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春菊とゴボウの胡麻ポン和え。と春菊のすゝめ。

春のおひたしが好きだ。
小松菜やほうれん草は冬野菜だし、夏に食べるツルムラサキとナスビのおひたしも好きだし、秋にキノコを焼いて作るおひたしも好きだ。

だが!だけれども!!春のおひたしというのは特別なのだ。

春ほどクセのある野菜が多い季節は無いだろう。
おひたしのメンツで言えば、せり、三つ葉、菜花、うるい、春菊、タケノコなどかな。
香りが強くてアクがあって、ほろ苦くて、薬味に使われることも多い野菜だ。

そんな中から今回は春菊について話そうと思う。
なんでって、かなり気にいった料理があるからね。

・”春菊を茹でる”って単純じゃない。

春菊に限らないが、野菜を茹でるという調理は意外に難しい。
茎にはしっかり火をいれないといけないが、葉に火を入れすぎるとグズグズになってしまう。

それに小松菜やほうれん草は分かりやすく葉と茎が分かれているけど、春菊は根元側からもけっこう葉が生えてるので難しい。

修行していた料亭では葉と茎を分けて茹でていた。
それに葉も長さでいくつかにわけて、長さを揃えて切って茹でていた。

けど家でそんな事までするのは大変だ。
だから今回はちょっと丁寧にするくらいでいこう。

春菊は茎が太いのがいたら根元を縦に切る。
2分割とか4分割がオススメ。

こうすることで茹で時間を短くできる。
大変ならやらんでもいい、その分根元側をしっかり茹でること。

しっかり洗って砂やゴミをとる。春菊はけっこう砂が残りやすいから気をつけてね。

根元から茹でて冷水にとる。
根元側で30秒、葉までいれて15秒って所かな~
さっと茹でてしっかり冷す。

冷すときは葉の方を優先的に冷すと色が綺麗になりやすい。
そりゃ氷水でやった方が綺麗になるけど、普通に水道水でOK
そのかわりしっかり水を当てよう。

そしたら3cmくらいに切り分ける。

・ゴボウは硬いのがいい事だろう。

ごぼう、斜めに切ってそのまま並べて細切りにする。ささがきとかスライサーも良いけど、この方法が俺にはしっくり来る。早いし大量に切るのも楽。

ちょっと歯応えが強めに残るのも良いもんでさ、ちょっと春菊に火をいれすぎて柔らかくなっちまってもゴボウの食感があれば気にならないし。

水で洗ったら茹でる。
酢を入れて茹でてもいいけど、別にそんな気にしないでも良い。
アクが残ってるってのも魅力のひとつ。
それもごぼうの味。

で、茹であげたら水に晒して、さっきの春菊と合わせる。
こうやって水の中で混ぜると楽にムラなく混ざる。

・胡麻とポン酢とひとつまみの砂糖。

ザルに上げて搾って味付けする。

胡麻、ポン酢、そして少しの砂糖。
ポン酢で味付けるおひたしと、胡麻和えの間みたいな?

量はその、美味しいくらいで。
ポン酢で味がつけばOK、胡麻はすりゴマをたっぷり、練り胡麻ほど濃くないほうが良い。
オススメはすりゴマと煎りゴマを2:1くらいで使うの。

砂糖はほんの少し。この写真ので砂糖は2gくらい。
ちょっぴり甘い方がゴマに合うんよ~

で、完成!!
器は沖縄の読谷村にあるやちむんの里で一目惚れした子。
かわいい~~~~

ゴマの感じ、わかります?
胡麻和えほど多くないけど、おひたしにしては多いくらいです。


コレがうめえんだ~
春菊の香りとポン酢の酸味が最初にきて、噛んでいくとゴボウと胡麻の土っぽさが染み出てくる。
たまらなく美味い!

日本酒も焼酎も合うだろうけど、これにはビールだろう。
ビールの苦味と春菊の組み合わせ好き。IPAとかの苦味が合うだ~

・訳もなく赤飯を炊くような生き方。

これはある日の素敵な夕食。

ホッケの焼いたの、三つ葉のおひたし(出汁と薄口醤油味)
切り干し大根の煮物、春菊とゴボウの胡麻ポン和え。
それに赤飯となめこ味噌汁。

最後の晩餐にしたいと思うほど好きな食事。
それはごはん味噌汁焼き魚だ!!!!

煮物とおひたしがあるとホッとするのは俺だけじゃ無いと思う。


赤飯、美味しくて好きだから炊く。
別に良いことが無くても炊いて良い。
勝手に記念日にしたほうがハッピーかな。

美しい夕焼け、素敵な音楽との出会い、なんか良い天気、いま元気な事、いい料理、何でもいい。
赤飯を炊いて食べる、そんな元気がある事すら嬉しい事だ。と常に思いたい。

春菊とゴボウの胡麻ポン和え、ホッケのコッテリ感に合う。
三つ葉のおひたしのサッパリ感とは違う香り。
口の中の脂っ気を全て拭い去ってくれて、更には土っぽさをのっけてくれる。ありがたや~

肉ならば牛肉と合うだろう。
牛とゴボウは合うし、牛と春菊は合う。
牛塩焼きに合わせてえな~

・春菊のすゝめ、数品。

春菊はね、和食以外にも合うんです。
そもそも地中海が原産の野菜だからね、イタリアンなんかにはピッタリさ。

すき焼き以外の料理にも使おう。いいもんだぜ。

春菊の蒸し焼き

煙が出るほど熱くしたフライパンにオリーブオイルをしき、春菊そして水と塩を少々。
蓋して短時間で火を入れる。

少量の水分で一気に蒸し焼き、底の方はちょっと焼けてて、上の方は蒸されてる感じ。
これがたまらなく美味いんだ~~

イタリアンや洋食のコッテリ系料理に添えると凄く良い。
俺の中のハンバーグに添えたい野菜ランキング上位です。

要素の少ない鍋に魅せられて

家でシンプルな鍋を作るのは難しい。
1種の具でサンドイッチをつくれた試しが無いように、ついつい具をいれちゃう、そんな料理って存在するよね。

鶏団子と春菊だけのシンプルな鍋にしたかったけど、前日に期限が切れちまった厚揚げと半端に残ってたしめじをいれる。

まぁそれでも4種の具で鍋は潔い。
どの味がどの具から出てるのかがよく分かるのも良い。

鶏団子の茹で汁をスープ鍋をこさえるとうまいんだ~

春菊は横に2分割して茎側を先に火入れ。
葉はサッと火入れ。

鶏の旨味と脂、そこに強烈なほど爽やかな春菊。
いい組み合わせです。
厚揚げの脂っ気も拭い去ってくれる。

味変に福岡の糸島で買った柚子胡椒。
強烈に辛いけど旨い。

山羊汁にはヨモギが定番だけど。

山羊汁と言えばヨモギ。そりゃそうだ。
器から溢れるほど生のヨモギ(沖縄ではフーチバーと言う)をいれ、汁の熱で火をいれるのが定番だ。

が、あえて春菊でやってみた。
ヨモギは近所の公園で摘めるけど、たまにはね。

骨付き、皮付きのヤギ肉で丁寧に山羊汁をこさえたらアッサリしすぎた。
臭みの淡い山羊なんて上品にカバーされた井上陽水みたいだ。
クセが無いのは魅力を半減させる場合だってあるんだ。

ただ、ここでヨモギだったらヤギが負けてたと思う。
むしろこういう場合は春菊でよかった気もするようなしないような。

なにはともあれ塩味の肉スープに春菊はよく合うだね。
豚と春菊とかも好きだな~

春菊の茎と人参のきんぴら

いいかい。春菊の茎が余ったらきんぴらにするんだで。
それも人参と。
賄いでもよく作った料理だ。

この組み合わせは絶妙で、どっちも油との馴染みがいい。
春菊はキク科、人参はセリ科だけど何か合うです。

多分香りかなんかの成分が被ってると思う。

人参→春菊茎の順で炒めて砂糖と醤油で味付け。仕上げに胡麻。
少し唐辛子を入れても良い。
この組み合わせ好きだなぁ。かき揚げにするのも好き。
オススメです。

・春菊に愛を込めて

春菊、いいでしょう?
俺は大好きなんだ。

大スターってほど人気ないタイプだけど、実は主役を張れる子。
春に絶好調になる魅力的な野菜でっせ。

カルシウムもカロテンもビタミンも豊富だし、胃腸にも良い。
季節の変わり目、特にオススメ。
食べてこ~~!!


”そばかす”という映画を観た。
上映の最終日だったと思う。ふと気づいて下北沢の小さな映画館で観た。

主演を務めた三浦透子さんが歌うエンディングも素晴らしくよくて毎日聞いている。
いい声、いい曲、いい音楽。

塩塚モエカさんの曲はいつも優しい。冬の陽だまりのようだ。

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