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ルックバックでキックバック

”何かに夢中になるとき”って今まで君にはあったかい?

僕にはあった。
そして”何かに夢中になったとき”は、まわりが見えなくて
いつもその”夢中になっているもの”ばかりを考えている。

夢中になればなるほど、自分だけじゃなく、まわりを密かに巻き込んでいるのも、意外と気づかないものだ。これはスポーツや恋愛にもある。

”夢中になっている”のに上手くいかず
”夢中になったぶん”見返りを気にする。

大抵まわりの人はそんなタイミングで余計なことを喋ってくるもんだ。いらつくが、先ず気にしない。それが”1(イチ)の壁”。

”夢中になればなるほど孤立する”
それが”2(二)の壁”。
まわりが気にかけてくるが、こちらは”夢中になりたいから”邪魔くさいと思う。
そしてますます孤立していく。
唯一の評価してくれる人(賞、コンクール、大会など)にも弾かれるとますます孤独になる。
これもいらつくが、先ず気にしない。
この”2(二)の壁”では、気にしないと思っても辛いが、それでも先ず気にしないで前に進む。
そして心が折れないように再確認のため、
「あなたの目指す場所はどこですか?あそこですよ。」と具体的じゃなくていい。気持ちだけでも”あそこ”と指を指しておく。
この”2(二)の壁”は「橋を渡っている最中」とのイメージを持つ。
事故さえおきなければ怖い橋の上でもきっと大丈夫。渡れるから。

そしてそして、ようやく訪れた”3(サン)の壁”。
ここではある程度評価される自分がいる。
しかし、そこでたちどまってはいけない。評価はイチから二へ。そして三となる。三となるまで笑うな!
イチで満足するな。満足は足を止める。
今までやってきたように”夢中になる”ことをやめるな。


と、以上が、3つの壁があるとして、ここで映画ルックバックの話==

藤野と京本が別々にひとりで”夢中になり”漫画を描いている時が”1(イチ)の壁”

「描いて」
「描いて描いて」
「描いて描いて描いて」
”描いて”
”描いて描いて”
”描いて描いて描いて”

2人が出会って一生懸命に一緒になって描くのが”2(二)の壁”

ふたりでかきはじめる
ふたりでかきはじめる
息のあったふたり
ふたりの孤独さはどこへ
2人で一つの力
ひたすら漫画に向き合うふたり
描いて描いて描いて

そして売れ始めて軌道にのりガムシャラに描くようになったのが”3(サン)の壁)。というところか。しかし、順調に回りはじめた2人の歯車は次第に回転スピードを落とすように‥

たくさん描いた
たくさんたくさん描いてきた
たくさんたくさんたくさん‥
あなたに追いつきたい
もっと
もっともっと
もっともっともっと上手く
上手くなりたい!
”ふたりで描いたがために‥得た結果と理想”

漫画家や小説家は筆やペンを止めると物語は終わらないように、
スポーツ選手も動くことを止めると身体が動かなくなってしまう。

悪い例えなので魚で例えるなら:海の中のマグロのように止まったら○ぬ。
芸術家やスポーツ選手。いや人間全般に言えることかも知れない。

僕が胸をうつ場面。
オープニングのひたすら机に向かって絵を描き続ける藤野。
窓の景色や藤野の服装だけで、季節が変わる様子がわかる。描いて描いて描いて。いる。

ふたりで描いて
描いて
描いて描いて
描いて描いて描いて
ひたすら描いて
描いて描いて描いて
ふたりで描いて
ふたりで描いて描いて
「誰もいない部屋に作業の余韻が残る空気感がたまらない」

そしてエンディング。
成長した藤野が、同じく朝から晩まで描いて描いて描きまくる。ビルの大きなオフィスの窓からは太陽がのぼり日が沈み向かいのオフィスの明かりまでもが消えていくのがわかる。それでも描くのをやめない。ペンを止めない。


描いて
描いて描いて
描いて描いて描いて


そして朝になる。美しい朝。

かいてかいてかいて
それは小さい頃から変わらず”夢中になったもの。
かいてかいてかいて
今じゃそれが生きるってことかも知れないって気づいた。
描いて描いて描いて
見ているこちらも背中を押される。
そうだよな。
描いて描いて描いて、だよな。
俺もそうだった。
わすれていた。

かいてかいてかいて
うん。
俺もかこう。
かいてかいてかいて
観たら観た分反発力をもらった。ドカンという一発。これは僕にとってキックバック。
藤野の後ろ姿をみて(ルックバック)、
僕はキックバック。
ルックバックでキックバック。
これはプロレス技じゃないし、
これは生身の人間の話じゃない。
藤野たちはアニメの主人公だ。

僕は藤野たちから影響をうけました。
その映画はルックバックです。
そうどこかの面接で堂々と言える。そんな

そんな映画だった。すばらしく。ありがとう。

===僕なりのエンディング‥

「あなたがみとめてくれたから私は今でも描いている」


Thank you for back!

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