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部下の相談に”共感を示す”ためにはどうしたらいいの?/しくじりマネジメント

『部下(メンバー)の気持ちに寄り添うこと(=共感)が大事』と言うのは誰しも聞いたことがあると思います。
ですが、実際にできてる人は少なくないですか?
特に仕事ができる人ほど、気持ちに寄り添うことが大事とは思いつつ、日常の仕事場面では優先順位を下げていませんでしょうか。

今日は”気持ちに寄り添う”というのは、具体的にどのようにすればよいのか、お伝えしたいと思います。

相手の気持ちに寄り添うことの目的・意味

そもそも、相手の気持ちに寄り添うことが必要なのでしょうか。
答えは当然”必要”です。
ですが、その必要性を感じていない上司が非常に多いと思います。
なぜでしょうか?

仕事のできる人は特にですが、自分の若手時代にこれまで上司や先輩に気持ちに寄り添ってもらって、自分が助かった経験。成功した体験。というのが少ないと思います。自分が経験していないことを自分のメンバーに実践するのは非常に難しいですよね。
だから、大事とは頭では理解できるものの、職場では実践できない。ということが起きているのだと思います。

では、改めてなぜ相手の気持ちに寄り添うことが必要なのでしょうか。
一言でいうならば、心理的安全性に繋がるためです。メンバーの心理的安全性とは常に揺らぎ続けるものです。1度できたら完成。ということではありません。
だからこそ、気持ちに”常に”寄り添うことで、安心・安全という認知を与え、安心して新たな仕事にチャレンジできる環境を作るのです。

”メンバーが仕事に向き合える環境を作ること”は上司の大事な役割の1つです。その環境をつくることが、メンバーの自律性を引き出し、行動・成果に繋がります。


「なるほど」「よくわかるよ」は共感ではない。

そんな僕もメンバーの気持ちに寄り添うことはずっと大切にしてきました。自己肯定感が低い若手が増えてきているので、心理的安全性を担保するため、気持ちへの配慮は欠かさず意識してきました。

ですが、実際は全くできていませんでした笑

あるメンバーとの営業同行での出来事です。顧客とのアポイントは大きな問題こそありませんでしたが、想定したゴールには到達することができませんでした。落ち込むメンバーに対して、僕は「まぁ、こういうこともあるよね。仕方ない。そんなに心配しなくても大丈夫だよ」と気持ちを察して、元気づけたつもりでした。

ですが、そのメンバーから言われたのは、

「仮谷さんは共感してくれないですよね」

帰りの地下鉄で言われたことは忘れもしません(笑)
続けて、そのメンバーからは「分かってくれているとは思うのですが、気持ちに寄り添ってもらっている感じはしない」と言われたのです。

共感と同感の違い

僕が陥っていたのはこれでした。具体的な例で説明したいと思います。

例えば、メンバーが声をかけてきたとします。
「こないだの案件は受注できませんでした。企画は御社が1番だけど、コストが合わないとのことで、今回は別に会社に発注することを決めたようです。悔しいです・・・」

皆さんなら、なんて声を掛けますか?

A)企画は良かったのにコストが理由で受注できない時って、悔しいよね。
B)顧客の役に立ちたいと思って頑張って考えた企画だったのに悔しいね。

どちらが気持ちに寄り添っているでしょうか。
言うまでもなく、Bですね。
Aは同感。Bが共感です。

同感とは相手の気持ちに同意することで、共感とは相手の気持ちを推測しながらその気持ちに同調することです。
相談した側からすると、Aは客観的に言われている感じで、Bは自分の気持ちを代弁してくれている感じです。
ポイントはテーブルで向き合うのではなく、カウンターで横に並ぶようなイメージですね。

どんどん抽象的になってきました笑

「なるほど。わかるよ」という言葉は、相手の気持ちに同意しているだけであり、気持ちに寄り添えてはいない。
気持ちに寄り添うことが苦手な上司に知っておいていただきたいです。


解決策を瞬時に出すというしくじり

さて、次のような相談に対して、皆さんはどのように回答しますか?

「親友のAさんを怒らせちゃって、喧嘩しちゃった。どうしよう」

「とりあえず、謝るしかないよね」
そう思ったあなたは要注意です。相談してくるメンバーの多くは解決策を求めているのではありません。

共感とは、
「そうなんだー。仲直りできるか不安だよね」という感じです。

仕事ができる上司は様々な経験があるため、トラブルに対しても「こうすればよい」という判断が瞬時にできます。メンバーからの相談に対しても困っているので何とかしてあげたい。という気持ちから、どうすれば良いのかを伝えるのだと思います。

ですが、メンバーはその前に気持ちに寄り添ってもらいたいのです。
解決策を提示するのは、共感を示した後です。
そうすることで、共感によって前向きになったメンバーは解決策を自律的に実行できます。その方が上司のあなたもいいですよね?

急がば回りましょう。


根性論で気合を入れるしくじり

さて、最後にお伝えしたいのは「やるしかない」「頑張るしかない」という根性論についてです。このワードを使ったことがないという上司はほとんどいないのではないでしょうか。

僕もよく使ってました。結局、何が大事なのかというと「やるかやらないか」でしかないことを知っているからです。

でも、それをメンバーに伝えることに意味があるでしょうか?
メンバーだって、馬鹿じゃないです。やるしかないことは分かっています。
でも、しんどい。辛い。不安。様々な感情が邪魔をして、躊躇しているだけなのです。

であれば、その気持ちに寄り添うことで不の感情を和らげて、やれる環境を作ってあげるのが上司の役割といえないでしょうか。「頑張るしかない」というのは、メンバーに道は1つしかない。という退路を断ち、逃げ道をふさぐ言葉です。
そんな脅しともいえる言葉を使うくらいなら、「不安だよね」「辛いよね」と気持ちに寄り添い、どうすればできるかを一緒に考える方が有効です。

それでもメンバーにどのように声をかければ良いか分からない。という方は相手の言葉をそのまま繰り返すだけのオウム返しでも構いません。
解決策をすぐに出すこと、根性論で道を塞ぐことは止めましょう。
苦手だ。自分にはできない。と思わず、相手の気持ちを想像する癖をつけましょう。

終わりに・・・

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