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チームビルディング

「チームワークを発揮して、最大のパフォーマンスを上げたい」
職場、家庭及び様々なコミュニティにおいて
このように思うことはありませんか?

以前のようにピラミッド型社会で、
頂点に向かって努力すれば成果が見えた時代に対し、

現代では、横の繋がりを重視し、
協力体制を増やすことが成果を生むカギとなっています。

コーチングでご一緒している中で
様々な「チームワークについての課題」をお聴きします。

例えば、人員配置の問題。
チームの中で、誰がどこの役を担うのか、
そのメンバリングによって大きくその後の状況が変わります。

お互いの相性。人それぞれの事情、背景。
選出する側の価値観も反映されます。

イチ個人が判断する適正と、別なメンバーが判断する適正が
異なる場合もあります。
また、チーム全体から見た場合の適正を
考えていくと、時にメンバーの選定が難しくなります。

このように、その後の影響を考慮すると
様々な懸念がおこり、選択が困難になる事例は幾つも観てきました。
今回はそんなクライアントさんの
お悩みについて、コーチとしてお応えした内容を公開致します。

クライアントさんのお悩み

ある女性クライアントさんのお悩みは、
以下のような内容でした。

「働くママたちの会に所属しています。
私は最近、その会のリーダーに選ばれました。
その後、会のある重要な役割を決めることになりました。

その役員は5人選ばなくてはいけないのですが、4人までメンバーが決まり、
実は今、最後の1人を決めかねています。

この会は、活動内容が数値化されていて、
活動熱心な方は、会の規定を守り、
高得点をマークしています。
現在決定している人選は高得点の方ばかりです。

ただ今回、最後の1人について私は、点数があまり高くないママを推しています。

私がこのママ(以下Aさん)を推薦する理由は、
色々な方からお話を聞いていると
自分の思い、考えをしっかり持っていて
実際に問題提起をされているからです。

もし役員になれば、全体を見て、
的確な役割をこなしてくれると考えました。

ただ一方で、懸念点は会の規定の点数が低くていらっしゃることです。…が、
この役割に選出されることで自覚を持ち、
主体的な行動変容を促せると考えています。

そこでです。
他の幹部メンバーにAさんを指名したいと話しました。すると、多くの反対意見がでました。

わたしは、どうにかAさんに
頑張ってもらいたいんです。

皆を説得するには、
どうしたらいいんでしょう。
何かアドバイス頂けないでしょうか?」
という内容でした。

まさに、
「個人の尺度から見た適正」と、
「チーム全体から見た場合の適正」を
考えていった時、メンバーの選定が難しくなったパターンではないでしょうか。

そこで、わたしは次のようにお伝えしました。


ゴールとプロセス

まず、現在地を明らかにし、ゴールに近づけるために、言語化し整理する時間を設けます。

ゴールは「役員の選出」。
プロセスで必要なのは「意見の一致」です。
意見の一致のためには、
双方の意見を明らかにする必要があります。

お客様の意見は先に言語化して頂いたため、次に反対意見を明らかにします。

反対意見は、次のような内容でした。

「Aさん個人がいいとか悪いではないです。
今回の役職は、他のメンバーの点数をチェックする役割。

実際、点数が低いメンバーや、
規定違反をしそうなメンバーがいたら声をかける役割だから…。

その時に、Aさんの活動の伸び代を期待して…はもちろん素晴らしいけれど、
他のメンバーがそれをどう感じ、反応するか?を考えると、反対します」

という内容でした。
反対の理由の軸として、その人とその役割の不適合が主張されています。

ここで、双方がそれぞれに意思のある内容を持っていることが明らかになりました。

ビジョン化と選択肢の抽出


双方の内容が明らかになったところで、
今後起きることをビジョン化していきます。

また、現状の他の選択肢について考える為に、わたしからこう問いかけました。

「2点質問があります。
①Aさんが役員をやる場合と、やらない場合について、大きく変わるところはどのようなところでしょうか?

②Aさん以外の候補者はどなたかいらっしゃいますか?」

「こうなったら、こうなる」がイメージとして明らかになっていくと、物事は前に進みやすくなります。加えて、選択肢を増やし、可能性を探ることは問題解決の第一歩です。

お客様からは、このような回答でした。
「①今の会の状況からすると、Aさんが役員に入る入らないであまり大きな影響はないかと思います。

それよりも点数の低いAさんが声をかけることで、一般のメンバーから、
『点数の低いあなたに言われても』とならないか?が気にかかります。

そこで、他の4人のメンバーの点数は安定しているので、点数が低いメンバーに声をかける場合、Aさんが直接動かず、チームとして対応していければ、Aさんの負担は薄まるかと考えています。

私の狙いとしては、Aさんを役員にする事で、会の活動にもっと熱心になってもらいたいんです。この役員チームで、Aさんの熱意と活動範囲を引っ張りあげる事ができると思ってます。

②別な候補者としては、Bさんを考えています」

選出した場合と、しない場合をビジョン化する作業をしているうちに、
お客様の意図がはっきりと現れました。

お客様の役員選出の意図は、『Aさんの会における活躍エリアを増やす』ことにありました。

一方で、対立する他のメンバーの意図は、
『メンバー全体の調和を持つ』ということのようです。

更に続けます。「では、Bさんが役員をやる場合と、やらない場合について、大きく変わるところはどのようなところでしょうか?」


「Bさんも点数はあまり高くないので、
同じ心配はあります。
なので、Aさんと同じように全面には出ず、
他の役員に表立ってもらえば大丈夫かと思います。

私は今回リーダーにはなりましたが、
5人の役割内容をまだ体験していないので、想像しきれていない部分があります。」

そう言いながらも、お客様から引き続き
強くAさんを推す気持ちが見て取れます。
とはいえ、周りの反対意見を覆すような材料は、今のところ見られません。
これでは、意見の合意による役員選出とはなりません。

そこで私は、「5人の役割内容をまだ体験していないので、想像しきれていない部分がある」というお客様の言葉に着目し、

「なるほど。では、役員をすでに体験した方の意見を拾っていきましょう」
と伝え、選択の為の情報を増やす提案をしました。

情報を集めて決断に向かう

役員をすでに体験された方の声を拾っていくと、様々な意見が集まってきました。

  • 確かにAさんの点数を上げる行く効果は期待できるかも

  • けれど、他のメンバーに負担がかかるかも

  • Aさんは約束事における行動はクリアするが、他メンバーと連携して役割を遂行する事は苦手

  • 周りの意見も加味した意見出しというよりは、独立したピンポイント的意見を丸投げするところがある

  • コミュニケーション能力において、周囲の助けを必要とする要素が見られる

  • 結果的に他役員は、役員内部と、役員外部の両方をお世話しなくてはいけなくなるのでは

  • Bさんの場合、点数は低いが、協調性が高い

  • Bさんはすでに主体的であるため、他メンバーがお世話役をする必要がない

  • Aさんはよく言えば、自分のモノサシをしっかり持っている

  • しかし、意見の違うところを受け入れる許容度は高くないので衝突の原因になるかも


こうして、様々な意見を収集する中で、幹部メンバーから、次のような意見が出てきました。


お客様の決断とコーチの問いかけ

ある幹部メンバーから、このような意見がでました。
「Aさんを役員にした場合、そこまで異なる意見を許容できない面があるとなると、会の進行が大変になります。

そうならない為に、全役員メンバーが同じ覚悟を持って臨む必要があると思います。

私は覚悟しましたが、他の役員の方々にも改めてしっかりとお話をして、
Aさんとコミュニケーションを取る時間をしっかりとっていく点について、覚悟をもっていただく必要があると思います。」

この意見を受けて、お客様は決断します。

「さとコーチ、役員はAさんに決めました。
他の役員の皆が心配しているAさんの要素を私がフォローできるように、
しっかり覚悟を持って取り組んでいきます」

と話し、更に続けます。

「Aさんを選出したあとに、他役員メンバーへしっかり話をします。」

そこで、わたしのアンテナが引っかかります。

「◯◯さん、一点確認宜しいでしょうか?
幹部メンバーの方のご意見の中に、他の役員の方々にも改めてしっかりとお話をして、というお言葉がありましたね。

選出したあとではなく、事前に他役員メンバーの方々へ、5人目の役員は
サポートが必要とという事を伝える必要を感じたのですが、いかがでしょうか?」
と、問いかけました。

するとお客様は、
「Aさんの役員確定後に伝えようと考えてました。
他役員メンバーの確認は確かに必要なんですが、役員選出の意思になってしまうかと思いまして」と話します。

「役員選出の意思とはどういうものでしょうか?」と尋ねると、
「点数が低くければ不適格、そんな人とは一緒に出来ない、などの意見が出るのでは…と思いました」

この時点で、結局は元々の懸念をそのままに残し、
独断で話しを進めてしまう流れを作っていることが明らかになりました。

そこで、わたしは以下のようにお伝えしました。

チームビルディング

「◯◯さんは、他の役員から、Aさんについて、点数が低く不適格、そんな人とは一緒に出来ない、などの意見が出るのでは…と思っていると仰いましたね。
そういった懸念点の意思確認を行う必要はあるのではないでしょうか。

懸念が噴出した時点で、◯◯さんからの説得が入り、
メンバーの理解があった上で、
その後始まる活動に向けた、実際のチームビルディングが出来るのではないでしょうか?

お話しからすると、会の役職の方々は相当の労力をかけて担っているようですね。

だからこそ、最初の理解と覚悟を共有した上で進めると、よりスムーズに進行するのではないかと考えます」

ここでは、傾聴を重ねた上で、
チームビルディングの重要性について
提案しました。

チームが一つになる時は、成果が出たときはもちろん、失敗に終わった時もまた、一つになります。結果の良し悪しではなく、同じ思いを分かち合う時に一つになるのです。

チームビルディングをしていくコツは、プロセスからゴールまで、チームとしての共有事項を増やすことです。いかにチームの1人1人が各々の役割を実感した上で、協力体制を組めるかにカギがあります。

つまり今回の場合、チームとしての能力を拡大していく為には、プロセスの共有が不可欠となります。

お客様は「大変理解できます。役員の確定に焦っていました。
引き受けて頂く方の負担を置いてけぼりにしていました」とお話し下さり、
最終決定を、以下のようにしました。

お客様の2度目の決断

翌日、お客様より連絡がありました。
「昨日あれから考えまして、今回はAさんではなく、Bさんにお願いようと思います。
Aさんに対しての考え方にウソ偽りはなく、本気で会の活動意欲を引き上げたいと思っています。
ですが、今の私にメンバーを引っ張り上げる、という事は難しいと考えました。むしろメンバーにとってマイナスになると判断しました。

今は、しっかりと私を支えてくれて、
かつ協調的に建設的に議論のできるBさんが適任と判断しました」
とお話しくださいました。

お客様の現在

お客様は決断後、晴れ晴れとした様子で
「導いて頂き、ありがとうございます😊
おかげで自分の意思で決めることができました」と言っています。

そうです。この、自分の意思で決める、これが大切です。
前回のブログ『親として
子どもに何ができるのか』でもお伝えしたとおり、
決断における正解はありません。


正解はありませんが、「自分の意思で決めた」事を遂行するということ自体が人を強くします。

人には自分の決めたことをを否定したくないという気持ちがあるそうです。そのため、自分で決断したことをやるということは、それだけで肯定的要素が増えるのです。結果的に確信と自信を高め、成功につながりやすくなります。

お客様は今では、決定したメンバーで意欲的に会の活動に集中されています。

今まで延べ人数1000人のコーチングをご一緒して来ましたが、
こうしてコーチングで自分の意思を明らかにし、
決断できた方は必ずパワフルに活躍されています。

お客様のこれからが、お楽しみです…!

まとめ

今回は、チームワークについての課題、
人員配置の問題ついてお伝えしてきました。

人員配置には細部に渡り色々な要素があるため、ひと口にはまとめられませんが、

重要なのは、決裁権のある者がどこで腹落ちした判断を下したか、それをしっかりと自覚していることです。
加えて、その自覚を元に各人員へ対応することです。時には、選出の理由を伝えて、共有できる意図を増やすのも効果的でしょう。

「人員配置を迷っている」という方は、ひとまずゼロ時間コーチングを体験してみることをお勧めします。

なぜなら、私自身がいちユーザーとして
個別コーチングを受け、選択までの無駄な時間を減らしたからです。

自分の内側で考えていることが隅々まで言葉にでき、他人が述べるノウハウではなく、自分の価値観に合わせた取り組み方、
自分の使命に合わせた取り組み事を決断できます。

「ノウハウ系は情報収集してきた」「他人から学ぶのはいろいろやってきた」が、「イマイチ効果を実感できない」という方には、自分を掘り下げる機会となるコーチングはお勧めです。

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