超クリエイティブ 「発想」×「実装」で現実を動かす
クリエイティブとは何か
「機能」で差がつかない時代は、「思想」で差がつく。その思想を体現するために必要なものが、クリエイティビティ。それがブランディングに直結し、市場で生き残れるかどうかを左右する。
クリエイティブの新起源
現代のあらゆるものがコモディティ化し、特別に意味があるものしか残らない時代。そうした状況下では、企業がどんな思想を持っているか、そして社会に対してどんな価値を提供できるのかが、マーケティングにおける極めて重要な差別化のポイントになってくる。
クリエーション起点には誰かに何かを伝えたい強い思いがあること、社会の問題解決と密接につながりがあること、「言葉にできない」ものをいかに解像度高く伝えるかが肝である。
モラルと教養という基礎力
「モラル」(その時代その時代における倫理的感覚)と「教養」(人類の思考のアップデートの履歴)という基礎力があり、「戦略」(世の中で何が起きているかを把握し、ユーザーを動かす道筋を整えること)「表現/アクション」(コアアイディアを実装する上での具体的な実行力)「人間力」(顧客関係力とチームビルディング)の3要素がクリエイティブには必要。
戦略‐コアアイデアをどう生むか
物事の本質を見抜いたうえで、最短距離で急所を突くような思考(コアアイデア)が必要になる。
あるものやサービスの価値を、個人やユーザーの視点ではなく、社会においてどういう価値を持っているのかと可能性をベースで考え直し、言語化する。そのモノや現象の意味の本質的構造を見抜き、かつ従来よりも一気に可能性を広げる言葉でつかむ。(社会の中での意味を捉え直す)
本質発見力とは、「これってこういうことですよね?」と世の中での大きな意味に置き換えられる力。これをできるだけ解像度高く言語化するのがクリエイティブの肝。①社会に対してどんな意味があるか②未来で広がったらどうなるか③熱狂的なユーザーの人生にとってどんな意味があるかの3つのベクトルで考えるのがコツ。
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本質を抽出してはじめて、多くの人の心に響く企画を生み出すことができる
コアアイデアを検証し、プレゼンする
コアアイデアを実装するチームビルディング
良いチームの定義:アウトプットが個の能力の総和ではなく、積になるチーム
ポストコロナ時代のクリエーション
大友的編集後記
クリエイティブ領域の知見を吸収するために本書を購入したが、思考法のメソッドはマーケティングにも通ずる部分が多く、広告にしてもテクニック論ではなく、クリエイティブの重要性が関わる仕事でも必ずぶつかるようになってきたので非常に参考になった。
本書内でも何度も触れられているが、コアアイデアが抜けた(または解像度が低い)まま部分最適な足元企画に走りがちなシーンは実際に多い。抽象化含め慣れていない領域は職種により多々あると思うが、「これってこういうことですよね?」というよりお客様が言ったままコピーにしろクリエイティブにしろ作りがちである。(CM規模でなければ工数や金額的に厳しい気もするが…)
■アイデアの検証に必要な10のポイントで引用しているが、まさにこのフォーマットに合わせて企画をつくる練習は自分も実践してみたい。特に②は売上立てるになりがちだし、⑥は深堀されていないことが経験から多いなと感じる。
全体を通してクリエイティブの話だけではなく、事業のグロース、戦略構築面についても触れられているので年齢・経験によらずクリエイティブに関わるマーケにしろ営業にしてもおススメしたい一冊。
直近の転職活動の際にプロデューサーとしてのキャリアチェンジの可能性もあったので(辞退してしまいましたが…)、視野を知識で補うというのも読書の良いところだなと改めて感じた。
また、本書でのDXは簡単にITによって事業の可能性を切り開く(デジタル技術によるビジネス改革)と記載があった。このビジネス改革がキーワードで、クリエイティブについても「非連続な成長を促し、新たな価値を生み出す多面的な思考法」と解説しているように言葉の定義は非常に重要。例えば、クリエイティブをバナーを作るとかメインビジュアルを作ることと定義してしまうとアウトプット一つとってもコアアイデアが無いので、やはり価値が下がる。DXにしてもビジネス変革を抜き去り、デジタル技術でコミュニケーションを変えるとなるとなんちゃってDXになるなと日々感じるので、自分が頻繁に使う言葉にしても自分の口で腹落ちする定義を持っておこうと思う。
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