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臨床心理学的ノート

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記事一覧

PTSD評価尺度(面接&自己記入型)

PTSD尺度の日本語解説があまり見当たらなかったので自分用を兼ねて記載。
順番は適当。

SI-PTSD.SI-PTSD..17項目からなる構造化インタビューによるアセスメント

項目の回答は、クライエントの症状がPTSDのDSM基準B、C、Dを満たしているかどうかを判断するために使用することができる。項目は0~4の尺度で採点される。症状が2(中等度)以上であれば陽性とみなされる。面接は、最初のス

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爪噛み癖の当事者研究(1)

爪噛み癖の当事者研究(1)

オニコファギア、という病名を聞いたことがある人はいるだろうか。
別名「ネイルバイティング」、いわゆる爪噛み癖のことを指す。

これを読んでくれている読者の方々の周りにも、1人は爪噛み癖を持つ人がいるのではないだろうか。

オニコファギアという名前自体はほとんど浸透していないと思うのだが、爪噛み癖と聞くと「ああ、そういえばあの人はいつも噛んでいるな」と思い当たる節があると思う。

結論から言うと、私

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コロナで心とからだを壊さないために

コロナで心とからだを壊さないために

皆様こんにちは。
実は心理士をしてます、おたちです。

今回は掲題の通り、コロナウイルスで心とからだを壊さないための情報提供をできればと思っています。

参考になりそうなサイトを共有するだけなのですが、たとえば職場のメンタルヘルスに関わるマネージャーの方々だったり、自分自身を守るためにも使える情報が多くあるかなと思いますので是非ご参照ください。

こちらは「サイコロジカルファーストエイド」という冊

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ファインディングドリーを見て障害のない社会を考えた話~ニューロダイバーシティ~

ファインディングドリーを見て障害のない社会を考えた話~ニューロダイバーシティ~

先日、スペインに旅行に行ってきた。
(先日といってもコロナ騒ぎになるもっと前です、一応)

海外旅行というのは初めてだったんですが、あれなんですね。
基本的に国際便の飛行機は座席にモニターついてるんですね。
知らなかった。かっけー。

そのモニターでは飛行機の情報やゲーム、そして映画も見ることができた。
(そんなの常識だろう!という人はごめんなさい)
実は、映画は僕にとって長くて集中力がもたないの

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障害のない社会を作るための行為が障害を生んでいるのではないか

障害のない社会を作るための行為が障害を生んでいるのではないか

こんにちは。
いつのまにか改名しているやんけという人がいるかもしれませんが気にしないでください。癖です。

ふざけた記事はため口、こういう記事は敬語で行こうと思うので自分でも違和感がありますが、お読みいただけると幸いです。

さて、少々過激なタイトルになってしまいましたが、これから書くことは私見であり、試論です。そのため無責任ではありますが、私自身これから学習と経験を深める上で掌を返したようにこの

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僕たちはすでに感染している!

僕たちはすでに感染している!

ライトノベルのようなタイトルになってしまった。
しかし至ってまじめなお話。

最近コロナウイルスが世間を騒がせている。
かくいう私も直近まで横浜に住んでいたので、クルーズ船のこともあり、嫌いなマスクをつけながら通勤していた。

ただ、それに関連して、マスクと同じ原材料を持つとうわさされたトイレットペーパーが売切れたり、逆にコロナビールが売れなくなったりしているという。

前者についてはすぐにデマだ

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エコマップにも「ただいるだけ」の心の専門家

今日、仕事の中でとある利用者さんのエコマップ(※1)を作っていた。

※1…支援を受けている人を、どんな人や機関が関わっているかを可視化するマップのことだよ!
詳しくはググってくださいね!

「お医者さんはこういうかかわりしてるよね」
「相談支援の人は結構綿密にモニタリングしてくれていて、訪問看護の導入も検討してくれてますね」

そんなこんなで、我々はその人を取り巻く関係性をマップ化して可視化して

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ニーズとデマンドとかいう言葉がすげー嫌いになった

ニーズとデマンドとかいう言葉がすげー嫌いになった

ベンチャー企業で支援をしてると「ニーズとデマンド」という言葉をよく聞く。

要は氷山の上が「デマンド」で下が「ニーズ」なんだから、顧客のニーズを満たしに行こうねというカタカナ語だ。

スターバックスの方の神対応がよく例に出される。それは以下のようなものだ。

ある日、「Mサイズの半分にコーヒーを入れてくれ」というお客様がいらっしゃったという。
そこで、理由を尋ねたところ「溢れてしまうから」とそ

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ケアをする前にまず自分のケアをせねばならないことの必然性について

支援をしてると、ほとほと最適解なんて無いと思いつつ、支援者としてのあり方には一定の条件があるのではないかという考えに至る。

それこそ、タイトルに書いたように「ケアをするにはまずは自分のケアをする必要がある」ということだ。

勝手な経験談なので一般的に言えることでもないかもしれないが、ケアをする人のほとんどは何らかの生きづらさ、困り感を抱えていることがほとんどなのではないかと思う。

私が大学院時

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発達障害スペクトラムについて~吹奏楽部の子供たち~

今回は結構真面目で、かつ過激な文章になってしまうかもしれないが、ご容赦いただきたい。ただ、僕は常々この問題を身近に感じていた。そして自分自身も同様の問題を抱えているのではないかと思っている。

ただ、特に吹奏楽部の顧問もしくはトレーニングに関わる人には知っておいてもらったほうがいいと思うし、逆にそういう目線でアセスメントすることでつらい思いをする生徒も減るんじゃないかと思う(もちろん吹奏楽に限らず

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