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祖母孝行?沖縄ランチ会の備忘録。

祖母孝行とでも言うだろうか、祖母宅にしばらく滞在している。
俺が生まれてすぐにじいちゃんは死んじまったので、ばあちゃんは20年以上1人で暮らしている。

場所は沖縄。
親族がいるわけでも、生まれが沖縄などでもなく、じいちゃんの仕事の関係で住み始めて30年近い。

そういう事情もあってばあちゃんの親族はだれも沖縄に住んでいない。
気軽に行ける場所でも無いので、俺は6年近く行ってなかった。

それがちょっとしたキッカケで行くか?となって3週間ほど滞在することになった。

長期滞在だから色々とできることがある。
冷蔵庫の整理、換気扇をばらして掃除、クーラーと室外機の新調、など物理的な事はもちろん、ばあちゃんの生活習慣を少しだけ変えなくちゃならない。
ま、焦りすぎずにぼちぼちやりつつ、俺は俺で沖縄料理を満喫したり沖縄食材を学んだり、焼き物や漆器を物色している。

・沖縄コース

そんな祖母孝行の一大イベントがミニコース。
ばあちゃんの卓球仲間を数人招待してごはんを振る舞う。
せっかく長期いるんだし、こういうのいいじゃない?

何年も使われずに仕舞われてたお皿達を引っ張り出してコースの内容とすり合わせていく。
秋の食材と沖縄の食材を使いつつ、年齢に合わせた量や食べやすさを重視、メインはお寿司。目の前で握るのは面白みがあるし、お話しできるのが良いわね。

お品書きは習字が上手なばあちゃんに書いて貰った。
良い共同作業だべ~こういうの嬉しいさ。大事にします。

・まずは秋らしいお茶を

到着して最初は温かいお茶を。
乾煎りした焼き芋の皮を緑茶に合わせ、甘く香ばしい秋のお茶。

これをいれるときは最初に芋の皮だけを沸かしたお湯でいれて、少し冷めてから茶葉をいれると丁度良い。
芋の味はでるまで少し時間がかかるし、温度帯も違うからね。

・前菜4品

・冷やし冬瓜
沖縄でよく食べる野菜、冬瓜。
俺のnoteを読んでくれてる方は知ってると思いますが、俺は冬瓜には慣れているので手慣れた煮物に。
鶏団子と合わせて炊いて、2日間染みさせ冷しで出す。
青味は丸オクラ、これも沖縄でよく食べます。
針生姜を少しのせて出汁を多めに張る。


・もずく 自家製ポン酢
”すぬい”ことモズク。
沖縄の名産のひとつ、今回はこれに千切りの長芋をのせ
シークヮーサーと沖縄の青レモンで仕込んだ自家製ポン酢で調味。
青いエスプレッソカップが綺麗でいいでしょ~!推し!

・秋の実の白和え
”うりずん”こと四角豆、黒豆、柿を白和えに。
うりずんはそのままだと青臭くほろ苦いが、使い方によってはクセになる美味しさ。
今回はそれに黒豆と柿、秋だねえ。

・焼きキノコみぞれ和え
椎茸、舞茸、しめじ、平茸、茶えのき、をよーく焼いて
塩揉みした紫タマネギ、レモン、葱、ゴマ油、そして唐辛子のタレで和えた。
コリコリで旨味が強くてピリ辛

前菜は特に五味五色を意識する。
旨い、酸っぱい、甘い、苦い、辛い、の要素をいれつつ、色合いや食感もバリエーション多めにね。

・椀物

椀物だけの写真を撮り忘れていた…

写真からは分かりにくいと思うが沢煮だ。
味の雰囲気が沖縄っぽいことと、使いたかった椀の形で沢煮にした。

沢煮は豚の脂を炒めて、根菜やキノコを炒め、酒をおおめにいれ、煮詰まったら鰹出汁、塩、醤油で味付け。
今回はごぼう、レンコン、人参、椎茸、茶エノキ、生姜、小葱をいれた。
秋の香りですなぁ~

本当は菊花を入れる予定だったんだけど、手に入らなくて断念、無念。
本来黒胡椒を入れるところを沖縄の島胡椒ともいわれるピパーチで。推しスパイス。

・お寿司ー握り5点ー

今回は台風や場所、ランチだったのもあって魚は前日に買った。
のでほとんど一手間加えている。
漬けにしたり、締めたりね。

けどそっちの方が楽しいよね~
色んな工夫が楽しめていいじゃな~い。

握りは右から説明しましょ。

・琉球すぎ
通称:黒カンパチといわれる新顔の養殖魚。
脂のノリがすんごくて濃厚、確かにカンパチに似てるかな。
こいつはシンプルにそのまま握り。

・鯛の昆布〆
定番ですね、昆布で一日〆てちょい薄めに。
年齢層が高いので隠し包丁はしっかり多めに。
ちなみに使った昆布は出汁に使ったし、最後は炒めて食べました。残さないわよ。

・ぶりの辛子醤油漬け
腹側のいいブリが手に入ったので辛子醤油で漬けて爽やかに。
ブリやマグロなどは辛子で食べるのも美味いんですよ~!

・まぐろ湯霜漬け
マグロは漬けに、一回サッと湯に通して表面を固めてから漬けにする事でネットリ濃厚になる。
良い赤身が手に入って良かった~

・サーモン塩麹漬け
塩麹をまぶして一日、濃厚な旨味がサーモンの脂と合う。
どっかの郷土料理であったよね、麹と鮭が合うわよね~

・お寿司ー棒と巻きー

目の前で握る場合はどうしても時間がかかってしまうので、巻物や棒寿司のような用意の出来る子がいると頼りになるんだ。

・炙り〆サバの棒寿司
シャリには煎りゴマと生姜とシソ。
切れ目をいれて噛みやすく、切り付けまでしておき、仕上げは目の前でバチッと炙る。
こういう演出、若い人は慣れてるかもしれんけど、ばあちゃん達は初めてだそうで驚いてくれた。テレビみたいやわ~ってね。

・薬味巻き
魚のヘタを刻んでまぜ、わさび、ねぎ、みょうが、シソと共に巻いた薬味巻き。
シャキシャキの薬味と様々な魚が面白いし、サッパリと食べれるのも利点。
漬け系の味が混ざって美味しくなる。

・赤西貝と叩き長芋の梅巻き
赤西貝はサザエ的な貝で細かめに刻んでコリコリな食感を活かす、長芋の粘りとシャキシャキ感、梅の酸味と塩気がたまらなく合います。
こいつは切りにくいので四つ切り。
日本酒のみたくなる味やわ~

・甘味と焼き芋ほうじ茶

はい、お待ちかね、焼き芋の登場です!
焼き芋を半分はペーストに、半分は刻んでバニラアイスと合わせた。
アイスの下には黒ゴマの胡麻豆腐、プリン的使い方。
仕上げは紅芋チップ、沖縄らしいし秋らしいし、素敵な甘味だと思う。

ちなみにアイスに具を混ぜるときはほんのり柔らかい位の状態で混ぜる事。
再冷凍して分離してシャリシャリになるのには気をつけて。

ちなみにお茶は焼き芋の皮ほうじ茶です。
こっちは緑茶の以上に皮を香ばしくさせた。というか茶葉と一緒に焙じた。

ほうじ茶はいれる温度が高めだし時間が経ってもエグくなりにくいし、一緒にしてもいい感じ。
和食の食後茶はやっぱほうじ茶よね。

焼き芋アイスのこっくりした甘さ、胡麻豆腐の濃厚な香ばしさ、チップスの塩気と食感、そこに香ばしく甘くほろ苦い深煎りのほうじ茶、たまらんね~~~!!
やっぱ甘味作り好きかもしれない。

・喜んでくれた人とお皿

お客様もばあちゃんもかなり喜んでくれた。
食後に踊ってるのでもの凄く沖縄を感じたし、色んな話しを聞けた。
返還前の離島の話しから、おすすめのサーターアンダギー、地元民はここの沖縄そばがいいだとか、、、貴重な話しを聞けた。

noteにアクセスできる方がいるとは思えんけど、今後とも祖母をよろしくお願いいたします。

喜んでくれたと言えば器達。
何年も、ヘタすると何十年も使われていなかった器をたくさん使えた。

自分では買わない色や形の物や、沖縄らしい器、昔ながらの重たい器、洒落たお盆、祖母が買ったはいいが使い方が分からんかった皿、などなど器の皆さんを使わせて貰えたの嬉しい。

喜んでくれたかなぁ、器達。

冬瓜の皿の黄色やお椀は蓋が可愛い、笑う魚柄の壺屋焼きは沖縄の伝統、下の四角いお皿は使ってみたかった方なんです。

よかった。いい器でした。ありがとう。

コースに関しては反省もそれなりにあるけど、兎にも角にも楽しんでくれたのでよいでしょう。
そりゃね、冬瓜の味はもう少しカツオ効かせた方がいいとか、キノコのとこにナスビもいれたかったとか、サバ寿司のシャリはもう少し柔らかい方がいいとか、意地でも赤酢を探せば良かったとか、ほうじ茶の芋率が弱いとか、、、、

まぁ、そこら辺は俺の中で次に活かしますのでね。うん。

ちなみにこの日の晩ご飯は余った魚達で海鮮丼にしました。
薬味増し増しがええでしょう。ぐへへ。

・おまけに美味しい沖縄を少々。

祖母宅でごはんを作る事も多いが、それなりに外食もする。
そりゃあ沖縄きたんだもの、するでしょう。

もう少しこっちにいる予定だし、後ほどちゃんとまとめよう思ってるんで、極一部だけ。
美味しかったものたちを。

てだこ

浦添前田にある沖縄そば屋。
沖縄そばでは珍しく濃厚系のスープが特徴。
といっても沖縄そばの範囲内なので重くなくて良い塩梅。
いまの所ここのそばが1番うまいな。

ウチナー茶屋&ギャラリーぶくぶく

壺屋通りにある茶屋で、ぶくぶく茶を。
沖縄の伝統茶のひとつでちょっと飲みにくいが面白い。
器めちゃ可愛いね~

歩のサーターアンダギー

牧志公設市場の2階にあるサーターアンダギー屋さん。
俺の前に並んでたおばちゃんが「ここのが世界一!!」と教えてくれた通りめちゃ美味い!
卵多めでほんのりピーナツ。油キレがいいのも良い。買って帰ろ。

ふくろう亭

美栄橋の極ちかくの沖縄料理屋。
一般的な沖縄料理と少し毛並みの違う物が多く面白い。
中でもラフテー(沖縄の角煮)に醤油や砂糖を使わずに炊いて、仕上げに白味噌ダレをかけるっての凄い。
新しい世界の美味しさでした。

宗像堂

人生で1,2を争うほど美味いサンドイッチだった。(争ってるのはアダチの鴨と青リンゴのサンド)
トマトとチーズ、少しのバジルだけなのにこんな美味いの凄い。
というかここのパン美味すぎてちょっとヤバい。
既に2回行ったけど、また行かねば。

イラブー料理カナ

イラブー、つまりはエラブウミヘビを使った琉球料理の有名店。
噂はかねがね聞いていたが想像以上に凄かった。
食べていくうちに血行がよくなりいつもより酔いやすく、なんだか元気がわいてくるし、関節の痛みが和らいだ気がする。

山羊料理 美咲

食べたくて散策しまくった山羊!
皮のコリコリとゼラチン、肉の香り、敷き詰めてあるヨモギ、生姜酢醤油との相性。どれもよかった。
俺は鳥刺しが食えないので、刺身で食える動物は貴重。

山羊料理 美咲

もちろん山羊汁も頂いた。
こっちはそれなりにクセが強い。肉は骨付きだし内臓もごろごろはいってる。
マトンやジビエで慣れてるアタシにとっては心地良いが、万人受けはしなそう。
でもこれ食うと元気がでます。気づけばペロリ。

・もう少しだけ。

沖縄にはもう数日います。
クーラーと室外機の取り付け、乾物棚の整理、小バエの処理、ベランダ掃除、、、やることは残り少し。

来る前に考えてたやりたい食べたいはそれなりに達成できたが、こっちで知ったお店や食べ物が多すぎるので行きたいとこはまだまだ沢山。
う~む、久し振りの沖縄はかなり面白い。

ドーナツ好きとしてはもっとサーターアンダギー巡りもしたいし、こっちの魚をもっと食べたい。

ま、なにはともあれもう少し楽しもう。
祖母と一緒に過ごすのも楽しみつつ、食の旅もしよう。
美味しく楽しく元気よく。ぼちぼちアタシらしくね。

ヤバいね31年ぶりのアルバムてえ奴は。

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