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自分の中には、自分の言葉では表すことのできない自分がいる。でも僕は、その自分を抉り出し…

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自分の中には、自分の言葉では表すことのできない自分がいる。でも僕は、その自分を抉り出し、その自分を白日の元に晒さなければならない。あるいはそれは僕自身を破滅に追い込むのかもしれない。しかし、あるいはそれは、世界を救うのかもしれない。小説、野球、ラグビーを中心に。

マガジン

  • あかねいろ 第2部

    新チームが結成され、改めて目標は花園!ベスト8チームが、上を見てあがき出します! 第1部はこちら! https://note.com/1331/m/m046bc9fc27cb

  • 妄想ライオンズ

    西武ライオンズについて勝手に妄想します。シーズン中はできる限りたくさん更新したい。

  • ラガー箚記

    日本のラグビーの大いなる可能性は、そもそも日本人には「自己犠牲」が美徳として備わっていることであり、ラグビーの精神そのものを民族として持っていること。さらに、その精神を、日本人という小さな枠にとらわれず、世界中のラガーマンと共有し、共に体現できていること。この2つを合わせれば、日本ラグビーが、世界の範たる存在になって当然であると思っています。 つまり、日本のラグビーが世界の頂点に立つ。その日まで、日本ラグビーを批判的な目で追い続けます。

  • ロードバイク散歩

    2022年の冬に、ふと思い立ってロードバイクを購入しました。 運動不足の解消、ダイエットへの不退転の決意、ランニングがつまらない、、などなど。 理由はともあれ、とにかく走ってみよう!ということでスタート。 所詮は、趣味の域でしかなく、速くも走れないし、さして長くも走れない。 けれど、一度街に出、川沿いを走り、丘を登り、 自然の中で、風を切り、足を回転させ、そして、たくさんの汗をかくと、 割と、毎日の色んなことが、些細なことに感じます。 怪我をしなければ、一生続けられるのかしら。 とにかく、少しずつ、ロードバイクに乗った記録をためていきます。

  • 短編小説集

    1話読みきりの短編小説です。

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inokichi`s profile

いのきち(inokichi)profile・小学生の卒業制作で、原稿用紙40枚に渡り「学校教育の問題点」を記載する。それとは別に、原稿用紙120枚を超える小説を書いてみた。 ・中学校までは甲子園を目指し、高校生では花園を目指し、大学生では女の子にモテることを目指し、社会人になってからは、お酒を飲むことばかりを考えていた。 ・ある日「猫人」という作品について思いたつ。自分の中に、何かがいる。取り出してほしいような気配がする。(あるいはそれは錯覚かもしれない)でも、それが一体

    • 【小説】あかねいろー第2部ー 74)作戦準備 ー雨乞い?ー

       月曜日の練習はオフで、次の試合に向けてのミーティングをした。  今の県大会での廣岡工業の試合はさして参考にならないので、菅平の合宿の時の試合の様子をみんなで確認する。廣川工業、朝丘とは県大会で当たることを想定して、高田や1年生がたくさん試合を撮りに行った。そして、彼らは事前に見るべきところをいくつかピックアップしてくれていて、僕らはその映像を何度も見る。  廣川工業は、とにかくFWが強い。決してサイズはないのだけれど、例年、小さくともまとまった、そして痛いFWを作ってくる。

      • 【小説】あかねいろー第2部ー 73)こんな自分に、生きている価値があるのだろうか?

         公園の道は、街灯に照らされてぼんやりと白い。200mほど歩き、大きな広場に出る。小さい頃には、ここでいつもいつも野球をやっていた。道路と反対側の、灯りからは遠いベンチに座り、夜空にすっとできた飛行機雲を見る。  何から考えたらいいのだろう。僕らにとって、僕にとって、1つの夢を叶えた夜。そして、2人の女の子たち。僕は何を考えたらいいのだろう。黒さを増した夜空を見上げて、息を吸い込んでみる。  僕は、自分の中で何かが引っ掛かっていることを感じている。それが何か、しっかりと自分の

        • 【小説】あかねいろー第2部ー 72)続く夢。2通のLINE

            着替えを済ませて、スタンドに上がり次の試合を見る。  第2シードの廣川工業が東地区の進学校を蹂躙していて、前半だけで40点以上の得点をあげていた。彼らにとっては、この日の試合は通過点にしか過ぎない。もっと言えば、次の僕達との試合も通過点でしかない。花園進出ですらゴールではない。彼らのゴールは、常に花園の優勝だ。流石にそこまでは難しくとも、花園でシード校になりベスト8まで行く、このくらいが彼らにとってのゴールのはずだ。  僕らの試合の興奮をよそに、少し小雨になった雨の中、面

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          7本
        • 【小説】40才のラブレター(完了)
          8本

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          【妄想ライオンズ 123】ロッテに15連敗???もういいです。残り30試合のライオンズに期待すること

          開幕以来ロッテに15連敗。エースとかつて言われた高橋光成は見事に0勝10敗。打線は0点か1点か、たまに2、3点という極貧打線から浮上する、兆し、すら感じない状態。 他方で、2軍は連日熱い試合を展開し、なんなら本気で、2軍の優勝を優先しているのではないかというような有様。 借金は42。創設初年度の楽天が借金59。残り30試合弱。うまくいけばそこに近づきそうな状態です。 CSはもちろん、5位すらもはや望むべくもなく、これからのシーズン終盤に向けて、完全に蚊帳の外状態のライオ

          【妄想ライオンズ 123】ロッテに15連敗???もういいです。残り30試合のライオンズに期待すること

          【小説】あかねいろー第2部ー 71)ラグビーに愛される男

            ホイッスルが鳴ると、僕は空を見上げる。雨は相変わらず強い。でも、この雨の感覚は1度目ではない。  今年の夏、沙織と花火に行った時の雨と同じだ。  雨に濡れた体は不思議と温かく、その上に降りつけてくる雨粒は、どこか懐かしい。雨は、僕の心の奥底にある、まだ見たことのない憧憬のような景色を網膜に映し出させる。まだはっきりと見えない。でも、それは確実にある。  清隆が、小道が、岡野が僕に飛び込んでくる。何か口々に行って、僕のことをハグしたり、叩いたりしてくる。そこに一太が、浅岡

          【小説】あかねいろー第2部ー 71)ラグビーに愛される男

          【妄想ライオンズ 122】もしも、古賀が1塁のままだったならば

          何度目か、ファンでもよくわからない8連敗。 その連敗をストップすべく、隅田は、2回以降、毎回吠えていた。 ソフトバンクとライオンズのスターティングラインナップを見ると、 同じカテゴリーの野球チームとは思えないほどに差がある。 「強いチーム相手に投げてるんだと割り切った」 と言わすほど、チーム力に差がある中、隅田は粘り腰のピッチングを披露してくれた。 特に、要所で、チェンジアップで三振をとる姿は凛々しかった。 そんな隅田に援護点をプレゼントできたのは5回。 昼間が0−2から粘

          【妄想ライオンズ 122】もしも、古賀が1塁のままだったならば

          【小説】あかねいろー第2部ー 70)最高のタックル

             SHからSOに向かってボールが出る。今度は10番は少しだけ前に出て、真横のタウファにボールを丁寧に丁寧に渡す。パスをするというより、文字通り、ボールを手渡す。僕らもそこに詰める。ライン間隔はより小さくしている。間を抜かれる可能性は小さい。ならば、彼のする選択はさっきと同じはずだ。  タウファ。彼を倒さずに、彼を乗り越えないで先にはいけない。ここでトライを許せば僕の秋は終わる。僕の高校ラグビーは終わる。沙織、津雲詩音、いろんなものが消えていく。  正面だ。正面から当たるん

          【小説】あかねいろー第2部ー 70)最高のタックル

          【妄想ライオンズ 121】あの日のリベンジー青山美夏人ー

          去年の3月31日。背番号29は、開幕戦の9回のマウンドにいた。 エースが8回を1失点で抑え、2−1の9回には、ライオンズの抑えのエースの背番号14ではなく、この年の新人の背番号29が上がった。 しかし、無情にも、後一人というところで、この年オリックスに移籍した、森友哉に劇的な同点ホームランを打たれた。 エースの勝利を消し、自分のセーブを消し、そしてこの後、チームの勝利も消えてしまった。 あれから1年と3ヶ月。 リリーフから先発へと回った今年。前回の登板から、スピードガン

          【妄想ライオンズ 121】あの日のリベンジー青山美夏人ー

          【小説】あかねいろー第2部ー 69)ゴールライン上にて

             20分を回る。自陣22mの真ん中あたりでのマイボールのスクラムは問題なく岡野の手に渡り、小道にパスがいき、彼が大きく蹴り返す、はずだった。そのイージーなパスを、今度は小道が手を滑らせてしまう。地面に転がるボールに対して、詰めていたタウファがセービングをする。芝生の上を彼の体はボールを抱きしめたまま3mほど滑っていく。その上を桜渓大付属の面々が乗り越えていく。僕らのFWは想定外のことに大きく出遅れている。  ラックになったボールを、桜渓大付属のSHは今度はまよわずに走り込

          【小説】あかねいろー第2部ー 69)ゴールライン上にて

          【小説】あかねいろー第2部ー 68)火花が引火して心が沸騰

            キックオフのボールはミスキックになり、低い弾道で僕らの右サイドに飛んでくる。回転が不規則で取りにくい。FWもBKも少し躊躇をしていると、ボールはバウンドをしてそのままタッチラインを割っていく。22m付近でマイボールのラインアウトになる。ここからはテリトリーが大事になる。1つのスコアで試合は決まりかねない。常に敵陣にいることが勝機を手繰り寄せる最高の選択だけれど、その最初の一手を僕らは失う。  雨の影響が色濃くなる。ラインアウトのボールを持った一太は、雨にぬれ草まみれになっ

          【小説】あかねいろー第2部ー 68)火花が引火して心が沸騰

          【小説】あかねいろー第2部ー 67)逆転の雨

            後半5分を過ぎたところで、試合を土俵中央に押し戻す。しかも、相手の切り札のタウファは10分間不在だ。明らかに風は僕らに吹いている。  ゴールポストの下に集まった桜渓大付属のメンバーは、ウオーター役のメンバーからベンチの指示を伝えられているのだろう。次のキックオフへはなかなかやってこない。レフリーからも声がかかる。時間も使いたいところだろう。気持ちはわかる。  雨足が強まる。勢いをつけた雨粒が少し痛く感じる。グラウンドの芝生も明らかに水気を帯びる。  ゆっくりとゆっくりとセ

          【小説】あかねいろー第2部ー 67)逆転の雨

          【小説】あかねいろー第2部ー 66)追い上げの雨

            スタンドの下のロッカールームに引き上げ、前半の反省をする。点差は8点、1トライ差圏外なのは不服だけれど、対タウファということで見れば、最後のワンプレー以外は上手に戦えている手応えがあった。  一方で、タウファ以外の桜渓大付属は明らかに強化されていた。セットプレーは僕らの方が有利だけれど、モールラックの強さ、接点の強さがああって、僕たちは全くボールに絡めなかった。キッキングゲームでも、10番、15番のキック力がしっかりしていて、完全にテリトリーは押し込まれ続けた。割合では3

          【小説】あかねいろー第2部ー 66)追い上げの雨

          【小説】あかねいろー第2部ー 65)呆然というよりも唖然

            先制を許したけれども、桜渓大付属に動揺の色は見られなかった。彼らは彼らで、関東大会まで行き、そこでベスト8まで進んでいる自信がある。  次のキックオフを僕らは蹴り返し、自陣10m付近でのラインアウトになる。  ここから彼らはモールを組んで押してくる。モールは僕らの方が強いという自負があったけれど、彼らの中にも相応の自信があるのだろう。しっかり組んで、まっすぐと、ゆっくりと押してくる。エリアも中盤で、僕らもモールに全員が入るわけではない。じっくりと6、7mモールを押して、さ

          【小説】あかねいろー第2部ー 65)呆然というよりも唖然

          ★ラガー箚記(48)★勝手に選ぶ、リーグワン今季のベストゲーム!第1位!

          プレーオフも交えて99試合。その中のはえある1位は・・・今季の赤丸急上昇の2チーム、そして、共に強烈なアタックの決定力を持つ2チーム。東芝と神戸の壮絶な撃ち合いの一戦を選びました。多少雑なシーンも目につきますが、展開の激しさ、そして1つ1つのトライの、なんとスペクタルクルなこと。ラグビーの面白さの詰まった一戦でした! 1位:第13節 神戸 40ー40 東芝 「最後のタックルこそが、東芝の魂」 モウンガが不在の東芝でしたが、そんなの関係ない!という展開。 両軍合わせて12本

          ★ラガー箚記(48)★勝手に選ぶ、リーグワン今季のベストゲーム!第1位!

          【妄想ライオンズ 120】連敗ストップ!「そこに青春があるから」

          8連敗。借金22。交流戦最下位、リーグ戦は言うまでもなくダントツの最下位。打てない上に、守れないし、リリーフ陣は崩壊中。 そんな不甲斐ない状態、監督を変えなければならない状態を、一身にその責を追っている、そう感じさせる、源田のヘッドスライディング。 マダックスを達成して、連敗を止めた隅田はいった。 プロの選手たちだ。結果が全ての世界だ。安易に涙なんかの姿を見せるな。結果を出せ、結果を。 確かにその通りだけれど、僕たちが野球を愛し、ライオンズを愛する理由は、それだけじゃ

          【妄想ライオンズ 120】連敗ストップ!「そこに青春があるから」