オオタチハル

臨床心理学とかやってる大阪人。研究者(仮)、臨床心理士、公認心理師。日頃感じた些細な疑…

オオタチハル

臨床心理学とかやってる大阪人。研究者(仮)、臨床心理士、公認心理師。日頃感じた些細な疑問とか、日記とか、思いついたギャグを残したいために始めました。基本は独り言です。あと好きな食べ物はドリアです。 ※内容は個人としての発信です。個人の所属する集団との関係は一切ございません。

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最近の記事

PTSD評価尺度(面接&自己記入型)

PTSD尺度の日本語解説があまり見当たらなかったので自分用を兼ねて記載。 順番は適当。 SI-PTSD.SI-PTSD..17項目からなる構造化インタビューによるアセスメント 項目の回答は、クライエントの症状がPTSDのDSM基準B、C、Dを満たしているかどうかを判断するために使用することができる。項目は0~4の尺度で採点される。症状が2(中等度)以上であれば陽性とみなされる。面接は、最初のスクリーン質問が陽性であれば、20~30分で実施できる。 精神保健の専門家が実施す

    • 爪噛み癖の当事者研究(2)

      https://note.com/3150_sinriya/n/n1bc3dc9fb8bc 連載と言っておきながら間が空いてしまった。 今回は前回の続き、爪噛みが生じる背景とそれに基づく解消法について解説していきたい。 「そんなことはどうでもいい!早く治療法や解消法を教えろ!」という方もいるかもしれないが、前提としての機序を押さえておかないとその後の対処法などについて話しても象牙の塔にしかならない可能性がある。 爪噛みは複合要因の組み合わせ上記の図は先行研究を概観したス

      • 爪噛み癖の当事者研究(1)

        オニコファギア、という病名を聞いたことがある人はいるだろうか。 別名「ネイルバイティング」、いわゆる爪噛み癖のことを指す。 これを読んでくれている読者の方々の周りにも、1人は爪噛み癖を持つ人がいるのではないだろうか。 オニコファギアという名前自体はほとんど浸透していないと思うのだが、爪噛み癖と聞くと「ああ、そういえばあの人はいつも噛んでいるな」と思い当たる節があると思う。 結論から言うと、私自身がその癖で大変困っている。 「お前対人援助職のくせに自分が困ってるのかよww

        • コロナで心とからだを壊さないために

          皆様こんにちは。 実は心理士をしてます、おたちです。 今回は掲題の通り、コロナウイルスで心とからだを壊さないための情報提供をできればと思っています。 参考になりそうなサイトを共有するだけなのですが、たとえば職場のメンタルヘルスに関わるマネージャーの方々だったり、自分自身を守るためにも使える情報が多くあるかなと思いますので是非ご参照ください。 こちらは「サイコロジカルファーストエイド」という冊子の日本語版です。 いわゆる直訳すると「こころの応急措置」というものになっていま

        PTSD評価尺度(面接&自己記入型)

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        • 臨床心理学的ノート
          10本
        • 日記
          0本
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          29本
        • こころ関係マガジン
          3本

        記事

          ファインディングドリーを見て障害のない社会を考えた話~ニューロダイバーシティ~

          先日、スペインに旅行に行ってきた。 (先日といってもコロナ騒ぎになるもっと前です、一応) 海外旅行というのは初めてだったんですが、あれなんですね。 基本的に国際便の飛行機は座席にモニターついてるんですね。 知らなかった。かっけー。 そのモニターでは飛行機の情報やゲーム、そして映画も見ることができた。 (そんなの常識だろう!という人はごめんなさい) 実は、映画は僕にとって長くて集中力がもたないのであまり見ないのだが… そこは飛行機。 映画を見る以外にほとんどやることがないの

          ファインディングドリーを見て障害のない社会を考えた話~ニューロダイバーシティ~

          障害のない社会を作るための行為が障害を生んでいるのではないか

          こんにちは。 いつのまにか改名しているやんけという人がいるかもしれませんが気にしないでください。癖です。 ふざけた記事はため口、こういう記事は敬語で行こうと思うので自分でも違和感がありますが、お読みいただけると幸いです。 さて、少々過激なタイトルになってしまいましたが、これから書くことは私見であり、試論です。そのため無責任ではありますが、私自身これから学習と経験を深める上で掌を返したようにこの記事を否定する可能性があるということをご了承下さいませ。 文章を書き、公開する

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          障害のない社会を作るための行為が障害を生んでいるのでは…

          僕たちはすでに感染している!

          ライトノベルのようなタイトルになってしまった。 しかし至ってまじめなお話。 最近コロナウイルスが世間を騒がせている。 かくいう私も直近まで横浜に住んでいたので、クルーズ船のこともあり、嫌いなマスクをつけながら通勤していた。 ただ、それに関連して、マスクと同じ原材料を持つとうわさされたトイレットペーパーが売切れたり、逆にコロナビールが売れなくなったりしているという。 前者についてはすぐにデマだとわかったものの、依然品薄状態は続いているようだ。ただ、後者についてはデマ云々の

          僕たちはすでに感染している!

          エコマップにも「ただいるだけ」の心の専門家

          今日、仕事の中でとある利用者さんのエコマップ(※1)を作っていた。 ※1…支援を受けている人を、どんな人や機関が関わっているかを可視化するマップのことだよ! 詳しくはググってくださいね! 「お医者さんはこういうかかわりしてるよね」 「相談支援の人は結構綿密にモニタリングしてくれていて、訪問看護の導入も検討してくれてますね」 そんなこんなで、我々はその人を取り巻く関係性をマップ化して可視化していく。 その時、支援者の中には困惑する空気が流れる時がある。 今日もそうでした。

          エコマップにも「ただいるだけ」の心の専門家

          6月30日:「君の名は。」の世界線についての考察

          今日同居人と君の名はの世界線について話をしていたのだが、どうやら悲しい世界線もあるのではないかという話。 ネタバレめちゃめちゃしているので、観た人だけご覧ください。 君の名は。では三葉と瀧くんが時空(3年差)を超えて入れ替わるのだが、 彗星が街にそのまま直撃したルートでは、三葉はそのまま亡き者になってしまっている。 その後、三葉と瀧くんの予定調和があって、糸守町(三葉のところ)の人々は守られ、三葉も生きてその後、瀧くんと未来で再会することができています。 ただ、単純な

          6月30日:「君の名は。」の世界線についての考察

          6月29日:コンテンツに飢える

          今日はなぜか渋谷で3時間も空き時間ができてしまったので、ひたすらコンテンツに飢えてしまった。 大阪から去年出てきたので、1年住んだといえどまだ渋谷には慣れない。 しかし、なまじ大阪という都会から出てきてしまったこともあり、渋谷という街にほとんど新鮮さも感じないのだ。 はじめの1時間は図書館で1、2冊本でも読もうと思い過ごすのだが、いかんせん睡眠欲が強くなってしまい、ひたすらあくびをしていた。 困ったことに、私はあくびを一度すると止まらなくなってしまい、さらにあくびをする

          6月29日:コンテンツに飢える

          ニーズとデマンドとかいう言葉がすげー嫌いになった

          ベンチャー企業で支援をしてると「ニーズとデマンド」という言葉をよく聞く。 要は氷山の上が「デマンド」で下が「ニーズ」なんだから、顧客のニーズを満たしに行こうねというカタカナ語だ。 スターバックスの方の神対応がよく例に出される。それは以下のようなものだ。 ある日、「Mサイズの半分にコーヒーを入れてくれ」というお客様がいらっしゃったという。 そこで、理由を尋ねたところ「溢れてしまうから」とその客は話したので、それであればということでLサイズのカップにMサイズの全量を入れ

          ニーズとデマンドとかいう言葉がすげー嫌いになった

          意識高い系に暴露した

          僕は社会人になる前は意識高い(系)人たちが使う言葉に非常に嫌悪感を抱いていた。 自分自身根暗でインドア人間であり、意識高い系の言葉を使う人は総じて体育会系だった。 マイルストーン、マインドセット、デマンドなどなど…… これらの言葉は何か言えているようで結論何も言えていないのではないか。 またこれらの言葉が自分が元いたコミュニティ(インドア派)でバカにされていたことも嫌悪感を抱く要因の1つであったと思う。 意識高い系カッコワラと馬鹿にされている姿を見ると「決してそうなってはな

          意識高い系に暴露した

          ケアをする前にまず自分のケアをせねばならないことの必然性について

          支援をしてると、ほとほと最適解なんて無いと思いつつ、支援者としてのあり方には一定の条件があるのではないかという考えに至る。 それこそ、タイトルに書いたように「ケアをするにはまずは自分のケアをする必要がある」ということだ。 勝手な経験談なので一般的に言えることでもないかもしれないが、ケアをする人のほとんどは何らかの生きづらさ、困り感を抱えていることがほとんどなのではないかと思う。 私が大学院時代の時も、内心同僚に対して(どっちがケアラーなのかわかったもんじゃないな)と思う

          ケアをする前にまず自分のケアをせねばならないことの必然性について

          発達障害スペクトラムについて~吹奏楽部の子供たち~

          今回は結構真面目で、かつ過激な文章になってしまうかもしれないが、ご容赦いただきたい。ただ、僕は常々この問題を身近に感じていた。そして自分自身も同様の問題を抱えているのではないかと思っている。 ただ、特に吹奏楽部の顧問もしくはトレーニングに関わる人には知っておいてもらったほうがいいと思うし、逆にそういう目線でアセスメントすることでつらい思いをする生徒も減るんじゃないかと思う(もちろん吹奏楽に限らずすべての部活に言えることかもしれないが)。 くどいようだが、あくまで僕個人が今

          発達障害スペクトラムについて~吹奏楽部の子供たち~

          野球×吹奏楽の恋のストーリーへの歪んだ憧れについて

          何分、野球部と吹奏楽部の高校生同士で恋愛モノを書かれることが多くなってきた気がする。 勝手な主観かもしれないが、あれはやばい。 何がやばいって男なのに女の子側に自己投影してしまいキュンとしてしまうのだ。 野球×吹奏楽の非現実性僕は中高大と吹奏楽部でやってきているのだが、そんな甘酸っぱいストーリーはほとんど聞いたことがない。大体は吹奏楽部内で自己完結するか、全く別のよくわからないところから男女が引っ張られてくるかの二択だ。 (もちろん広い日本の中では、野球×吹奏楽はありふれ

          野球×吹奏楽の恋のストーリーへの歪んだ憧れについて

          満員電車の中における健康的な自閉について

          満員電車の話題は2回目だが、あまりにも辛いので書く。 現在通勤に2時間かかりその内1時間満員電車に乗っているのだが、正直言って正気の沙汰ではない。 特に今の季節、夏に、何が嬉しくて汗まみれの肌同士で密着しなければならないのだと思う。 もちろんそう思っているのは僕だけでなく、みんな思っているとは思うのだ。 だからこそ、観察してみると各々十人十色な“自閉”の仕方をしている。 自閉と書くと物議を醸しそうだが、そもそも僕は自閉すること自体不健康なものとも全く思っていない。

          満員電車の中における健康的な自閉について