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人に聞くことができない人は、ものすごく損をしている話

どうやら大人になると、人は人に聞くことが恥ずかしくなるようだ。

というのも、先日、プリンタのインクが切れてしまったので、家電量販店にいった時の話である。


プリンタコーナーに行くと、ざっと200種類以上のプリンタのインクが置いてある。

「一体どれ買えばええねん」と、エセ関西弁で埼玉県民の僕は悩んだ。

ダサイタマって、いわないでくれ。


僕の隣でも、40歳くらいの親と子が、プリンタのインクを探しているようだ。

僕は、基本的に10秒考えても分からないことは、人に聞くか答えを見ることにしている。

なぜなら、考えることに意味があるのは、進路と夢と女心くらいだと知っているからだ。


そんな訳で、店員さんを訪ね、「すみません、EPSONプリンタのインクを探しているんですが、どこにありますか?」と聞いた。


当たり前だが、家電量販店の店員はものすごく詳しかった。

即座に僕が欲していた、プリンタのインクを見つけ出し、渡してくれた。

その時間、およそ2分だ。


店員が去った後、売り場を見ると、先ほどの親子がまだいるようだった。

ここから、僕の人間観察が始まった。


親子がインクを探し始めて10分が経過した。

多分、100種類くらいのインクを確認し終わったのだろう。

お父さんが「全然見つからねぇな…」と呟いていた。


その後、10分が経過した。

お父さんは「あっ、あった。やっと見つかったよ。コレコレ。」と、嬉しそうに、子供にプリンタのインクを自慢げに見せていた。

ホッとする話である。


が、これに警鐘を鳴らすのが今日の記事である。

あの親子はおそらく、僕がプリンタのインク売り場に来る前から探していたことを踏まえると、累計30分くらい探して見つけたようだ。

かくいう僕は、5分で目当ての商品にたどり着いた。


その差25分である。

6倍、目的達成するのに時間が掛かっている。

断っておくが、別にあの親子を否定しているつもりは毛頭ない。


だが、あのお父さんがもし、変なプライドで店員に聞けなかったとしていたら、実に勿体ない。


おそらく、大人になればなるほど、人は人に聞くことが苦手になる。

なぜ苦手になるのか。

間違っていたら恥ずかしい、知らないことが恥ずかしい、見ず知らずの人に話しかけることが面倒くさい、といった理由だろう。


ようするに、世間では、”大人が見ず知らずの人へ教えてもらう”ことが、恥ずかしいとされているのだ。

なんともいいがたい。


もちろん、ITの発達により、スマホで調べれば解決することが容易になったことも、原因の背景にある。


だが、スマホで調べて分かる情報にも、限界はある。

なぜなら、スマホの情報はほとんど3次情報だから。

ようは、スマホの情報源は誤ってたり、古かったりする。

無論、情報としての質は低いのだ。

だからなるべく、信頼性のあるインフルエンサーが発信する情報を信じたりする。

だが残念なことに、インフルエンサーの中には企業案件と称し、本当は好きでもないモノを致し方なくおすすめする、いわゆる「ヤラセ」もはびこっている。

じゃあ、我々はどんな情報を信じればよいのか?


それが、人に直接聞く情報である。

よっぽどのことがない限り、人は聞かれたことに対し、嘘はつかない。

ここは、性善説を信じてくれ。


人に聞く情報は、1次情報に近い2次情報である。

つまり、人に聞く情報は信頼性が高く、人が行動する際の重要な判断材料となり、情報の質は高い。

図に表すとこうだ。

図1


人から聞く情報は、入手のしやすさはスマホよりも劣るが、情報の信頼性が高い。

だから、人に聞けるか聞けないかにより、得られる情報の質が落ちる。

そして何より、問題解決のスピードが遅くなってしまう。

正しい確度がある情報を手にしたいならば、恥も外聞もなくなるほど、人に聞いてしまった方がよい。


また、前提として、聞きたいポイントを自分で固めたうえで人に聞く。

「何でもかんでも人に聞けばいいのか?」なんてことはまるでない。


子供みたいに「何で?何で?何で?」の大人じゃいかん。

「●●は☓☓だと思うのですが、▲▲は●●なのでしょうか?そうなれば、☓☓は▲▲だと思うのですが。」と、自分で仮説を持って聞くのが、大人だ。

決して、甘ったれて何でも人に聞いて解決するのではなく、必要な情報を自分で入手し、自分で結論を出すのだ。


厳しいように聞こえるが、どうか安心してほしい。

世間は優しく、聞かれたことには答えてくれる人は多い。


自分を頼られ聞かれた質問には、みんな答えてくれる。

間違いなく、生きやすい世の中だ。


そんな風に僕は思うのだけど、大人にはなれなかった。


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