見出し画像

『アイデアのつくり方』から学ぶ発想の原理

みなさんこんにちは、工藤です。

本日はアメリカの起業家ジェームス・ウェブ・ヤングの著書『アイデアのつくり方』のご紹介をいたします。

私は30代で異業種から企画開発職に就くにあたり、多くの著名人から挙げられた本だったので手に取りました。

日本語版の出版にあたっては、著者が所属していた広告業界とは別の、科学、技術、あるいは芸術など、様々な分野で創作活動に携わっている、あるいはこれから挑戦されようとする人々を対象に企図されていたようです。

🥚『アイデアのつくり方』とは

1940年にアメリカで出版、日本語版は1988年に出版をされ、現在も売れ続けている知的発想法のロングセラーです。途中改訂があったとはいえ、80年間も読み継がれていることになります。

日本語版は40ページ近くの解説も含め、102ページほどで構成されているので、読書習慣のない方でも読みやすいボリュームだと思います。

著者のヤングは広告代理店の仕事を続けていくうちに、《アイデアをあなたはどうして手に入れるか》という質問に対する解答として、一つの公式なり技術が開発できないだろうかと考えるようになります。

ヤングがその疑問について長い間考え抜き、親交を結んだアイデア作成家たちの仕事ぶりを詳細に観察して得た結論が本書です。

まず、この書籍を読むにあたり心得ておかなければならないことがあります。著書からの引用です。

第一は、この公式は、説明すればごく簡単なので、これを聞いたところで実際に信用する人はまず僅かしかいないということ。
第二は、説明は簡単至極だが実際にこれを実行するとなると最も困難な種類の種類の知能労働が必要なので、この公式を手に入れたといっても、誰もが使いこなすわけにはいかないということである。

現代の自己啓発書をはじめとした多くの書籍にも共通していることだと思います。

🥚学ぶべき大切なこと

アイデアの作成については、下記のような記述があります。

どんな技術を習得する場合にも、学ぶべき大切なことはまず第一に原理であり第二に方法である。これはアイデアを作り出す技術についても同じことである。

そして、アイデア作成の一般原理として大切なことを二つ挙げています。

・アイデアとは既存の要素の新たな組み合わせ以外の何ものでもない

・既存の要素を新しい組み合わせに導く才能は、物事の関連性を見つけ出す才能に依存するところが大きい

この文面を読んだとき、私はフランス文学者の内田樹氏がこのように発言していたことを思い出しました。

「私の持論」という袋には何でも入るのですが、そこにいちばんたくさん入っているのは実は「他人の持論」です。(寝ながら学べる構造主義/内田樹・著)

アイデアも同様に、本人は0→1で創ったと思っていても、全くの更地から生み出されたものではないのかもしれません。

🥚アイデアのつくられる過程

本書では、アイデアのつくられる過程が5段階に分類されています。

①資料収集(特殊資料・一般資料)

②心の中で資料に手を加える

③孵化段階

④アイデアの実際上の誕生

⑤最終的にアイデアを具体化し、展開させる段階

①の資料(情報)収集について、クリエイティブな仕事において、真の知識にはなかなか近づきにくいため、十分深く、あるいは遠くまで掘り下げられていないケースがほとんどであると述べられています。

そしてその先の段階として、事実の直視だけではなく、情報の「意味の声」に耳をかたむけ、不完全なアイデアでも、記録に残しておくことが大切だということです。

そして、一見寄り道や遠回りのような過程を経て(問題を放棄して何でもいいから想像力や感情を刺激するものに心を移すなど)、アイデアが現実世界まで連れ出される原理・方法が記載されています。

現代でもこの5段階はアイデアを生み出す一つの型として通用する原理だと思います。私もまだまだこれらを使いこなせているとは言えないので、企画開発職の心得として大切にしていきたいです。

 

 

 

 

2018年に沖縄から書いたブログ「価値観をぶっ壊せ!亜熱帯から届けるメッセージ」はこちらからご覧いただけます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?