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動物と暮らす。 Vol.55

こんにちは。
perromart.jp 獣医師スタッフの原 駿太朗です。

2023年もすでに1/12が過ぎてしまいましたねー。あっという間ですね。
(ここ数年いつも言ってる気がします。笑)

私は年末年始で成長してしまった体をなんとか元に戻すのに苦心しておりました…。

私が取り組んでみて効果が出たなぁ。と実感しているのが「糖質制限」いわゆる「ロカボ」と運動のコンビネーションでした。

ロカボとは?

ロカボについてはこんな分かりやすい図があったので載せておきます。

参照:https://woman.nikkei.com/atcl/aria/feature/19/073000018/082300005/


つまり、カロリーや実際の量ではなく「炭水化物」の摂取量にフォーカスをする食事制限になります。

ロカボは科学的に納得できる方法。

個人的にこの方法は非常に論理的だなぁと納得ができるので、結果が出づらい挑戦でも続けてみようと思うことができました。

学術的には具体的にはこういったメリットが。

①食後の一過性の高血糖が起きづらくなる=糖尿病や動脈硬化の予防
②食後の眠気が起きづらくなる(高血糖後に分泌されるインスリンが原因)
③肝臓での脂肪への変換が起きづらい =肥満のリスクが減る

炭水化物には、「体を動かす燃料」というイメージを持たれている方は多く、それを抜くことはエネルギー不足になるのでは?と言われているのを見かけることがありますが、
適度な炭水化物の制限は燃えづらい脂肪からのエネルギー導入を促進します。

私たちがダイエットの時に減らしたいのはお腹の「脂肪」です。

ですが、この脂肪というのはまぁ使われづらいんです。
例えるなら「少し湿った木炭」といったところでしょうか?
燃え始めてくれれば、長時間安定して燃え続けてくれますが、いかんせん火が着くまでが大変です。
そんな時、横をみたらに簡単に燃える「新聞紙=炭水化物」がたくさん横に積まれてたら…。と思ってください。

まぁこっちから使うか。と体がなってしまうのも分かる気がします。


実は人よりも猫にロカボが大切?

実は最近、このロカボ=低炭水化物が猫にとって非常に重要なキーワードではないか?と言われるようになっています。

猫は私たちに比べ、より完全な肉食の動物であるため、糖質に依存していない体のシステムを持っています。

血糖値を下げるインスリンの分泌も血液中の糖ではなく、タンパク質が分解されてできるアミノ酸が引き金になっています。
(ヒトでは血液中の高血糖状態がインスリン分泌の引き金)

そのため、炭水化物の多い食事を摂った後の猫の体では、ヒトと比べても長時間高血糖の状態が続いてるのではないか。と考えられています。

高血糖状態が長く続くのは、ロカボダイエットのメリットであげたような理由で体にとっては決して好ましい状態ではないと考えられます。

事実、欧米では低炭水化物食を猫の糖尿病治療に使うような流れも起こってきています。
(日本ではいまだに食物繊維をたくさん摂る高繊維食がメイン)


ただ、現状日本を見渡しても「ロカボ」なペットフードってなかなかないのが現状。

おそらく今すぐできる対策としては炭水化物の含有量が比較的少ないウエットフードを食事の中に積極的に入れてドライフードの割合を減らす。などになるのでしょう。

私としては低炭水化物のドライフードがあってもいいよなぁ…。と想像を膨らましつつ。

大切な家族と元気いっぱい楽しめる時間を少しでも長くするため、こういった栄養学などにも少し目を向けてみるといいかもしれないですね。

最後までお読みくださりありがとうございました。それでは、また来週。


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