見出し画像

ゆで鶏の肉じゃない方の話。

高タンパク低脂肪。
サラダチキンの流行もあり、鶏胸肉はすっかり人気者だ。

ちょっと前までは鶏肉と言えばもも肉だったのに、最近は胸肉の注目度がグングン伸びている。

なにを隠そう、我が家でもちょっと前までは鶏胸肉を使うことはほとんど無かったのだ。
といっても、我が家の場合は流行りに乗ってでは無く、家族の健康の為に食べる事が増えたのだ。

画像1

家庭での胸肉の食べ方はもも肉ほど幅広くない。
脂やコクは弱いし、火を入れすぎるとパサつくし、結構難しい。
そんな中で最も注目されているのが茹でor蒸しだろう。

我が家でも週に一度は鶏胸肉を買い、2~3枚まとめて茹でて少しずつ使っている。
サラダ、和え物、パンのおかず、麺類の具、よだれ鶏、棒々鶏などなど……!!かなり重宝している。

今日はそんな茹で鶏の肉以外の話。

画像2

・まずは作り方から

色々な作り方を試してみた。
塩の量、茹で時間、温度、調味料、、、
色々と試してみた中でこの作り方が気に入っている。

画像3

①鶏胸肉の皮と脂をなるたけ取り、塩を揉み込む。
塩の量は肉の重量の1%がオススメ。

③1時間くらい常温で置く。
ラップをしないで置くと表面が軽く固まるからか美味しく仕上がる気がする。
時間なかったらちょっとレンチンでもOK

④鶏をいれ少し茹でる。
鶏が浸かるピッタリの湯を沸かし、沸騰したところに入れて蓋して弱火で3分~5分。
酒と香味野菜をいれて作るとめっちゃ美味くなるが、それについては後ほど。

⑤ひっくり返し、火を消して25分。
※鍋のサイズや材質、肉のサイズ、茹で湯の量、気温などのよって変わるので注意。
最初のうちはできたかを切ってしっかり確認して、自分の鍋や量での火入れを把握してくださいね。

⑥取り出して冷ます。
キッチンペーパー等で包むか被せるかして湯気が逃げないようにする。熱いうちに切るとせっかく閉じ込めた肉汁が溢れちゃう。

画像4

こんな感じかな。
まぁもっと色々とやり方ありますが、芯温が63℃で30分加熱されてればOKです。
といってもそんな細かい温度調整するのは大変なので、約70℃~80℃位で10分加熱すればOKです。

鶏の生食は絶対ダメですからね!!

俺はかな~り鶏の生食に敏感なのですが、今の所この茹で鶏では腹を壊してません。

鳥刺しでは何度も高熱を出して寝込んでますが……
鶏の食中毒はマジで辛いんで気をつけましょうね……!!
怪しいのは火を入れましょうね!!!!

画像5

俺はこのくらいの色がギリギリセーフです。


・本題は皮と脂と茹で汁。

さて、前置きが長くなった。
本題は肉じゃない方だ。

鶏の皮、脂、茹で汁。
皆さんアレどうしてます??

健康の為に鶏の胸肉を食べてるのに、皮を食ったら元も子もないじゃないか!!
分かります。その気持ち。

けど、せっかく買ったのに、捨てたらもったいないじゃ無いか!!
と思うのです。
食べきろうぜ!!

・鶏皮をおいしく手軽に

鶏皮といえば、焼き鳥、鶏皮ポン酢などなど酒のアテが多い。
確かにアレは酒に合う。
ビールも日本酒も止らないべさ。

けどせっかくの鶏胸肉、健康食だからヘルシーにいこう。

画像6

・パリパリ鶏皮

まぁ王道ですね。
テフロンのフライパンに鶏皮をいれ弱火でじーっくり火入れ。
時々ひっくり返しつつ、脂をとりつつパリッとさせる。
脂がかなり流れ出るので、カロリーも少なめ。

サラダや冷や奴、麺類などなどのトッピングに最適。
キッチンペーパーとかで脂をしっかり切って密封すれば数日は持つ。
脂については後ほど。


画像7

・炒め物の具

シンプルな野菜炒めに鶏皮をいれると美味さがマシマシになります。
野菜20~30:鶏皮1くらいの比率でしっかり美味くなります。
刻んだ鶏皮を弱火でじっくり脂を出して、その脂で一緒に炒める。

オススメはシンプルな青菜炒め。
よくやるのは、豆苗、小松菜、青梗菜かな。
味付けは塩と胡椒だけ。シンプルに食うのが一番。


画像8

・和え物の具

これもけっこうよくやる。
茹で鶏のついでに皮も茹でて、刻んで和え物にいれる。
酸味のある和え物やお浸しによく合う。

モヤシや青菜のナムルや、青菜のおひたしなんかにも良い。
ベースは鶏皮ポン酢なんだけど、単体じゃなくって野菜料理の旨味として入れるのはあり。
くどくないし、少量で満足感がある。


画像9

・叩いて挽き肉の肉汁に

ひき肉料理に混ぜるこれが美味いんだ~!!
細かく刻んで(というか叩いて)ひき肉に混ぜる。
餃子、シウマイ、ワンタンなどの点心や肉団子、つくね、ハンバーグなどなど。

ただし!!合い挽き肉や豚挽き肉などの脂の多いのではくどくなるのでNG
鶏胸挽き肉、ササミ挽き肉、豆腐やおからなどを使う、どちらかというとパサつきやすい挽き肉料理にいれると良い。

生の鶏皮を刻むのは洗い物が面倒なので、茹でるなりレンチンしてから刻むのがオススメ。


・鶏皮の保存について

我が家で鶏皮が余るのは大抵は茹で鶏を作る時なので、鶏皮も茹でて保存している。
冷凍しておけば色々便利だ。

画像10

ちょっと副菜が弱い時や、サラダに具を足したいとき、挽き肉料理をやるときなどなど、、、
あると便利な旨味食材になる。

また、さっき書いたが、パリパリにして保存しておくのも良い。
焼いてキッチンペーパーなどで脂っ気を抜いて密閉して保存すると良い。
これは冷凍ほどは持たないので、一週間以内に使い切ること。

画像11

一緒にウドの皮をカリッとした。

・脂について。

鶏脂(チーゆ)は便利だ。
豚脂、牛脂は常温で固形なのに対し鶏脂はペースト状。

牛脂と一部の豚脂は融点が体温より高いので体内で溶けにくく身体への悪影響が心配されるが、鶏脂は体温で溶ける。

まぁ、どっちにしても
脂である事には変わりないのだが……

最近では動物性の脂質を避ける傾向があるのだが、鶏脂は不飽和脂肪も多いので身体に必要な場合もある。
それに動物性の脂肪は旨味や味が強い。
加熱調理に関しては動物性の脂は重宝できる。

画像12

例えば、炒め物。
ゴマ油代わりに鶏脂を使えば、香りも旨味もつく。
炒め油旨味調味料といった所だろう。
ウェイパーやがらスープの素を使うならばあんまし大差はないだろう。

また、鶏は色々なジャンルの料理と相性が良いので、中華だけじゃなく、和食、洋食、エスニックなどの旨味に使える。

ただし!!鶏脂は不飽和脂肪が多く酸化しやすいので注意。
なるたけ密封し、冷蔵か冷凍、早めに使いきるのが良い。

ヘルシーだけど物足りない食材に合わせて使い切るのが程よくて好き。

画像13

・茹で汁の基本

鶏の茹で汁は御馳走だ。それに面白い。
あの組み合わせる感じは
スパイスカレーや自家製ラーメンに似ている。

が、あくまで茹で鶏の副産物だ。
だから難しく考えすぎない事。
家庭料理だしね、後から調整すれば良い。

我が家のレギュラーは酒、生姜、ネギ、胡椒かな。

画像14

俺は週1で鶏を茹でる。
なのでその日は鶏出汁を使ったメニューになる。
大抵は鶏スープになって、ご飯は中華系になるのだが、麺類に使ったり、冬場だったら鍋のベースにする事もある。

鶏の旨味はイノシン酸がメインだ。
もちろん単体でも美味いのだけど、旨味成分は相乗効果で美味くなる。
旨味はかけ算なので、重ね方次第では少量の旨味でもかなり美味くなるわけだ。

有名所は4つ。
動物に多い旨味:イノシン酸
植物に多い旨味:グルタミン酸
キノコに多い旨味:グアニル酸
貝に多い旨味:コハク酸

コレの組み合わせで美味くなる。

画像19

・茹で汁初級編

まずはイノシン酸×グルタミン酸
有名なのは鰹節×昆布

鶏はイノシン酸なので、グルタミン酸を合わせる。
よく使うのは昆布。
低温でじっくり火を入れ、80℃を超える時は抜いておく。

早煮昆布を使うのもオススメ。
出汁が出やすいし、そのまま具材にしやすい。
詳しくは早煮昆布note

画像16

・茹で汁中級編

次はイノシン酸×グルタミン酸×グアニル酸
オススメは干し椎茸椎茸の軸。
水で戻してから使うことでかなり旨味がしっかり出る。

そしてその戻し汁ごと茹で湯に使う。
椎茸、昆布、鶏の出汁はけっこう万能で、和洋中など大抵の料理に合うし、味の底上げをしてくれる。

もちろん椎茸自体も食べる。
鶏の味が染みてて美味い。

画像17

・茹で汁中級編2

イノシン酸×グルタミン酸×コハク酸
これはちょっと大変。
貝類ってあんまし常備しないからね。

あえて言うなら冷凍のムキあさり、干し貝柱、は便利だし常備しやすい。
アサリを一緒にいれてそのまま具にするのはアリだけど、あの味を鶏につけるのはあんましオススメできないので
鶏を取り出してから貝を入れるのがいいかな。

干し貝柱はしっかり戻して使うとめっちゃ良いスープが取れるけど、あれは単体で十二分に美味いのでわざわざ合わせなくてもいいかも……

・茹で汁上級編

ある物でやる。
あり合わせで美味しくできたら最高だ。

おれがよく使うのは野菜のヘタや皮だ。
食べきる事に全力の俺でも、食べれない部位ってのはある。
食べれなくは無いが、その為の作業が大変すぎる物や、食べても美味しくない部位はある。

よく出てくる物一覧
ネギの根っこ、生姜のゴツゴツした皮、すりおろして繊維だけ残った生姜、ニンニクの皮、キャベツの芯、白菜の芯、小松菜の固い根っこ、昆布〆の後の昆布、アスパラガスの皮、玉葱の皮、人参や大根やカブのヘタ、水菜の根元、などなど……!

野菜類はグルタミン酸がメインですが、アスパラギン酸とかの旨味も含まれてて美味い。
それに優しい甘さがでる。

イメージは鶏鍋の終盤のスープ。
野菜や昆布、鶏の旨味を合わせる。

画像18

・茹で汁の使い方

基本は鶏スープなのだが、野菜クズや昆布、干し椎茸などをいれて凄い美味しくできたら具を少なくして食べるのが良い。
なんというか、和食のすまし汁みたいな??

ダイレクトに出汁の旨味を味わうの最高です。
具としてオススメは主張の強くない物。
豆腐、春雨、白菜、大根、、、みたいなの。

味の調節は塩が基本。
美味い出汁ならシンプルに出汁を飲む料理を。

画像15

一方、出汁がそんなに濃くない場合は醤油や鶏ガラスープなどを入れても良い。
ここに鶏皮を刻んで入れるのも良い。
具材を色々入れたり、卵を溶いてもいいね。

ボコボコ沸かして煮詰めると濁った白湯スープになる。
それも美味いから試してみても良いかも。

画像20

・おわりに

あくまで副産物。
されど副産物。
それを楽しむのも良いんじゃ無いかな。

茹で鶏でヘルシーに!!
で見過ごされている皮や脂や茹で汁が少しでも減りますように。

この記事が参加している募集

習慣にしていること

おうち時間を工夫で楽しく

いつもありがとうございます。 書くの大好きだけどやっぱ大変だから、サポートして貰えると持続性が増します。