前向きな期待もなく。
愛情不足だったのでしょうか?
その後、パイナップルの話は無かったと思います。
今ではスーパーなどでもパイナップルをよく見かけます。
時々思い出して買って食べますが、あの時ほど酸っぱいと思わないのは、子供だったからでしょうか?
それとも、
「本物」
への期待が大きすぎたのでしょうか?
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