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部下の話を聴くだけではなく「ここぞ」という場面は語る/マネアカ⑦

部下の話はしっかり聴くことが大事。ほとんどの上司の方は聞いたことがあることだと思います。面談、1on1を導入されている方々も多いと思いますが、部下との面談は7:3くらいで部下が話すくらいがちょうど良い。と言われています。

ですが、本当に聴いているだけで良いでしょうか?

もちろんメンバーにもよりますが、タイトルにある通り、個人的には「ここぞ」という場面では上司が語ることが大切だと思っています。

どういうことか、解説していきたいと思います。

なぜ「語ること」が大事なのか?

1on1は部下のための時間ということが大前提だと思います。ですが、部下のためだからと部下任せにしていても本当に良いでしょうか。

「語ること」の必要性については3つの観点からお伝えしたいと思います。

まず1つめは自己開示です。部下との関係性が一定積み上げられているなら良いと思いますが、まだお互いに信頼しあえていない状態であれば、相互に自己開示しあい、信頼関係を構築することが必要です。そして、僕がいつもお伝えしていますが、自己開示するのは基本的には上司から行うべきです。部下が歩み寄ってくれるのを待つのではなく、上司から歩み寄るべきということです。

そして2つめは情報提供です。メンバーより上司の方が情報を多く持っていると思います。会社の方針、自社の収支状況、新商品の開発情報、他部署の状況・・・等、入ってくる情報の種類がメンバーと上司層では異なると思います。もちろん、何でもかんでもインプットしていたら、メンバーも頭がパンクしますし、メンバーにとっては日常的には必要ない情報も多いかと思います。ですが、単なる好奇心や興味関心だとしても、新たな情報に触れることが満足に繋がることもあります。その新たな情報が新しい発想に繋がることもあります。メンバーが知りたいと思ってそうなこと、伝えると役に立ちそうな情報を見立てるべきだと思います。

最後に3つめは未来の想像です。突然ですが、採用面接をしている時に学生から「これから、どんなことをしていきたいのですか?」ということを聞かれたことはありませんか? 以前の僕は「なんでこんな質問するんだろう。俺がどんな未来を描くかはあなたに関係なくないか?」と思っていました。でも、そうじゃないんですよね。どんな人がどんな未来を観ているのかを知ることで組織・会社の未来を想像したいんですよね。人は先々が見えないと不安です。この傾向は昨今非常に強くなっています。ここぞの場面では自らを語ることでメンバーが未来に目を向け、描けるように促すことが必要だと思います。

そして、ここからは普段焦点になりにくい3つ目の未来について語ることにフォーカスして、お伝えしたいと思います。

「ここぞ」という場面とは?

上司がいつも未来について語ってこられると、ちょっとウザいですよね。「ここぞ」というのはどんな場なのでしょうか。

一昔前は飲みの二次会の席だったのではないでしょうか。二次会まで来てくれるような聞きたい、話したいと思っているメンバーに語り掛けていたんだと思います。ですが、もう時代も変わり、環境的にも飲みにケーションはめっきり減っているかと思います。

では、ここぞの場面とはどこなのか?いつなのか?

それは視野を広げたい時です。上司の気持ちとして「このメンバーは視野をもっと広げて欲しい!」と思うこともあるでしょうし、メンバー自身が「視野を広げたい!」と思っているときもあります。どちらでも構いませんが、この気持ちがあるときが「ここぞ」という場面です。

メンバーはどうしても、日々の仕事に追われているため、短期的な視点になりがちです。この短期視点を広げたいときこそ、未来について語るのが良いと思います。

では、上司が「このメンバーの視野を広げて欲しい!」と思うのは、どんな時でしょうか。
メンバーが、
・日常の仕事に行き詰まりを感じているとき
・日常の仕事にマンネリを感じているとき
・日常の仕事に面白さを感じていないとき
・日常の仕事にやりがいを感じていないとき

要するに”今”を過ごすだけになり、先々が見えていないときです。

メンバーは日々の仕事を乗り越える中で成長します。特に若手社員となると、1つの仕事をきっかけに劇的な変化をする社員もいます。そんな成長曲線に乗っているメンバーや日々の仕事に充実を感じているメンバーは良いですが、そうではない時、未来を語ることがお勧めです。

それって正論でしょ?

いやいや、未来なんか語っても聞いてくれないじゃん。メンバーから「ふーん」という顔をされるだけではないか。

そんな声が聞こえてきそうです。

確かにメンバーの心に刺さらない。興味を持ってもらえないことあります。なんか、「え?こんなに無反応?めっちゃすべってるやん!」と思うことがあります。

これには理由はいくつか要因が考えられそうです。

①自分にとってその情報にどういう意味があるのか分からない
自分の業務との接続。自分のキャリアとの接続。その情報が自分にとって、どのような有用性があるのか分からず、反応してもらえない。ということがあります。

そんな時は「会社の方針では○○ということを今は考えているよ。前に企画の職種にも興味があるって言ってたから、考え方とか参考になるかと思って、伝えておくね」という風に、なぜ今その情報を伝えたのか、上司の気持ちを素直に伝えるのが良いと思います。

②今じゃない
未来を語ることも大事とは言いつつ、先ほどからお伝えしている通り、メンバーの視点は短期的になりがちです。これは悪いことではなく、目の前のお客様や目の前の仕事に向き合っているので当然の状況です。

そんな目の前の仕事でトラブルが起きている。仕事がたまっている。うまくいくのか不安がある。そんな精神的に安定していない状況で未来を語られても頭に入ってきません。メンバーの今の状態をしっかり見極めることも重要です。

③急に言われて戸惑っている
普段は仕事の確認が中心にも関わらず、急に未来について語られると「どうしたんですか!?」となりますよね。これは焦らず、定期的に続けることが大事です。メンバーも上司をよく見ています。普段の会話から、何を大事にしている人なのか、どんなことに関心を持っている人なのか、よく見ています。

定期的に未来に関する会話をすることで、印象が変わってくれば、時間が解決してくれることもあると思います。1回の会話で劇的な効果や反応を期待しないことですね。

終わりに

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
今回の話でお伝えしたかったのは、メンバーとの1on1は話しすぎるのは良くないから、メンバーの話を聞くばかりに徹しようとしがちです。確かに話しすぎはNGですが、自分を語る。未来を語ることも重要だと思います。ぜひ試してみてください。

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※マネアカ
マネジメントアカデミーの略で「マネジメントのポイントをワンフレーズで学ぶ。正論ではなくホンネを考える」ということを大事にしています。

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