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瓦礫と化したピアノの怨念

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演劇と怨楽の融合『ストロベリーソングオーケストラ』『瀉葬文幻庫』に於ける数々の楽曲・劇中歌を手掛けた座長・宮悪戦車の詩世界を纏めてみました。毒特の『鏡町』ワールドをご堪能ください。
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#怪談

拝み屋デブコの犯罪

拝み屋デブコの犯罪

過ぎ去る 夏の声 捕まえた
夕刻の影殺し 含羞む君の
背中にはりつく 真っ赤な鼓動
うしろのしょうめん だ・あ・れ、、。

壁に記された落書きを
五臓六腑の事件と見立て
空の底辺ぶら下がった
拝み稼業の主役の劇場

夜の牢屋の蟋蟀達は
闇を伝える怪話を貪り
月を描いた天文学者は喉の佛と言の葉黙した
ギラつく虚構の町は本を捨て猫を得た
鬼籍に転んだ詩人の遺言
猫の眼が光ったら犯罪が起こると

過ぎ

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狂れた埋葬虫、電波、赤マント!

狂れた埋葬虫、電波、赤マント!

時代はメギド四十九年三月七日、
鏡町の電波塔から発令された訃音警報により、
穢土にはびこる埋葬虫屈が突然変異、
屍に仕立てあげられた赤マントの男を捜索、
弑逆的かくれんぼを始めた!

墓場で目覚めた赤マント 眩い太陽
手枷をしたまま佯狂演劇 ゆうらゆうら歩く
片目に映った最後のト書きには 赤い字で書いた
これは遊びなんかではありません!
と、書かれていた

堂々巡りのかくれんぼ 埋葬虫電波の道

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