グルメテーブルかけ
彼女が胃腸炎になった。
彼女は胃腸が弱いのか、冬は毎年のように胃腸炎になっている。
「何か食べられそうな物ある?」
その問いに、弱々しく首を振る。
「無理しないで、水分だけは取ってね」
そう言って、枕元にポカリスエットを置いた。
部屋を出ようとすると、微かに彼女の声が聞こえた。
「どうしたの?」
「……ハンバーグ食べたい」
今の君に1番似つかわしくない食べ物の登場に、思わず笑みがこぼれる。
「治ったら食べに行こうね」
ただのハンバーグじゃないよ。とびきり美味しいハンバーグを。
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