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お菓子の箱の中

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しまっておく。 ほかのひとの。
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#コラム

好きなものは誰かに伝えたくなる

好きなものは誰かに伝えたくなる

昼間の電車が好きだ。

まばらな乗客に、あたたかな日差しが差し込む車内。ほんのりとあたたまったイスに、心なしか間延びした車掌のアナウンス。こんな平和な空間にいると、ここだけ別の時間軸で進んでいるのではと、疑いたくなる。

車内は、やさしい時間がゆったりと流れ、じんわりとこもる、あたたかさが乗客の眠気をエスコートしていた。

ぼくがうつらうつらしていると、電車は駅に止まり、小さな男の子が母親と手をつ

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魔法がとけた夜のこと

魔法がとけた夜のこと

 

 22歳になるまで、わたしは自分のことを特別な子だって思いこんでいた。
 でも、絵が上手かったり、足が速かったり、これと言って才能があったわけじゃなくて、結局のところ自分が平凡な人間だと気づいたのは、思う存分若くてきれいな時間を使った後だった。
 だれのせいでそう思い込んだかと聞かれたら、間違いなく、8年前に死んじゃったママのせいだった。

 子供の頃はそれでも絵を描くことが好きで、アニメの

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うちの子は本が読めない

うちの子は本が読めない

私は小さい頃から読書が大好きで、いつも本を手にしていた。親友も本で、恋人も本、困ったときの相談相手も本。とにかく生活のすべてが本だった。そのおかげか、国語の成績はずば抜けてよかったし、いまは文章を書くことを生業にできている。

だから、「子どもに本を読ませよう」とか「読書が豊かな心を育てる」といった、ここ最近の教育スローガン的なものにも納得していたし、「その通り! 読書こそ正義!」みたいな読書原理

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