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ただのドラえもん好き
2024年2月10日 17:43
そこには、綺麗な花が咲く丘も、底のよく見える海も、果てしなく続く星空もない。ピカピカの夜景もなければ、オシャレな建物があるわけでもない。そこには、一つのベンチがあった。君と座るこのベンチでの時間はあっという間だった。昨日あった出来事、頑張った仕事の話、行ってきた場所、何度繰り返したか分からない思い出話。他愛もない会話と、君の笑い声で作られたそのベンチは、そこに
2024年1月16日 18:22
彼女が胃腸炎になった。彼女は胃腸が弱いのか、冬は毎年のように胃腸炎になっている。「何か食べられそうな物ある?」その問いに、弱々しく首を振る。「無理しないで、水分だけは取ってね」そう言って、枕元にポカリスエットを置いた。部屋を出ようとすると、微かに彼女の声が聞こえた。「どうしたの?」「……ハンバーグ食べたい」今の君に1番似つかわしくない食べ物の登場に、思わず笑みがこぼれる。
2024年1月6日 21:35
台風の過ぎ去った沖縄は、まるで君を待っていたかのように爽やかに晴れていた。「ねえねえ、晴れてるよ!」嬉しそうに君が笑う。そして自慢げに、「すごくない?昨日まで飛行機飛ぶかもわかんなかったのに」と、ドヤ顔を見せる。「本当に来てくれたんだね」「どこまでだって行けるよ」「ホント?ベトナムとかでも?笑」「うん」そんな、当たり前みたいな顔して。「簡単に会える距離じゃないでしょ」
2023年12月19日 21:23
晴れた日の午後、河川敷で見上げた空は、一面青かった。「飛べちゃいそうな空だね」本気でもない、でも冗談でもなさそうに君は言った。「青いから?」「うん。ほら、晴れた日の海とか見てても思うじゃん。泳ぎたいって」そりゃあ、海は泳ごうと思えば泳げるけど。そんな事を思っている僕の横で、君はあの歌を歌う。「空を自由に飛びたいな〜」そんな、願ったら本当に飛べちゃうような顔で歌う君の横で。