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褒めるマネジメントのよくある間違い/マネアカ㉔

マネジメントを担う方から、よく相談をうける「褒めるマネジメント」について、今日は記事を書きたいと思います。
褒めるマネジメントなんか必要なのか?
なんか大事そうだけど、どうやれば良いのか?
そんな疑問を感じる方に参考になれば、嬉しいです。

さて、内容に入る前に改めてになりますが、昨今は部下をきちんと褒めることが大事ということが言われていることは、多くの人がご存じだと思います。

俺らの時代にはそんなことはなかった。
褒められたいなら、それくらい褒めるようなことをしてから主張しろよ。

いろいろ思うことはありますが、時代は違うわけなので、今の時代に合わせることが必要なのです。

では、改めて、なぜ褒めることが必要なのか、まずはそこから考えてみたいと思います。

褒めるマネジメントの必要性

僕は2つの理由があると思っています。

・承認欲求を満たし、やる気を引き出す
この世には褒められて伸びるタイプの人が存在します。今、話題のスラムダンク的に言うと陵南高校の福ちゃんのタイプですね。褒められていること、認めてもらっていることが、満足感を高めたり、モチベーションに繋がるということです。

意味が分からないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そういうことを大事にしているメンバーもいるのが事実なのです。給料が増えるなら頑張る人もいれば、出世がかかっているなら頑張れる人もいると思います。でも、それを意味が分からないと思う人だっています。

それと同じように、周囲の人から褒められる。尊敬する人から褒められる。そのために頑張れる人やそれによってモチベーションが高まる人がいるという事実があるのです。

なので、個人的には絶対解のようにマネジメントは褒めることが大事と書いている記事にはいつも疑問を覚えます。人によっては、褒められることを全く求めていないこともあるので、そういう人には承認欲求を満たすための褒めるマネジメントは不要だと思います。

・判断軸を教え、主体的な動きを促進する
ただ、この2つめの理由から、やっぱり褒めるマネジメントは大事だなと思うのです。判断軸とは、何が正しいのか、何が良い行為なのか、何が組織や上司(自分)は求めているのか。ということを教えるということです。

営業数字を増やそうとか、開発スピードを高めようとか、こういった分かりやすい指標は良いのですが、そうでないこともたくさんあると思います。

例えば、お客様に訪問した後、今日の会議の議事録をまとめて、関係者に共有をする。ということを自立的にやってくれたとします。ただ、それは気の利いた素晴らしい行為なのか、関係者に混乱をきたすことがないように事前に内容確認をしたうえでやるべき拙速な行為なのか、どちらの可能性もあると思います。もしも、関係者への共有が拙速な行為で、その場では不適切な行為であれば叱られるでしょう。でも正しい行為だった場合はどうでしょうか?
たぶん、多くの場合は、何も上司からは言われないと思います。でも、それだとメンバーからすると正しい行為だったのか、良き動きだったのか、判断がつかないんですよね。

そういう意味で、褒めることで「良き行動、増やすべき行動」ということを暗に伝えることができるのです。

つまり、先ほどは人によって要否が異なるとお伝えしましたが、結果的には褒めるマネジメントは多くの状況で必要なことだと思うのです。

良い上司と悪い上司の違い

ですが、何でもかんでも褒めれば良いわけではありません。おそらく、これまでにメンバーを褒めるマネジメントということをやってきたものの、全然メンバーのモチベーションは変わらないし、意味がなかったと感じたことがある人も多いのではないでしょうか。

ただ、それは褒め方が悪いだけだと思います。

では、良い褒め方と悪い褒め方は何が違うのか、僕は次のように思っています。

良い上司は、メンバーが褒めて欲しいところを的確に適切な言葉で褒める
悪い上司は、ふいに褒めているのかどうか分からない言葉で褒める

ポイントは「何を」「いつ」「どのように」褒めるかということです。

まずは「何」です。
メンバーが頑張ったことに対して、その頑張ったことを褒めないと意味がないということです。例えば、今月の営業活動はいつも以上に頑張って、非常に良い成績だったとします。中でも、A社に対しては1年以上前から、肝いりで取り組んできており、諦めず粘り強く取り組み続けた結果、ようやく今月花が開いたのです。また、それ以外にもB社からのラッキーな大型発注もあり、ハイ達成を残しました。
ですが、上司は発注額が高いB社のことをたくさん褒めたとするとどうでしょうか。結局は「判断軸」は数字が大きいかどうかで全てが決まるのか?と思うかもしれません。本当は1年間粘り強く頑張ったことを素晴らしく、他の案件でも粘り強く取り組み続けることを大事にしてほしいと思っていても、結局はB社をたくさん褒められれば、それは伝わりません。

次に「いつ」です。
基本的にはやはりその場でクイックレスポンスで褒めることが大事です。どんどん記憶は薄れますからね。時間をおくことによるメリットは基本的にはありません。

最後に「どのように」です。
これはとにかくシンプルであるかどうかです。まどろこしく言うのは得策ではありません。個人的には、とにかくストレートに伝えるのが一番です。多くの上司とそのメンバーの相談にも乗ってきましたが、上司は褒めているつもりなのに伝わっていない。ということは山ほど見てきました。

好きな人へのアプローチと同じですね。基本的にはストレートに伝えることが一番です。少なくとも分かりにくい言葉で伝えることのメリットはないでしょう。

ぜひ、「何を」「いつ」「どのように」褒めるのが良いか、参考にしていただけると嬉しいです。

終わりに

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
そして2022年、様々な記事を読んでいただき、ありがとうございました。
2023年もマネジメントやリーダーシップに関する記事やビジネスで使える知識や考え方に関する記事を書いていきたいと思いますので、どうぞ今後ともよろしくお願いします。

応援いただけると、非常に嬉しいです。 全力でいい記事を書きたいと思います。 よろしくお願いします。