144○　本心

「本心」

口が裂けても言えないこと。言葉を奪われても秘めておくもの。人はいつからか秘密の引き出しを自ら創造する。それは心の中だけには限らず、頭の中、背中の熱さの時、指先が水に浸っている温度に限って、など、場所もタイミングもバラバラであって、記憶と経験を暗証番号にしている人もいるだろう。
もって生まれた才能の開花を誰もが楽しみにし、その時が来るまで右往左往しながら生きていくことになるが、予め持ち合わせた荷物もあるわけで。裸で外を歩ける時代は終わったように、何かを持っている私達。進むための道具、弱らないための薬、悲しみ。前世のカルマなど分かったふりをしても意味がなく、もし迷うならば枷があってもこの世にいる理由を重ねていくだけであればいい。

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黄青赤(きせきせい)